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日立ソリューションズ社員出場、障害者競技支え一体感

2016/9/8 日経産業新聞

車いす陸上競技に出場する久保選手

 リオデジャネイロ・パラリンピックに選手を送り出す企業もある。日立製作所子会社でIT(情報技術)サービスを手掛ける日立ソリューションズ(東京・品川)では、社員の久保恒造選手が車いす陸上競技の5000メートルとマラソンに出る。企業にとって障害者スポーツ支援の意義は何か。

 「社員の一体感づくり」。日立ソリューションズの石川浩常務は障害者スポーツ支援の目的についてこう説く。同社の前身の会社は2000年に日立系のIT2社と合併した。共通のシンボルになるような存在を探していたときに浮上したのが障害者スポーツだった。

 04年に「チームAURORA(アウローラ=イタリア語で夜明け)」を設立、障害者スキーでパラリンピックや世界大会で多くのメダルを獲得してきた。10年に別の日立系のIT企業と合併して現在の社名になった後も支援を続け、14年には車いす陸上競技にもチームの活動領域を広げた。

 経営統合を繰り返した日立ソリューションズにとって、ダイバーシティー(多様性)の象徴でもある障害者スポーツはうってつけだった。国際大会を目指す選手の姿が海外事業強化という経営方針と重なった。人手不足で企業のイメージが人材採用に大きな影響を与えるようにもなった。

 現在、アウローラの所属選手は6人(そのうち1人はコーチ兼任)。一般の社員と同じ職場で働いている選手もおり、アウローラは社員にとって身近な存在だ。後援会の会員数は全社員のほぼ半分に相当する約4300人に達している。

 「当時は全く知名度がなく何の宣伝効果もなかった」。総務部の下谷昇平部長代理はアウローラ設立直後の状況をこう振り返る。だが、障害者スポーツへの社会的関心は年を追うごとに高まっている。パラリンピックの「広告媒体」としての価値も上がり、「(久保選手の出場は)社員の士気や企業イメージ向上に大いに貢献している」と下谷部長代理は話す。

 20年には東京でパラリンピックが開かれる。企業は障害者スポーツにどう向き合うのか。その答えを用意しておかないと企業の評判が落ちてしまうだろう。

(薬文江)

[日経産業新聞2016年9月8日付]

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