「とろ~りなめらか」主流に ファミマのプリン
コンビニの商品は目まぐるしく入れ替わり、常に新商品が発売されている。人気の定番商品であっても、1~2年に1度は製造方法やレシピが見直され、リニューアルされるのが当たり前。ファミリーマートは、2015年以降さまざまなカテゴリーの商品を刷新しており、16年6月14日にはプリンを全面リニューアルした。
人気のなめらか食感を追求した
ファミリーマートはプリンのラインアップを刷新し、「とろけるなめらか絹ごしプリン」「フレッシュクリーム絹ごしプリン」「濃厚卵のカスタードプリン」の定番3商品に加え、「とろける牛乳プリン」を季節商品として展開(16年7月中旬まで販売)。今回プリンをリニューアルする狙いについて、同社商品部の川島氏は「デザートを刷新していくにあたり、まずはデザートの中でも定番商品のひとつであり、人気のあるプリンから刷新することにしました」と話す。
現在、プリンは食感によって大きく"なめらか派"と"しっかり派"に分かれる。今回のラインアップは両者に対応するが、食感のなめらかさが増す"ホイップのせ"のプリンが定番入りしている点に注目したい。その理由は「よりとろっとしたなめらかな食感のプリンが、特に女性に好まれる傾向があるため」(川島氏)という。
しかしながらファミリーマートでは、リニューアル以前からなめらかな食感のプリンを発売していた。どう変わったのだろうか?
「今回の刷新の一番のポイントは絹ごしのなめらかさの実現です。とろとろな食感を出すために特製のオーブンを使い、蒸気をムラなく均一に伝えるなど製法をイチから見直しました」(川島氏)
特に絹ごしプリンは焼成する温度や時間などを何度も調整し、商品を完成させたという。さらに味の決め手となる牛乳や卵に、北海道産の純生クリームや牛乳、厳選卵などを使用しているのもポイントだと話す。
また、パッケージが統一された点も目を引く。これまでもファミリーマートでは数種類のプリンを発売していたが、パッケージの規格やデザインがバラバラだった。これを統一し、まとめて陳列することでプリンを目立たせる狙いがあるという。
商品のターゲット層は、「どちからというと、なめらかさが特徴の絹ごしプリン2種は女性向け、濃厚さが特徴のカスタードプリンは男性向け」(川島氏)で、売り上げもリニューアルから「好調に推移している」(川島氏)とのこと。
どちらのタイプも口どけがいい!
早速、とろけるなめらか絹ごしプリンと、濃厚卵のカスタードプリンを食べてみた。
絹ごしプリンはゆるすぎず、とろ~り感がほどよい。食感は非常になめらかで、口に入れるとスーッと溶けていく。まさに"絹ごし"の仕上がりだ。味に関しては、なめらか系プリンの特徴でもある牛乳の豊かなコクがしっかり味わえる。言わずもがな卵よりもミルクの風味のほうが際立っている。これに合わせて、カラメルソースの苦味が抑えられているのも見逃せない。
カスタードプリンは思ったよりも硬くない。スプーンですくうときは弾力を感じたが、食感はなめらかで食べやすいことに驚いた。卵の濃厚な味わいが楽しめて、苦味のあるカラメルとの相性も抜群。バニラビーンズ入りで香りもいい。昔ながらのプリンの魅力を残しつつ、現代的な味わいに仕上げたカスタードプリンという印象だった。
夏にクリーム系のスイーツを食べたいと思う人は、シュークリームではなくプリンを購入する場合が多いのだとか。確かに暑い日はしっかりとした食感のものより、なめらかなもののほうが食べやすい。冷たくて口どけのいいプリンは、すっきり食べられる。
7月中旬にはマンゴープリンが登場。今後展開される季節商品も楽しみなファミリーマートの新プリンだが、まずはぜひ定番商品を食べてみてほしい。
(ライター 津田昌宏)
[日経トレンディネット 2016年7月8日付の記事を再構成]
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