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この保険の入り方はNG 共働き「3つの落とし穴」

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雑誌などの保険記事では、基本的には夫が主たる収入者であることを想定したケースがモデルになっていることが少なくないようです。しかし、共働きで正社員同士というケースも増えていますし、場合によっては妻の収入のほうが多いこともあります。共働き世帯に向けた「新・保険の常識」を確認していきます。

【落とし穴1. 「お葬式代確保」のための生保加入】

前に入った保険を"見直さず入りっぱなし"にしているから

「生命保険とは必要なとき、必要な保障だけ買うという商品です。例えば、車を買った人は自動車保険に入りますよね。逆に言えば、車を持たない限り自動車保険は要りません。それと同じように"必要でない保険"には入らなくていいのです。これが保険を考える基本と考えてください。一般の品物であれば当然の考え方ですが、いざ保険となると、その考え方を忘れてしまう方が意外と多いのです」とファイナンシャル・プランナーの深野康彦さん。

新入社員のとき、職場を訪れた保険レディーに「生命保険に入って一人前」などと言われて生命保険に加入した人はいませんか。

「自分が他界しても、誰かの面倒を見ていない限り保障は必要ありません。よく『自分のお葬式代くらい自分で用意しましょう』とセールストークで言われることがありますが、お金を最期にきれいに使い切って亡くなる方なんてほとんどいません。つまり、お葬式代くらいは何とかなるものです」と深野さんは言います。

「社会人になって必要になる保障はただ2つ、死亡保障と医療保障です。しかも、新入社員のときに、あえて必要といえるのは医療保険だけ」と深野さん。

「私達の誰もが公的な医療保険に加入していますから、医療費は3割負担で済みますし、さらに高額な医療費がかかった場合には『高額療養費』といった制度もあって、保険診療内の治療であれば最大でも自己負担は8万~9万円で済みます。ただ、若いときに大きな事故などで入院した場合、まだ貯蓄がじゅうぶんでない場合もあるかもしれません。病気やけがは待ってくれませんから、そうしたケースに備えた医療保険はあったほうがいいでしょう。その後、お金がたまったらこれも解約してもいいのです」(深野さん)

では、生命保険はいつ必要になるのでしょう? 結婚したときでしょうか。深野さんは「共働きでいわゆるDINKSの状態であれば、生命保険は基本的には不要です。赤ちゃんができて、夫か妻のどちらかが亡くなったときの経済的損失を補てんする。それが生命保険の役割だからです」と言います。

でも、この死亡保障もずっと必要なわけではありません。死亡保障の必要性は、末の子どもが生まれた日がピークで、その後、徐々に下がっていきます。

「例えば妻の収入を全額貯蓄に回していて、夫が生活費を担当している家庭なら、夫が亡くなっても不足する経費を賄うくらいでいいかもしれません。あくまでも『万一のときに足りなくなる分を補う』という狙いで保険を考えてください」(深野さん)

「子どもが生まれたら」「2人目が生まれたら」「夫婦のどちらかが仕事を辞めたら」というふうに、そのときの家庭の状況や貯蓄額に合わせて見直すのが保険の常識です。よくある"一度入って放っておく"のはお金のムダ以外のなにものでもありません。

【落とし穴2. 「とりあえず3000万円」の終身保険】

やみくもにたくさん"入り過ぎ"ているから

「気付いていない人もいると思いますが、夫婦ともに正社員の共働き世帯は実は何もしなくても手厚い"保険"に入っているようなもの。まずはそれを自覚しましょう。安易に会社を辞めて、今受けている恩恵を手放してしまわないことが一番大事だと言っても過言ではありません」と話すのは、ファイナンシャル・プランナーの内藤眞弓さん。

雇われている身だからこそ、労働法制上もかなり恵まれているうえに、公的な健康保険も年金も、保険料は会社に半額負担してもらえています。公的年金も国民年金だけの自営業者などに比べて、厚生年金、会社の企業年金などが上乗せされることで、定年退職時にはかなりの差が出てきます。夫婦ともに働いているため、受給金額も2人分になるのです。

ダブルインカムは世帯収入も多く、生活に余裕があります。しかし、気をつけないと、お金があり過ぎるがゆえの落とし穴もあります。それが"保険に「入り過ぎる」問題"です。

