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HDRテレビは本当に高画質? 現状は機種間で大差

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日経トレンディ

「リアリティがすごい」「立体感のある精細な映像が楽しめる」──。4K HDRテレビのパンフレットには、高画質をうたうキャッチコピーがこれ見よがしに躍る。「2016年は、まさに"HDR元年"」(ソニー)というように、4K HDRテレビが各社から相次いで発売された。

HDRとは「High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)」の略で、映像の「輝度」の幅を拡大する技術のこと。露出の異なる写真を合成する、デジカメの「HDR写真」とは全く異なるものだ。「高画質化のインパクトは4K以上」といわれるHDRだが、果たしてユーザーにとって魅力的なものなのか。

例えば、日が当たる路面は1万nit(nitは明るさの単位)、日陰になった壁は300nitなど、実世界にはさまざまな明るさが存在する。だが、従来の映像である「SDR(Standard Dynamic Range)」の「ピーク輝度」(画面の一部だけを発光させた最大輝度)は、規格上、100nitまで。見慣れた地上デジタル放送やブルーレイなどの映像は、実はリアルな明るさを再現できていなかったのだ。

一方、"次世代ブルーレイディスク"の「ウルトラHDブルーレイ」で採用された規格「HDR10」のピーク輝度は1万nit。SDRの100倍もの輝度に対応し、「人間が識別できる明るさの上限」といわれる2万nitクラスにぐんと近づいた。ピーク輝度の反対である「黒レベル」はこれまでの20分の1以下の0.005nit。暗い場所から明るい場所まで、目で見た景色とほぼ同じコントラスト感がある映像表現が可能になった。

だが、店頭にあるパンフレットなどでは、HDRテレビの輝度(nit)は公表されていない。これらのテレビのピーク輝度はどれくらいなのだろうか。

入力信号に対応すれば「HDRテレビ」

確認したところ、多くのメーカーは、「HDRテレビのハイエンドモデルのピーク輝度は1000nit超」と回答。HDR10の規格である1万nitには達していないことがわかった。しかも、これらはハイエンドモデルに限った話。つまり、それ以外のHDRテレビは、さらに低いのが現状だ。

実は、各社がうたう「HDRテレビ」とは、「HDR10の入力信号に対応しているテレビ」のこと。現在HDRテレビが持つ実際のピーク輝度に明確な基準はなく、HDR10の信号を入力して表示できれば、HDRテレビと名乗れる。実際、「輝度が低めでコントラストが高くなくても、HDR対応をうたっているテレビも存在する」(某テレビメーカー)。店頭に並ぶHDRテレビはどれも同じというわけではなく、製品により大きな差があるのだ。

黎明(れいめい)期の現在は、「各社が試行錯誤しながらHDRテレビの方向性を探っている段階」(某テレビメーカー)。そのため、メーカーごとに画質が異なるのも事実だ。ウルトラHDブルーレイなどのHDRコンテンツだけでなく、従来のブルーレイや地デジ放送、ネット配信サービスなど、あらゆるコンテンツをリアルに表現できるのはどれか。各社が最も力を入れているHDRテレビのハイエンドモデルを比較した。

暗いシーンでわかった実力

まず比較したのがウルトラHDブルーレイや動画配信サービス「ネットフリックス」などの4K HDRコンテンツ。今回比較した各社のハイエンドモデル6製品のなかで、コントラスト感が高く、HDRらしいリアルな映像を再現したのが、「レグザ 58Z20X」(東芝映像ソリューション、以下東芝)、「ブラビア KJ-55X9300D」(ソニー)、「ビエラ TH-58DX950」(パナソニック)の3モデルだ。どれも、劇中の炎や火花の描写がリアルで、爆発シーンは目に染みるほどのまぶしさを感じた他、金属やガラスの光沢感なども忠実に再現していた。

