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早期復職、企業は舵 「女性活躍と逆行」懸念も

育休延長の波紋(上)

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NIKKEI STYLE

育児休業を2年に延長する案が急浮上し、月内にも政府内で議論が始まる。待機児童問題が深刻になっているなか、仕事と子育ての両立を一層しやすくする狙いだ。ただ休業期間の長期化はキャリア形成を遅らせ、女性活躍推進の流れに逆行するという声もある。国や企業、働く側の思いを2回に分けて紹介する。まずは企業で急速に広がる早期復職支援の動きから。

「半年だけでも仕事の感覚を取り戻すのが大変だった」。ダイキン工業の法務部門で特許業務を担う芝池由美子さん(35)は振り返る。2015年5月に第1子を出産。育児休業を経て12月に職場復帰した。不在の間も法改正や新たな判例などがあり、休業前の知識では追いつかなくなっていた。「子どもは大切だが仕事でも活躍したい。育休は半年が限度」と話す。

育児休業は原則、子どもが満1歳になるまで取得できる。政府は8月にまとめた経済対策で育休期間の延長方針を打ち出した。ただ国の思惑に女性活躍先進企業は戸惑っている。早期復職支援が新潮流となっているからだ。

主な企業の早期復職支援策
日本たばこ産業特別に有給休暇(復職日から1歳の誕生日までの月数×2日)を付与
東和薬品1歳6カ月になる前に復帰した社員に50万円を支給(育休は3歳になるまで取得可能)
サトーホールディングス子どもが3歳になるまで年俸月額の20%を毎月加算支給
ダイキン工業生後6カ月未満で復職する場合(1)1日4時間の短時間勤務(2)育児支援補助金(上限60万円)支給など
りそなグループ生後1年未満で復帰する場合、最高6万円の早期復帰手当を毎月支給
明治安田生命保険子どもが満0歳の場合、保育料補助を月5千円上乗せ支給

ダイキン工業もその一つ。最高60万円の保育費補助や週4日の在宅勤務など、早期に復帰する社員に手厚い支援をさしのべる。芝池さんも制度をフル活用。復帰当初は認可保育園に入れず認可外保育園を利用したが、保育料は全額会社の補助でまかなった。早期復職支援は13年に始めた。ダイバーシティ推進グループ担当課長の今西亜裕美さんは「女性社員は貴重な戦力。期待しているからこそ早く帰ってきてほしい」と説明する。

企業が早期復職支援に舵(かじ)を切る背景には育休取得者の増加がある。育休を取り休業給付金を受け取った人は15年度に30万人を超えた。05年度の約2.5倍だ。出産後も働く社員が増えると「育児中だから」と過度に仕事を軽減はできない。

明治安田生命保険は今年4月、保育料補助を早期復職者に限り月5千円増額した。従来は一律1万円だった。15年度の育休取得者は1350人に上る。「休業中の社員の仕事をカバーする同僚の負担も重くなっている。本人のキャリアロス懸念もあり、早期復帰を促したい」(人事部)

もちろん育休は働く側の権利。早期復職の無理強いは許されない。子育て中の社員への配慮と早く戻ってきてほしい思い――。バランスの取り方は難しい。

 ◇   ◇

サトーホールディングスは10年に最長3年間の育休制度を導入し、気兼ねなく休めるよう給与の50%を休業中も支給する仕組みをつくった。一方、育休制度をフル活用しない社員にも13年4月に支援策を新設。子どもが満3歳になるまで給与の20%(上限6万円)を上乗せ支給している。

「前倒しで復職する社員より休業中の社員が厚遇されるのはおかしい」。女性社員から経営層に提案があったからだ。育休取得者のほとんどは1年以内に復帰し、2年以上休むケースは全体の6%にすぎない。人財開発部の高橋麻子部長は「女性社員の就業継続という目標は達成したので、これからは女性管理職を増やしていく」と説明する。

大阪駅前のオフィスビル会議室に8月30日、赤ちゃんを抱っこした女性約20人が集まった。「ぷちでガチ!育休MBA講座」の定例会だ。育休中もビジネススキルを磨きたい。そんなワーキングマザーの思いから講座は15年8月に始まった。大学教授らを毎回招き、2時間みっちり議論する。創設メンバーの西山裕子さんは「女性の意識も変わった。出産したらそこでキャリアは終わりではなく、復帰後に仕事でどう貢献するか。将来を見据えて、育休中もうずうずしている」と指摘する。

育休取得期間が延びたとしても、選択肢が広がるだけでキャリア志向の女性に影響はないとする意見もある。ただ病児保育などを提供するマザーネット(大阪市)社長の上田理恵子さんは異を唱える。

利用会員のワーキングマザーから毎月100件の相談を受けている。「育休をめいっぱい利用せずに復職するとき『子どもより仕事を選ぶのか』という暗黙の圧力を女性は今も感じている。育休の延長は復職にためらいを感じている女性をさらに心理的に追い詰める」と強調する。

 ◇   ◇

育休延長案、異例の審議 待機児童問題背景に

育児・介護休業法は社会情勢の変化に合わせて、およそ5年ごとに改正を繰り返している。ただ今回の育児休業延長論はこの定期的な見直しとは別。定期的な法改正は先の通常国会で成立したばかり。その施行も済まないうちに次の法改正審議が始まるのは異例の事態だ。

背景には待機児童問題がある。保育の受け皿を拡充しても、利用希望者の増加に追いつかない。育休は原則子どもが満1歳になるまで取得できるが、保育園に入れない場合は半年延長できる。厚生労働省は「半年延長しても保育園に入れずに退職する保護者がいる。その救済が育休延長の狙い」と説明する。

厚労省は月内にも労働政策審議会で議論を始める予定。詳細は未定だが、育休2年案が有力だ。その場合、(1)原則1年と規定する育休期間を2年に延ばす(2)保育園に入れなかったときの特例延長期間を1年に延ばす――など複数案がある。法改正案を審議会でまとめて早々に国会に提出、17年度中の施行を目指す。

(編集委員 石塚由紀夫)

[日本経済新聞夕刊2016年9月5日付]

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