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クラウドファンディング 大手メーカーでにぎわう

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日経トレンディネット

ネットを通じて不特定多数の個人(支援者)から資金を募り、その対価として完成品を送る「購入型クラウドファンディング」を活用する大手メーカーが増えている。購入型の有力サイト「Makuake」(サイバーエージェント・クラウドファンディング)では、2016年に入って東芝が参戦し、7月以降ではJVCケンウッドタカラトミーエーザイがプロジェクトを開始。

大手メーカーが購入型クラウドファンディングを活用する狙いは、大きく2つ。一般販売が決まっていない商品の市場性を見極める目的と、新製品情報に敏感な層に向けて一般販売の前にアピールして話題の拡散を期待するものだ。

クラウドファンディングの利用者は自ら対価を支払って支援するため、これまで自社で行っていた市場調査より"本物の消費者"に近い意見を集められ、プロジェクトの経過を随時報告することでロイヤリティーの高いファンの獲得にもつながりやすい。また、購入型クラウドファンディングでは先行発売という形を取ることも多く、その場合、既存の流通経路とは別の販路を確保でき、プロジェクトの結果次第では既存の流通との営業交渉に有利に働く可能性もある。

一方、クラウドファンディングの支援者にとっては、市場に出ていない製品を"先物買い"できるメリットがあり、しかも多くは一般販売時の想定価格よりも10%以上割安な価格で手に入れられる。

このように大手メーカーと支援者双方の利害を絶妙に満たすことで、購入型クラウドファンディングは伸びている。Makuakeで始まったJVCケンウッドやタカラトミー、エーザイのプロジェクトではどんな切り口の製品が提案されているのか、以下で解説する。

外の音が聞こえる斬新イヤホン

左右のイヤホンにモニターマイクを内蔵し、ブルートゥースで連係したスマートフォンの音楽をワイヤレス再生するのと同時に、内蔵マイクで拾った周囲の音を聞ける。そんなユニークなイヤホンが、JVCケンウッドがMakuakeで支援を募っている「マルチライブモニターイヤホン」だ。2016年7月中旬から募集を始め、8月24日時点では目標金額100万円を大きく超え、800万円を突破している。

この斬新なイヤホンの企画は、JVCケンウッドで新規事業を担当する有志を中心としたブレーンストーミングから生まれた。従来、イヤホンは遮音性や音漏れ防止など、音楽の世界に没頭するための"内に閉ざす開発"が主流だった。しかし、メンバーで自由に意見を交わすと、「実は電車のアナウンスなど音楽を聴いているときに周囲の音が聞こえないのは不便とか、コンビニの買い物でいちいちイヤホンを外すのは面倒など、さまざまな意見が集まった」(JVCケンウッド)という。自身でバンド活動を行う音楽好きの社員も多いため、周りの音が聞こえれば好きなアーティストの演奏を聴きながら"バーチャルセッション"ができるなどの発想も生まれ、アイデアを形にする機運は一気に盛り上がった。

ただ、このような斬新なイヤホンに市場性があるかどうか容易には見極めがつかず、商品化に踏み出しにくい。従来通り市場調査をすれば企画に賛同する声は集まるだろうが、実際に買ってもらえるかどうかはまた別の話だ。そこで目を付けたのが、クラウドファンディングの仕組みだったという。

7月のプロジェクト開始に向けて、2016年春からマルチライブモニターイヤホンの基本設計を行い、仕様を検討。デモ機も試作した。この過程で苦労したのが、イヤホンの小さいきょう体にドライバーユニットとマイクを格納する構造のため、いかにハウリングを抑えるかという点だ。そのために、「ドライバーユニットの制振性を高めた専用設計にし、密閉感を高めてハウリングを抑える工夫をした」(JVCケンウッド)という。