なかでもパナソニックDX950は、「階調性が非常に高く、夕焼けの空や人の顔などをうまく表現した高精細な映像を表示している」(AV評論家の折原一也氏)。まさに、トップクラスの表現力といえる。しかし、実はこれは明るいシーンに限った場合。真っ暗闇の中でたいまつが燃えているシーンや海辺の夜景など極端に暗いシーンでは、明るい箇所の周囲にバックライトによる「黒浮き」が強く発生した。映画のストーリーに集中していても違和感があり、「映像として破綻してしまっているのが非常に残念」(折原氏)。暗いシーンが多いコンテンツを見る際は、設定の「バックライトAI」を「弱」や「オフ」にしておいたほうがいい。

レグザとブラビアは、コントラストの高さという点ではパナソニックDX950に一歩譲るが、明るいシーンや暗いシーンでも黒が引き締まり、"HDRらしい輝度感"のある映像をバランスよく表現していた。

HDRの効果はそれなりにあったが、上位3モデルには及ばなかったのが、「ビエラ TH-55DX850」(パナソニック)と「アクオス LC-55XD45」(シャープ)だ。どちらもHDRテレビとしてはピーク輝度が全体的に低めの印象で、映像中の光の鮮烈さにやや物足りなさを感じた他、暗いシーンでは映像全体が白っぽく浮くのが気になった。

これらビエラDX850やアクオスよりも一歩譲る印象だったのが、有機ELパネルを採用した「OLED55E6P」(LGエレクトロニクス・ジャパン、以下LG)だ。液晶タイプのHDRテレビと比べるとやはり映像の明るさが弱く、「HDR映像ならではのピーク感が出ていない」(折原氏)。また、暗部の締まりに関しては、有機ELならではの"漆黒"は表現できていたが、暗い部分の階調にやや違和感があった。

そして、HDRと同様に、各モデルで大きな差が出たのが2Kコンテンツのアップコンバート性能だ。大型テレビでは4Kがすっかり主流となったが、視聴するのはやはり地デジやブルーレイなどの2K映像が大多数。こうしたコンテンツをいかに高精細に表示できるか、という普段使いの目も重要だ。

2Kコンテンツでも違和感なく4K解像度に変換できていたのは、やはり、東芝、ソニー、パナソニックDX950の3台だ。地デジ番組の字幕などに発生しやすいノイズを解消しながらも、4Kコンテンツのようなくっきりとした絵を再現できていた。

アップコンバート時のノイズは処理できていたが、上位と比べると全体にやや"甘さ"を感じたのがシャープ。視聴中に違和感があるほどではなかったが、「くっきりとしたクリアな映像を求めるのなら向いていない」(折原氏)。

また、パナソニックDX850は、「上位モデルのDX950と比べるとノイズ処理の性能が一段落ちる」(折原氏)。テロップや動きのあるシーンでノイズがやや見受けられた。

こうした国内メーカーのテレビ以上にアップコンバート性能の弱さが気になったのがLGだ。「前モデルよりノイズ処理性能などは向上したが、まだまだ改良の余地がある」(折原氏)。地デジ番組やブルーレイの映像はノイズ感があり、画像の精細感ではシャープにも及ばない印象だった。

最後に、録画機能も重要だ。例えば、ソニーとLGはチューナーを2つ搭載しているが、2番組の同時録画はできない。テレビのUSB HDD録画機能はすっかりスタンダードになったが、ハイエンドモデルといえども充実しているわけではないのだ。一方、パナソニック(DX950、DX850)とシャープは3チューナー搭載で2番組同時録画が可能。東芝はいわゆる"全録レコーダー機能"を搭載しており、最大で6チャンネルの番組を同時に録画できる多機能さが備わる。

バランスに秀でるHDR、録画機能が充実

レグザ 58Z20X(東芝映像ソリューション)
実勢価格30万7770円(税込み)
●画面サイズ:58型●サイズ:幅130.2×高さ82.1×奥行き22.8cm●重さ:20.5kg●チューナー:地デジ×9、BS・110度CS×3、スカパー! プレミアム×1●HDMI入力:4

HDR画質に優れるモデル。明るいシーン、暗いシーンでもHDRらしい画質を違和感なく視聴できた。アップコンバート性能はトップクラスで、地デジやブルーレイの2Kコンテンツをくっきりとメリハリが利いた画質で見られた。9基の地デジチューナーを搭載し、6チャンネル同時録画可能など録画機能も群を抜いて充実している。

