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保険料は助け合いへの参加料 貯蓄にあらず 正しい保険選びの考え方(1) 生活設計塾クルー 浅田里花

2016/8/24

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 一昔前は、職場などに営業に来るセールスの女性から勧められて加入するケースが多かった生命保険(以下、保険)。現在では、インターネットを経由したり、乗り合い代理店に出向くなど、自ら動いて加入するケースも増えています。ところが、勧められる機会がなかった人の中には、全く保険に入っていない人も少なくありません。ムダに入りすぎているのもNGですが、備えておいたほうがいい保障までないのは家計上のリスク。加入する・しないを合理的に判断するためにも、いま一度、保険の特性について確認しておきましょう。

■保険は「助け合い」の仕組み

 暮らしの中には様々な「経済的リスク」があります。つまり、予定していなかった経済的損失が急に発生する可能性があるということ。例えば、一家の大黒柱が死亡する、大きな病気で入院するなどが挙げられます。保険への加入は、これらの経済的リスクに備える有効な手段となるわけです。

 保険がなぜ有効かというと、加入手続きが整って保険会社の責任が開始されれば、たとえ1回しか保険料を支払っていなかったとしても、契約した保険金額の備えが確保できるからです。もし、積み立て貯蓄で備えたい金額の資金を準備しようとすれば、それなりの長い時間がかかってしまいます。貯蓄では追いつかない備えがすぐに確保できる、それが保険の最大のメリットと言えるでしょう。

 と言うと、目いっぱい保険に加入したくなりそうですが、支払う保険料はわが家のリスクのためだけに使われるのではなく、加入者全体の「助け合い」に回るものだということも知っておきましょう。

 保険料は、年齢・性別ごとの保険金・給付金支払いの発生する確率、保険事業の運営経費、保険金・給付金支払いに備える積立金の運用収益といった要素の予測をもとに、綿密に算出されています。そして、大勢の加入者から集めた保険料を運用し、運営経費にも回し、死亡や入院などが生じた契約に保険金・給付金を支払います。わが家が支払いを受け、助けられる可能性も十分にありますが、無事に過ごす可能性のほうが確率的には高いことを勘案すれば、延々と誰かを助けるために保険料を払い続けることにもなりかねません。やはり、適切な保障額にとどめて加入しなければ、わが家の家計にとって痛手となるのです。

 また今でも「保険に入れば貯蓄にもなるのでは?」と言う人が少なくありませんが、「保険はあくまで保障と考え、資産形成の手段としては使わない」と役割を分けたほうがベター。

 確かに、積み立て部分を持つ保険(終身保険、養老保険、学資保険、個人年金保険、祝い金のある医療保険など)はありますが、積み立てに回るのは支払保険料の一部です。前述のように、誰かの保険金支払いに回る部分や運営経費に回る部分が含まれている以上、それらはどうしても掛け捨てになります。かつては積み立てに回る部分の運用収益が掛け捨て部分をカバーできる時期もあったのですが、バブル崩壊後の運用難に続きマイナス金利となった現在、運用収益を上げるのはますます厳しくなっています。また、積み立て部分のある保険は、その分掛け捨て型の保険より保険料を多く払わなければならないのも家計にとっては負担です。

 保険料は助け合いの仕組みへの「参加料」であり、将来の見返りを期待するものではないと割り切ったほうがいいでしょう。

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