一般的に「保険料の目安は、世帯収入の10%」などといった目安が示されていることがあります。さきにも書いたとおり、共働き世帯はダブルインカムのため一般よりも収入が高額になりますので、数字をうのみにすると、世帯年収800万円の人は80万円が目安ということに。さすがにそこまではいかなくても、払おうと思えば払えてしまうだけに、保険料を払い過ぎていることに気付かない可能性があるのです。

「多くの場合、人は長生きするものです。保険のかけ過ぎで『保険料貧乏』になってしまっては、本末転倒です」(内藤さん)

「例えば保険会社に転職した昔の同僚から『3000万円の終身保険に入りませんか』といった誘いが来ることがあるかもしれません。月額3万~4万円の保険料を払って、60歳、65歳の解約返戻金を老後資金にするといったスキームです。はっきり言ってこれはムダです。保険会社の手数料がずいぶん上乗せされているからです。貯蓄と保険は分けて考えなくてはいけません」と深野さん。

【落とし穴3. 「家族全員分」の医療保険】

"何となく不安"という気持ちが膨らんでしまうから

「何となく不安だから」と、中身をよく理解しないで保険に入っても、安心が手に入るわけではありません。

内藤さんは「夫婦とも年収が高くて正社員という場合、恵まれていることと裏腹に、リスクの高い家庭であることが多いのです。年収は多くなくても安定していれば、その中で収支の見通しが利くのですが、年俸制や出来高制だったり、いつリストラに遭うか分からない状態だったりで、来年の収入が下がる可能性もある。そんな場合に、現時点での収入を大前提とした生活スタイルになっていると危険です。保険は不測の事態はカバーできても、給与の減額はカバーできません」と忠告します。

病気やケガに備えて、つい家族分の医療保険に入っている場合もありますが、「夫婦とも正社員だったら、公的な健康保険には傷病手当金の制度もありますから、家族分の医療保険は不要です。子どもはそもそも医療費が無料になる自治体もあります。子どもの医療保険は全く考えなくていいでしょう」(内藤さん)。

「日本人は国民皆保険があるため、とても恵まれています。会社員はさらに保障が上乗せされて手厚い場合もあります。正社員の皆さんには、『保険会社のパンフレットを見る前に、自分の会社の福利厚生をよく確かめて』と言いたいですね」(深野さん)

だからこそ、話は最初に戻って「安易に正社員の立場を捨てないことが最大の保険」と内藤さん。「もし、がんになったとしましょう。がん治療の最大のキモも『会社を辞めない』ことです。病気で会社を辞めるのは最後の選択だと考えてください。『治療に専念するために退職する』は考えてはいけません」。

「そのためには自分が元気なときに病気になった人もサポートして、みんなで助け合う風土を自分の会社に作っておくことが大切です。繰り返しになりますが、どんながん保険も、どんな医療保険も、治療費はカバーできても、収入ダウンのダメージはカバーできないのですから」(内藤さん)

保険はあくまでも道具。頼り過ぎるのは危険です。

「日本人は学資保険、年金保険といったネーミングに弱いですよね。必ずしも保険でなくても、もしもの場合に備えて自分でためる方法もある。しかも貯金には色がついていないから、使い道も自由です。保険を途中でやめるともったいない、という発想から解放されてください。保険料を払い続けることが、損を重ねる場合だってあります」と深野さん。

深野康彦(ふかの・やすひこ)
 クレジット会社勤務を経て1989年4月に独立系FP会社に入社。96年1月に独立し、現在、有限会社ファイナンシャルリサーチ代表。テレビ・ラジオ番組など出演、各種セミナーなどを通じて、投資の啓蒙や家計管理の重要性を説いている。あらゆるマネー商品に精通し、分かりやすい解説に定評がある。
内藤眞弓(ないとう・まゆみ)
 日本生命保険相互会社勤務を経て1996年にファイナンシャル・プランナーとして独立。「生活設計塾クルー」のメンバーとして個人のマネープラン、保険の見直し等の相談業務を行う。新聞、雑誌等にライフプラン、金融商品などに関する執筆のほか、講演、セミナーの講師としても活動。

(ライター 阿部祐子)

[日経DUAL 2016年7月25日付記事を再構成]

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