ハロプロ発、ももクロの妹…これからくる女子アイドル
こぶし、たこ虹、原駅A、妄キャリにインタビュー
7日公開の記事で人気女性アイドルグループに続き、少し年下世代の「妹系グループ」が相次いで登場していることを紹介した。今回はその中から、こぶしファクトリー、たこやきレインボー、原宿駅前パーティーズ、妄想キャリブレーションへのインタビューをお届けする。
ハロプロ発 こぶしファクトリー
「レコ大最優秀新人賞」に輝いたBerryz工房後継の元気系グループ
15年に活動停止したBerryz工房の精神を継承すべく「ファクトリー(工房)」をグループ名に含めたハロー!プロジェクト(以下、ハロプロ)の新グループ、こぶしファクトリー。平均年齢15.6歳はメジャーデビューしているハロプロのユニットで最年少となるが、全員がハロプロ研修生から選ばれ、最もキャリアが長いメンバーは研修生歴4年。豊富なレッスンに裏付けされたダンスと力強いボーカルが特徴だ。8人のメンバーから、リーダーの広瀬彩海と浜浦彩乃に聞いた。
広瀬 グループ名は一度耳にしたら忘れられないインパクトがありますが、相撲をテーマにしたデビュー曲の『ドスコイ! ケンキョにダイタン』ではメンバーの藤井梨央ちゃんと和田桜子ちゃんが間奏で実際に相撲を取る振り付けがあったり、歌やダンスもすぐに覚えてもらえる自信があります。
浜浦 こぶしファクトリーは、まじめにふざけるグループなのかなって思います。歌やダンスがそろっているハロプロの先輩グループはたくさんいますが、私たちはまだパフォーマンスの力が足りないので、成長する姿を見てほしい。結成してからずっと、日替わりでメンバーが「表情に気を使う」など、毎日ひとつの目標を決めて、実行しています。こぶしファクトリーはメンバーの個性が強いのでバラバラになりがち。でも毎日の目標を決めることで、メンバーの気持ちがひとつになって、成長できているんじゃないかなって。
昨年12月にハロプロのユニットでは10年のスマイレージ(現・アンジュルム)以来となる日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞したことが自信になったと語る。
広瀬 それまではグループ内の他のメンバーに負けたくないと闘争心を燃やしていて、個人戦を毎日戦っている感じでした。でも、レコード大賞で新人賞に決まってから12月までの1カ月間、最優秀新人賞という具体的な目標に向けて8人が一丸となって、他のグループに負けないようにと、団体戦として頑張れるようになりました。
浜浦 レコード大賞がきっかけで、私たちのことが好きになったと言う方も多いのでうれしい。次の目標は、単独ホールコンサートです。
広瀬 さらにその先の一番大きな夢は、5大ドームツアーをすべて満員で実現すること。こぶしファクトリーの名前を世の中に広めて、アイドル界の頂点に立ちたいです。
スターダスト所属 たこやきレインボー
漫才のようなにぎやかさが持ち味 メジャーデビューで広がる夢
ももいろクローバーZを筆頭とするスターダスト所属。担当カラーで個々のキャラクターを目立たせる伝統を踏襲する。名古屋を拠点にするお姉さんグループのチームしゃちほこと同様、全メンバーにゆかりのある大阪での活動を主軸に、楽曲に地名や関西弁を取り入れるなどご当地色が濃いのが特徴。ステージでも関西ならではのノリが生かされている。
彩木咲良 ズバリ面白さが私たちの自慢です。自信があります!
春名真依 みんな関西出身だから普段の会話から漫才みたいだしね。
根岸可蓮 MCはまさにそんな雰囲気だよね。
堀くるみ 初ワンマンでは70分も、ただ5人で雑談したり(笑)。
清井咲希 ボケもツッコミもなくて延々と話し続けてたよね。
彩木 終わったあとにスタッフさんにしかられちゃって。今は曲中でアドリブを入れたり、今年のZeppツアーではターンして衣装を見せたり、余裕も出てきたよね。
堀 虹家族(ファンの名称)さんとの距離の近さも魅力かな。イベントでは「温かさがある」とよく言われるんです。
清井 街中で「よっ!」って気さくに声をかけられるし(笑)。握手会では「また大きくなったね」と言ってもらったり、ファンの方に見守ってもらっている感じです。
ももクロの妹系として紹介されるケースが多いが、リーダーの堀は「いつかはたこやきレインボーとして知ってもらいたい」と決意を口にする。今年4月には自身6枚目のシングル『ナナイロダンス』でメジャーデビューした。さらなる飛躍が期待される。
堀 メジャーデビューでのフリーイベントは、短期間でいろいろなところに行けたのが思い出ですね。それから、ショッピングモールでは、日頃のライブでは出会えない小さな子が来てくれたので、うれしくてめっちゃ手を振ってアピールしました。
清井 『ナナイロダンス』の間奏では、みなさん肩を組んでくれて、一体感もあったよね。
彩木 メジャーデビューをきっかけに、リハーサルでみんなの目つきも変わったし、気持ちが引き締まった気がする。
根岸 早くアルバムをリリースしてみたいし、盛り上がる曲はもちろんバラードやカッコいい曲とか、色んな曲を歌ってみたいね。
堀 私たちは甲子園球場でのライブを目標にしているんです。だから、そこへ立つのにふさわしいグループになってみせます!
