自宅用防犯カメラ 「スマホ対応」で2万円台が主流
防犯カメラの普及が目覚ましい。繁華街や住宅街で監視カメラの設置が進み、犯罪の解決にカメラの映像が活用されるケースが急増。一般家庭でも防犯意識が高まっている。「手軽に設置できる商品が増え、この1年で売り上げが急伸した」(ヨドバシカメラマルチメディアAkibaの関東嗣朗氏)と量販店でも手応えを感じている。
家庭にカメラを設置する目的は、主に「防犯」と「見守り」の2つ。留守宅への侵入者を監視する一方、近年では宅内に設置して、子供やペットの様子を外出先から確認する使い方も多い。
ヨドバシカメラでの売れ筋トップは見守り用で、パナソニックの「屋内カメラキット(KX-HJC200K-W)」。カメラに加え、動画の保存やカメラの操作を行うホームユニットがセットになっている。人やものの動きを検知すると映像を録画する方式だ。カメラにはマイクとスピーカーが内蔵され、外出先からスマホを使って通話できる。「大手家電メーカー製という安心感も手伝い、選ぶ人が多い」(関東氏)
同様に屋内で使う見守り用では、置き場所を取らない、カメラとレコーダーの一体型も人気が高い。5位の「ネットでeye(NS-70NC)」(日本セキュリティー機器販売)の他、7位、10位と3機種がランクインした。いずれも無線LANルーターに接続して、スマホで操作する。なお、屋外用でも2位、3位の商品はスマホで動画を見られる。こうしたスマホ対応は、家庭用防犯カメラの標準機能になりつつあるようだ。
屋外用の防犯カメラには、レコーダーとの配線の有無で「有線」と「ワイヤレス」の2タイプがある。「配線の煩わしさがなく設置も簡単なので、ワイヤレスを選ぶ人がほとんど」(関東氏)という。なかでも2位の「ワイヤレスカメラ&モニター(CMS-7110)」(朝日電器)は、モニターが付属し、外付けHDDを買い足せば長時間録画もできる機能の高さが受けている。
今回ランクインしたなかで、有線は6位と9位のみ。レコーダーが別売りで配線工事も必要だが、ワイヤレスに比べて動画の画質が良く、侵入者の様子をはっきり確認したい人に選ばれている。
現在、家庭向けの防犯カメラの画素数は、30万~54万画素が主流。高いものでも100万画素ほどだ。しかし8月には、200万画素の新製品が発売される予定で、今後は画素数も選ぶポイントに加わりそうだ。
(ライター 根本佳子、写真 高山透、近森千展)
[日経トレンディ2016年8月号の記事を再構成]
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