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曲に合わせて歌詞が動く リリックスピーカーの魅力

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日経トレンディネット

リリックスピーカーの魅力は、ただ単純に再生した楽曲の歌詞を表示するわけではないこと。同社が「Lyric Sync technology」と呼ぶ技術を使って、歌詞をモーショングラフィックとして表示する。しかも、スマホなどから音楽の再生を指示すると、スピーカーが歌詞をネット上のデータベースから取得するとともに、曲の構成や雰囲気を解析。例えばロックなら力強く、バラードならやさしくと、曲調に合わせて歌詞のフォントやサイズ、動きを変えて表示する。

このスピーカーを開発したのは、オーディオメーカーやIT企業ではなく、広告を手がけるクリエイティブエージェンシー、SIX(シックス)。2013年にデジタル分野を得意とするクリエイター6人で発足した博報堂の独立子会社で、その強みを生かした新しいコミュニケーションやコンテンツ、商品・サービスを制作するクリエイター集団だ。しかし、そんな彼らがなぜハードウエアを展開するのか。これについて同社CEOの野添剛士氏は、「音楽というカルチャーをアップデートするため」と話す。一体どういうことだろう?

野添氏によると、近年必要とされる"クリエイティブ"には、顕在化したマーケティング課題などに応える広告クリエイティブと、そういった課題に対してではない、いち生活者としての気付きから生まれるカルチャーや社会の可能性を拡げるクリエイティブがあるという。

曲をより深く感じてもらうことが目的

同社のメンバーはそれぞれ、クルマや映画、ゲームや漫画といった異なるカルチャーに精通しており、各ジャンルの未来をライフワークとして常に考えているという。そうしたなかで、音楽というカルチャーをアップデートする方法として、ミュージシャンでもあるクリエイターがリリックスピーカーを企画・開発した。

「音楽のデジタル配信によって音楽自体は身近になったけど、一方で音楽を聞く体験については浅くなっている。昔は歌詞カードを握りしめてスピーカーの前で涙を流すこともあった。こういった深い音楽体験をするためには、歌詞を楽しむことが必要不可欠。アーティストは今も昔も、曲と歌詞の両方に思いをのせている」

音楽の価値の半分を占める歌詞をしっかり感じられるように、歌詞をスピーカーに表示するアイデアを思いつく。しかし、ここからが苦労したそうだ。「僕らはもともとがコミュニケーションをやっていた人間。メディアの中で表現していく力は広告クリエイティブで磨いてきたが、アイデアをプロダクトとして形にするのは未体験。コンセプトをコピーなどの言葉にするのではなくモノに落とし込んで、かつ世の中をアップデートするのは未知の領域だった」と当時を振り返る。

しかし、歌詞をモニターに流すだけであれば、そこまで苦労はしないはず。これこそがリリックスピーカーの核。「歌詞をただ表示するだけではなく、曲をより深く感じてもらうことが目的。このコンセプトを、クリエイティブの力で大きな価値を生み出すのがシックスの仕事」と、モーショングラフィックを採用。どのような曲調にどのような表示をするのが一番心地良いのか、歌詞への没入感を与えてくれる体験を実現することに、もっとも時間と労力をかけたという。

また自分たちにはないスキルが必要であることも謙虚に受け止めて、多くの専門家に教えを請い、自分たちも学びながら徐々にコンセプトをプロダクトとして形にしていった。「シックスはコンセプター。技術者とのやりとりは、とにかくコンセプトを共有することです」。そのためスピーカーは日本国内で生産されている点も興味深い。

コンセプトの純度を高めたプロダクト

こうして完成したリリックスピーカーは、スピーカーユニットが前面に2つあり、曲調に合わせて透過ディスプレーに歌詞が映し出される仕様に。「コンセプトの純度が自然と高まっていったプロダクト」と野添氏自身が評価する、まさに視覚と聴覚で音楽を感じることができるスピーカーとなっている。

このスピーカーによりシックスは、今年3月に開催された世界最大のマルチメディア・クリエイティブの祭典「サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)・インタラクティブ・フェスティバル」で、アクセラレーター・コンペティションのエンターテインメント・コンテンツテクノロジー部門のファイナリストに日本企業として初めて選出。そして、創造性と可能性にあふれ、今後飛躍を遂げるであろうチームに贈られる「Best Bootstrap Company」賞をアジアで初めて受賞した。

そして受賞後もブラッシュアップを続け、ようやく製品化に漕ぎつけた。

曲の構成と雰囲気を、産業技術総合研究所の楽曲解析技術により分析。モーショングラフィックで歌詞をビジュアライズする。感情を持った言葉が曲の進行に合わせてスクリーン上に流れる様子は、まるでミュージックビデオのようで思わず見入ってしまう。

歌詞は国内最大級の歌詞データベース会社、シンクパワーから取得。メジャーレーベルから発売されている120万曲以上に対応しており、今後も曲数は拡充する予定とのこと。

最近はCDを買うことも少なくなり、歌詞をじっくり楽しむ機会が減っている。曲は聴いていても歌詞は知らないという人も多いのではないだろうか。しかし以前は皆、歌詞カードを片手にCDアルバム1枚を何度も繰り返し聞いていたはずだ。歌詞を知ることでより深く楽曲を理解することができる。アーティストの思いも伝わり、その曲がもっと好きになるだろう。音楽カルチャーを現代的にアップデートしたリリックスピーカーで、深い音楽体験を再び楽しむのもいいだろう。

(ライター 津田昌宏)

[日経トレンディネット 2016年7月1日付の記事を再構成]

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