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中途半端でもOK、今日の「挑戦の記録」を発信しよう

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日経ウーマンオンライン
仕事でもプライベートでも、発信力を高めることができれば、やりたいことができる環境が整う時代。せっかくの実力が発信力の弱さで埋もれぬよう、女性らしくしなやかに自己主張ができるようになる手法を、プレゼンノウハウに詳しい池田千恵さんが指南します。

「あのとき、こうすればよかったのに。こうしておけば、いまこんなに辛い思いをしないで済んだのになあ」

今が辛いとき、ついこのような愚痴をこぼしてしまいそうになりますよね。そんなとき、自分に喝を入れるために思い出す言葉があります。親友が19歳の誕生日にくれたメッセージです。

当時私たちは大学受験に失敗し、二人とも、実家を離れて寮で浪人中でした。彼女は仙台、私は東京の予備校です。

今振り返ると、浪人したことは、苦労してものごとを達成する喜びを味わえたり、浪人を許してくれた親に感謝できたりと、財産でこそあれ、失敗でもなんでもないことだと分かるのですが、当時は初めての挫折だと感じていました。頑張りが報われるのかどうかわからない中で勉強を続けることは、まだ若い私たちには辛いことでした。

そんななか、彼女からもらった次の言葉は、私の中でのお守りとなりました。

今の選択は、過去の自分が一生懸命考えて出したもの

「あのときこうすればよかった、と思うことはあるけれど、そのとき、それが一番いい、って自分で考えて決めたこと。そのとき一生懸命考えて決めたことだから、結果的にそれがいいことなんだよね。だから私たちの今の苦労もあとでよかったと言える日がくるよ」

この言葉を思い出すと、「今を否定する、ということは、過去の自分まで否定するということになってしまうんだな」と思い、よし、過去の自分を否定しないように、今がんばるぞ! と手綱を締め直すことができるのです。

不特定多数に見られる場所に挑戦の記録をする

もう一つ、過去の自分の蓄積を励みとする方法をお伝えしましょう。それは、挑戦の記録をきちんと文字にして、ネットなど不特定多数が見られる場所に残しておくことです。その場合は匿名でもかまいません。紙の日記などプライベートな場所に書いておくのでも良いのですが、不特定多数に見てもらえる場所に、定期的に書いたほうが「今日はまあいいか」という甘えでずるずる書かずに終わるということもないですし、後で振り返って検索しやすいうえに同じ趣味の人とつながることができるのでおすすめします。

例えば、私は過去に、趣味の一環でワインやチーズ、日本酒などの資格を取る勉強にはまった時期があります。その勉強のプロセスを「挑戦ブログ」と称して、何の知識もないときから、初心者丸出しでブログに勉強の過程を書いていきました。

もちろん勉強のプロセスを書くのは難しいし、分からないことを分からないと書くのは恥ずかしいことではありましたが、ブログに飲んだワイン、食べたチーズや料理との相性を記録し、自分なりの感想を書いていくその過程において、覚えるべきことが頭の中に定着するような気持ち良さを感じました。

また、挑戦するプロセスの中で「私も勉強中なんです」「私も飲み食いが好きなんです」という友人ができ、実際に会って食事をしたり、家に呼んだり呼ばれたりと、会社と家の往復では得られない出会いもありました。コツコツ書いているうちにメディアにも見つけてもらって、会社員時代には会社の許可のもと「チーズのプロのOL」としてラジオに出演したり、焼酎メーカーとコラボして焼酎のプロモーションを手伝ったりといった貴重な経験もさせてもらいました。

「初心者の目」を大切に

さらに、人に伝えたり講演したりする立場となった今、最も役立っていると感じるのは、過去の記録を見ることで「初心者の目」をもう一度思い出すことができるということです。最初は自分の備忘録のために書いたものなので、今見直すと、「昔はこんなこともできなかったのか」「よくもまあこんな状態で発信したな」などと恥ずかしく思うこともあるのですが、記録していたことによって、今だからこそ見える「分からない人がつまずく過程」も分かるようになっていったのです。

