スマホの保護フィルム 激安品が強化ガラスに勝利
「強靱」「割れに強い」「超衝撃吸収」など、スマホの液晶保護フィルムのパッケージには、頼もしいキャッチコピーが並ぶ。スマホを落としても画面を守れる、本当に強い商品はどれか。
保護フィルムには、低価格な「PET」製、弾力がある「ポリウレタン」製、そして「ガラス」製の3種類ある。なかでもここ数年、商品点数が増えているのがガラス製だ。PET製の3倍以上と高額だが、触り心地や貼りやすさ、何より頑丈そうなイメージで支持を広げている。
ガラス製フィルムは、厚さと材質の違いでバリエーションが多い。厚さは0.1~0.4mm。昨年までは0.5mmも多かったが、iPhone 6sで感圧液晶が採用されたことで薄型化に拍車がかかった。ガラスメーカーのHOYAは「0.5mmの保護フィルムだとiPhoneの感度が落ちるため、0.2mmに切り替えた」という。
ガラスの材質にも2種類ある。住宅で使われる一般的な「ソーダライム」と、耐圧腕時計などで使用される硬質な「アルミノシリケート」だ。アルミノシリケートは、米コーニングの「ゴリラガラス」、旭硝子の「ドラゴントレイル」のように、ブランド化もされている。
これらに差はあるのか。10商品をiPhone 6sで使われているものと同じガラス面に貼り、上から鉄球を落として破損の有無をチェックした。
本体のガラスを守れたのは半数の5商品。まずは、ガラス製で最も厚い0.4mmが"合格"だった。アルミノシリケートが本体、フィルムとも無傷だったのに対し、ソーダライムでは本体は守れたが、フィルムにひびが入った。いずれにせよガラス製を使うなら、0.4mm厚が一つの目安になる。
薄いガラスにもかかわらず割れなかった商品もあった。0.2mmのドイツ製だ。0.35mm以下のアルミノシリケートで、日米の有名メーカーがことごとく割れるなか、存在感が際立った。
予想外だったのは、ポリウレタン製とPET製。いずれも、本体のガラスはほぼ無傷だった。タッチの使用感などはガラスに譲るが、安価と頑丈さを兼ね備えるのは大きな魅力。今回のテストの限りでは、高価なガラスフィルムを買う必要はないといえそうだ。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ2016年8月号の記事を再構成]
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