コントラストが高く完成度はトップ級

ブラビア KJ-55X9300D(ソニー)
実勢価格33万1320円(税込み)
●画面サイズ:55型●サイズ:幅123.9×高さ76.9×奥行き26.1cm●重さ:24.9kg●チューナー:地デジ×2、BS・110度CS×2、スカパー! プレミアム×1●HDMI入力:4

東芝と同様にHDR性能の良さが際立ち、完成度はかなり高い。LEDを側面に配置し、本体を薄くできるエッジライトタイプながらも、部分駆動の性能が高く、黒の締まりが利いている。2Kコンテンツはノイズが抑えられ「まるで4K放送を見ているような印象」(折原氏)。2番組同時録画には対応しないが、外出先からスマホで録画予約できるのは便利だ。

他を圧倒する明るいシーンのHDR性能、暗い場面は違和感

ビエラ TH-58DX950(パナソニック)
実勢価格49万190円(税込み)
●画面サイズ:58型●サイズ:幅129.7×高さ82.3×奥行き37.3cm●重さ:31kg●チューナー:地デジ×3、BS・110度CS×3●HDMI入力:4

明るいシーンでの4K画質やHDR性能に関しては、今回紹介したなかで最も優れているモデル。しかし、コントラストを強めに出そうとする設定が裏目に出たためか、暗いシーンでは映像に不自然さを感じることがたびたびあった。アップコンバート性能に優れ、2番組同時録画に対応するなど総合力は高いが「暗部表現の破綻が非常に残念」(折原氏)。

HDRの表現力は平均的で、上位に及ばず

ビエラ TH-55DX850(パナソニック)
実勢価格33万9760円(税込み)
●画面サイズ:55型●サイズ:幅133.8×高さ78×奥行き29.5cm●重さ:28.5kg●チューナー:地デジ×3、BS・110度CS×3●HDMI入力:4

暗いシーンではパナソニックDX950のような破綻はないが、上位と比べると「画面全体が白っぽく浮くことが気になる」(折原氏)。そのため、4K画質の精細感はあるが東芝やソニーと比較するとHDR性能は平均的。2Kコンテンツの視聴には大きな不満はなくノイズがやや気になる程度。大型スピーカーとウーファーを搭載する他、2番組同時録画に対応する。

画質は甘めだが、音質はトップクラス

アクオス LC-55XD45(シャープ)
実勢価格40万2900円(税込み)
●画面サイズ:55型●サイズ:幅140.5×高さ78.4×奥行き37.5cm●重さ:30kg●チューナー:地デジ×3、BS・110度CS×3●HDMI入力:4

4K画質やHDR性能は平均的。「画面全体がフラッシュするシーンの光の強さや暗部の階調感が弱め」(折原氏)で、HDRの完成度では上位には及ばない。2Kコンテンツはノイズこそ感じなかったものの、他に比べると精細感に欠けた"甘い"画質。ただ、大型スピーカーを搭載し、音質はトップクラス。2番組録画に対応するなど録画機能に不足はなかった。

有機ELを搭載し黒の表現力は圧倒的

OLED55E6P(LGエレクトロニクス・ジャパン)
実勢価格75万5870円(税込み)
●画面サイズ:55型●サイズ:幅123.7×高さ76.7×奥行き17.5cm●重さ:18.5kg●チューナー:地デジ×2、BS・110度CS×2●HDMI入力:4

今回紹介するなかで唯一の有機ELテレビ。コントラスト感が高く、暗部の締まり具合は他の液晶テレビが到達できないレベル。思わず目を疑うパネルの薄さも評価できる。ただ、輝度のピーク感に物足りなさを感じる他、「暗部階調の処理が気になるシーンもあった」(折原氏)。また、2Kコンテンツのノイズや2番組同時録画ができない点などに不足を感じた。

(日経トレンディ編集部)

[日経トレンディ2016年8月号の記事を再構成]

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