一度知識を得てしまうと、分かっていることが当たり前になるので、初心者がどこでどうつまずくかに関するアンテナが鈍ってきます。しかし、自分自身が初心者だったころの記録を読み直せば、今思うと「そんな簡単なことを」というところに苦労していたりするので、苦労している人、やろうと思ってもできない人の気持ちがよく分かるようになったのです。それがのちに、講演をするとき、聴衆の気持ちに寄り添うのに大変役立つようになりました。また、過去の記録を振り返ることで、「毎日なんとなく生きているようでも、意外と私、成長してるのかも」と、今の自分をポジティブにとらえることができるようになりました。

これに味をしめて、何か新しい挑戦をするときは、その挑戦をテーマにしたブログに書く、と決めていろいろ書いていた時期があります。その一つがフルマラソンへの挑戦でした。今では年に1度、市民ランナーとしてはまあまあのペースでフルマラソンを完走できるくらいの体力はつきましたが、当時の私にとってフルマラソンは未知の世界。全く走れないところから記録しよう、と走行距離、走行時間、感想を淡々と書いていきました。

すると、思わぬ効果がありました。このマラソンブログを数年後に夫が読み、「こんなにヘッポコだった人(つまり私)がフルマラソン完走できたんだから、自分にもできると思った」と言って、トレーニングを始め、実際にフルマラソンを完走するようになったのです。おかげで今では夫婦でホノルルマラソンに出場することが恒例となりました。「自分のダメなところが、人を勇気づけることはあるのだな」と実感したエピソードです。

「もうちょっとちゃんとしてから」の「ちゃんと」は一生来ない

多くの人は、不特定多数の場で、自分の不勉強をさらけだすのを恥ずかしく感じがちです。しかし、今まで数十年生きてきた経験を掛け合わせ、あなたの「あり方」「信念」「経験」がブレンドされて沁み出してくる経験は、あなただけのものです。あなたが思ったその時の考えや思いを、今その瞬間で切り取り、見える形で残しておくことは、時に今のあなた自身を、さらには他の誰かをも救うことにもなるのです。

あなたの今は、あなたが積み重ね、選択してきた過去で成り立っています。「自分をリセット」「自分リニューアル」とわざわざ張り切らなくてもいいのです。「今、このとき」一生懸命考えて感じた結果を大切にしてみませんか? そのための手段として、ぜひ、ブログなどの不特定多数メディアに、自分の挑戦の過程を綴ってみることから始めましょう。

実は、セミナーなどでこのような提案をしても、実際に行動に移す人は残念ながら1割にも満たない場合が多いのです。行動に移さない理由を聞くと、「もう少し、ちゃんとしてから始めたい」「まだ準備が整っていないからもうちょっと待ってほしい」と言われます。でも「もうちょっと、ちゃんとしてから始めよう」と思っているうちは、「ちゃんと」は一生来ないものなのです。

「ちゃんとしよう」と頑張る人たちは、インプットに一生懸命です。もちろんインプットは大切なことですが、「まずはアウトプットして、過去の自分からインプットを受けよう」という視点がすっぽり抜けているのです。

インプットというと、本や人から話を聞くことだけのように思いがちですが、外の世界だけに限ったものではありません。今の自分を記録しつづけ、過去の自分がある程度蓄積されたとき、過去の自分からインプットを受けてみましょう。また新たな発見があるかもしれませんよ。

中途半端で不器用で一生懸命なあなたを、恥ずかしくてもきちんと記録していったとき、数年後きっと、自分自身が書いた言葉に励まれ、自分自身を愛おしく思うことができるようになるでしょう。

池田千恵(いけだ・ちえ)
株式会社 朝6時 代表取締役。慶應義塾大学総合政策学部卒業。外食企業、外資系戦略コンサルティング会社を経て現職。企業や官公庁、個人に向け、図を活用したプレゼンテーション資料作成術、企画書作成術や会議進行術など、「伝わる」コミュニケーション全般について指南。女性のキャリア形成、ダイバーシティーなどをテーマに講演、著述活動も行う。『絶対! 伝わる図解』(朝日新聞出版)、『描いて共有! チーム・プレゼン会議術』(日経BP社)などプレゼン・図解に関する著書多数。

[nikkei WOMAN Online 2016年7月22日付記事を再構成]

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