ライジング所属 原宿駅前パーティーズ ふわふわ 原駅ステージA
原宿駅前の専用劇場で定期公演を開催
ふわふわ メンバーは、15年に「おはガール」として活躍し、現役nicolaモデルの中野あいみ(写真左から1人目)、『ニコ☆プチ』専属モデルの岩崎春果(写真左から2人目)をはじめ、12歳から20歳までの18人。平均年齢は14.7歳。
週末を中心に「原宿駅前ステージ」で公演を行う「原宿駅前パーティーズ」。現在活動する4チームのうち、「ふわふわ」はかわいらしさを前面に打ち出した正統派の18人グループで、「原駅ステージA」は所属事務所ライジングプロダクションの先輩のw‐inds.や三浦大知の流れを継承したダンスミュージックを歌う6人組。両グループとも加入前にドラマや雑誌モデルでソロ活動を経験して即戦力として期待されるメンバーが多く、西内まりやらを育てた所属事務所のカラーを反映してビジュアルも洗練されている。「ふわふわ」の中野あいみ、岩崎春果、「原駅ステージA」の田谷菜々子、牧野真鈴に話を聞いた。
田谷 デビューシングルはふわふわと両A面だと知った時は、「一緒なんだ」と驚きましたが、だからこそお互い切磋琢磨できました。
岩崎 私はふわふわのメンバーですが、原駅ステージAが大好きで、カラオケで(原駅ステージAのデビュー曲)『Rockstar』を歌います(笑)。ライバルというよりは仲間かな。7月にはふわふわがシングルをリリースするので、うれしくもあり、プレッシャーも感じてます。
牧野 原駅ステージAとしては、悔しいですけど、私たちも次は頑張ろうと刺激になっています。
「原宿駅前ステージ」の特徴は、アイドル劇場史上最短と思われるほどのステージと客席の近さ。ランウェイ型になっており、楽曲のパフォーマンスだけでなく、毎回メンバーが大喜利風のお題に挑戦するコーナー付きのファッションショーを行うのも特色だ。
田谷 劇場ではお客さんとの距離が近すぎて、初めはどこを見ながら歌えばいいんだろうと戸惑ったくらいでした。
岩崎 5月のZepp DiverCityでのライブは、大きな会場でしたが、いつもと同じランウェイの形のステージだったので、緊張はしませんでしたね。
田谷 公演で披露しているお題は、最近ようやく恥ずかしがらずにできるようになりました。
中野 ふわふわのお題には「お兄ちゃん」シリーズがあるんです。例えば「お兄ちゃんが遅刻したら何て言う」とか。私はお兄ちゃんがいないので難しいです。よくすべりますね(笑)。
牧野 なかなか原宿に行けないという声もツイッターなどで全国のファンの方から届いているので、コンサートで日本中を回ってみなさんに会いに行きたい。目標は、日本武道館での公演。スキルを上げて、完璧な形にしてから実現したいです。
秋葉原ディアステージ発 妄想キャリブレーション
ファンとの一体感を大切にする秋葉原発、サブカル路線の6人組
でんぱ組.incを輩出した、秋葉原ディアステージ出身の6人組・妄想キャリブレーション。メンバーが秋葉原と親和性の高いゲームやアニメなどの趣味を持つというサブカル路線をでんぱ組.incから引き継ぐ。グループを代表して胡桃沢まひる、双葉苗の2人に聞いた。
胡桃沢 妄想キャリブレーションは、秋葉原ディアステージ出身の6人組で、夢に向かって妄想する恋しちゃいそうなアイドルです。
双葉 メンバー全員ライブが大好きで、ファンの方との一体感を大事にしています。
胡桃沢 私たちのライブの特徴は、ガムシャラさ、一生懸命さにあると思うんですよ。全員がバリバリにダンスをスクールで習っていましたとかではないので。
双葉 秋葉原のオタクが、ちょっと頑張ってます、みたいな(笑)。
胡桃沢 なので、そんな私たちと一緒に成長を感じながら、ファンの方たちとの一体感を作っていきたい。ライブではメンバー以上にファンの人たちが汗を流していたりします(笑)。
双葉 (でんぱ組.incの夢眠)ねむさんが「私たちが月なら、妄想キャリブレーションは太陽だよ」って言ってくださったことがあって。でんぱさんは、自分たちのマイナスの部分をさらけ出している曲とか歌詞が多い。私たちにもそういう面がないわけじゃないんですけど、どちらかというと、明るく、プラスに考える曲とか歌詞が多いと思います。
これまで秋葉原のオタクカルチャーと相性の良い楽曲の多かった彼女たちだが、最新シングル『ちちんぷいぷい♪』では「MOSO EDM」と名づけられたサウンドに挑戦している。
双葉 去年、サマーソニックに初出演したとき、ちょっとついてきた自信が打ち砕かれたんです。ファンの方はノッてくれるんですが、多くの方は素通りしたり、ちょっと見ただけで立ち去ってしまって新たなファンを増やすことができなかった。今まではアイドルが好きな方に向けた曲がメインだったので、これからはより幅広いみなさんに刺さる曲を歌いたいと思うきっかけになりました。
胡桃沢 EDMサウンドの『ちちんぷいぷい♪』はみなさんに聴きやすく仕上がりました。この新しい武器を手にこの夏はフェスにたくさん出演して苦い思い出を払拭して(笑)、新たな私たちを見せたいです。
(ライター 高倉文紀、カネコシュウヘイ、岡田康宏)
[日経エンタテインメント! 2016年8月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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