加えて、左右のイヤホンにつながる本体ユニットを設け、そこでスマホからの音楽とマイクで拾った周囲音のミキシングをし、両方の音がズレなく聴ける仕組みにしている。スマホとはブルートゥース接続のため、ハイレゾ再生には対応していないが、音質面で不満を憶えることは少なそうだ。

また、本体ユニットにはリチウムポリマー充電池を内蔵。当初、駆動時間は連続5時間以上を目指すとしていたが、「支援者からの要望が多かったため、駆動時間を長くできるよう仕様を再検討している」(JVCケンウッド)という。

このマルチライブモニターイヤホンの一般販売は、まだ未定。そのため、Makuakeで"先物買い"しておくのも手だろう。

タカラトミー、エーザイは割安価格で参戦

タカラトミーのグループ会社とベンチャー企業のデジレクトが手掛けるのが、おしゃべりする薬箱「スマイルメディくん」だ。2016年7月から9月下旬までクラウドファンディングを実施し、12月ころに一般販売を予定している。

スマイルメディくんの開発に携わったのは、タカラトミーの1600通り以上の言葉をしゃべる癒し系のぬいぐるみ「ユメル」を開発した経験を持つ桐迫 修氏(現・タカラトミーフィールドテック勤務)。実はユメルは、一人暮らしの寂しさをまぎらすなどのニーズでシニア層に売れており、そこから着目したのが、「クスリの飲み忘れ防止など、シニアに喜ばれる商品企画」(桐迫氏)だった。

そうして生まれたスマイルメディくんには、朝・昼・夜・寝る前の4回分の薬を収納可能。簡単な操作で薬を飲む時間を設定しておけば、スマイルメディくんが声で薬を飲む時間を教えてくれる。また、健康に関する雑学や早口言葉、睡眠、運動など約600種類の健康フレーズを収録しており、スマイルメディくんはそれらを時間帯に応じてランダムに話す。

ユーザーの話しかけに応じた「会話」まではできないが、一人で暮らすシニア層にとってはユメルのように寂しさをまぎらわす格好のアイテムになる。Makuakeのプロジェクトでは、100人限定で一般販売時より約20%オフの割安価格で買うことができるので、離れて暮らす親へのプレゼントに購入するのもいいだろう。

一方、エーザイが16年8月に始めたのは、同社のチョコラBBブランド初の機能性表示食品「チョコラBBリッチセラミド」のプロジェクト。9月中旬までの短い期間での募集だが、同社の通販サイトでは9月12日から、ドラッグストアなどの店頭では10月17日から一般販売を予定している。

「チョコラBBリッチセラミド」の特徴は、関与成分の米由来のグルコシルセラミドを配合し、「肌の潤いを逃しにくくする」という機能性表示をパッケージで大きくうたっていること。セラミドは角質層に多く存在する脂質で、肌表面から水分が蒸散するのを防ぎ、外部の刺激から守るバリア機能の役割を果たす。実際に乾燥などの肌荒れを気にしている20歳以上の男女61人を対象とした臨床試験では、米由来グルコシルセラミドを飲み続けると肌の水分蒸散量が有意に抑えられるという報告があり、それをもとにエーザイが消費者庁に機能性表示を届け出たものだ。

人間の体内のセラミドは、50代になると20代の約半分に減少するというデータがあり、乾燥などの肌のトラブルに悩む女性は多い。チョコラBBリッチセラミドは、そうした悩みに対応する製品だ。エーザイは、「クラウドファンディングで先行発売することで、日本初の機能性表示を他社より早く訴求し、一般販売を前に話題を拡散させたい」と意気込む。

チョコラBBリッチセラミドの一般販売価格は1本322円(税込み)だが、Makuakeのプロジェクトでは同社のサプリメント「美 チョコラ」をセットにした5000円以上割安なプランなども選べる。いち早く製品を手にできると同時にお得感もあるので、狙い目のプロジェクトだ。

(日経トレンディ 勝俣哲生)

[日経トレンディネット 2016年8月12日付の記事を再構成]

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