1店舗10個弱　ナチュラルローソンの限定プリンに舌鼓

ナチュラルローソンでは、全国の人気ご当地プリンを数量限定で発売している。2016年4月から週替わりで販売しており、16年度は毎週異なるご当地プリンを提供していくという。

オリジナル商品のほか、全国のご当地食材をセレクトして販売しているナチュラルローソン。各地方で評判のレトルトカレーや缶詰などを取り扱い、それらがおいしいと話題になることもしばしば。特にヨーグルトの品ぞろえが豊富で、ヨーグルト好きの間では有名だ。

そして16年度に力を入れているのがプリンだ。担当であるローソン商品部の吉岡亜希子氏は「以前、北海道のご当地スイーツ（プリンに限らず）を探していた際に、たくさんのプリンがあり、全部味が違うことに驚き企画しました」と話す。

展開予定のプリンは、北海道から沖縄まで日本全国津々浦々。いったい、どのように選定しているのだろうか。

「私が全部食べて、おいしいと思ったものを選定しています」（吉岡氏）

各地の農家を支援している地方のコンサルタントや、スイーツの有識者に紹介してもらったプリンを吉岡氏が実際に食べてセレクトしているという。「基準はご当地の原料を使用しているか、極力原料のみの味わいでおいしいか、など。味を重視しています」（吉岡氏）

ご当地プリンの販売は、だいたい1種類につき1000個程度で、少ないものだと500～600個という商品もある。ナチュラルローソンは東京都内を中心に約100店舗あるので、1店舗あたりの販売数は10個弱と少ない。「生産者の方も大変こだわって丁寧に作ってくださっている商品ばかりで、無理を言って分けてもらっている状況です。プリンは作り置きができないので、限られた生産数のため数量限定とさせていただいています」（吉岡氏）

消費期限が短いこともあるが、遅くとも3日以内には完売しているそうだ。毎週火曜日に入荷するので、確実に買うためには火曜日に店舗へ足を運ぶ必要がある。商品のターゲット層は30～40代女性で、実際の購買層もほぼマッチしているという。リピーターも多く、「次は何のプリンが発売になるのか？ と店頭で聞かれるお客様もいるそうです」（吉岡氏）。また、「コーヒー味などのフレーバータイプよりも、スタンダードなカスタードプリンのほうが人気が高い」（吉岡氏）とも。

16年4月からスタートしているご当地プリン企画。これまで発売されたプリンで、筆者が実際に食べたものをいくつか紹介しよう。

記念すべきプリン企画第1弾。茨城県は筑波山麓の素材を使用したプリンで、色の濃いコクのある奥久慈卵の卵黄をふんだんに使っている。卵黄の贅沢なコクと濃厚な牛乳のハーモニーが楽しめる。カラメルソースは別添え。税込み価格454円。

弁当と同じ値段に「高いなぁ」と思いつつ食べてみると、そのおいしさに驚いた。はっきり言ってそこまでプリンが好きなわけではなかったが、これは高級なケーキを食べているような味わいで本当においしかった。素材の味が生かされていて、濃厚なのに甘過ぎず爽やか。やや硬めのカスタードだが口どけがとてもいい。カラメルソースは苦くもなく、かといって甘過ぎず、すっきりしていて食べやすかった。

ミルク感が強いプルプル食感のプリン。北海道十勝の雄大な自然の中、放牧酪農で育てた牛の牛乳を使用している。逆にすべて卵は不使用。税込み価格は各448円。

「ぷるぷるプリン」は見た目どおりの牛乳プリンで、ほのかな甘味ですっきり。そして商品名のとおりのぷるぷる食感だった。

「いちごプリン」は3つの中で一番とろっとした食感だった。いちごの粒々とフレッシュ感があって、いちごそのもののピュアな甘さが楽しめた。

「コーヒープリン」は思ったほどコーヒー感が強くなく、やさしいコーヒー牛乳のような味わい。3つの中では一番硬めだが口どけはよかった。

生クリームの配合が多く、ホワイトチョコレートのようなミルク感たっぷりのプリン。側面が牛柄になっていて、見た目にもかわいらしい。北海道東部の浜中町にある牧場で、化学肥料不使用の飼料で育てた乳牛のミルクを使っている。税込み価格518円。

白い部分はつるんとした食感でやや甘めのミルクプリン。ミルク感がとても強い。茶色い部分はクーベルチュールチョコレートを使用した、甘さ控えめのチョコムース。味と食感のコントラストが面白く、そしておいしかった。見た目も◎で、手土産としても喜ばれるプリンだ。

牛乳本来の風味や栄養素を残したまま殺菌する「パスチャライズ製法」で作った牛乳と卵、生クリームをふんだんに使った焼きプリン。カフェ・ラッテは、コーヒー豆から抽出したエキスを使用したほろ苦さが特徴。大正元年創業の福島県の老舗が手がける。税込み価格は各370円。

「とろ～り濃厚プリン」はチーズを思わせるほど濃厚な味わい。とはいえ食感はとろっとしていて口どけなめらか。「カフェ・ラッテプリン」はコーヒーらしい苦味がしっかりある。卵、牛乳、コーヒーの素材そのもののおいしさが楽しめた。

紹介したプリンはほんの一部。いずれも現在はナチュラルローソンで買うことはできないが、製造元からお取り寄せが可能な商品も多い。しかし逆に言えば、ご当地プリンはそれぞれ取り寄せなければ食べることができないものばかり。これらをコンビニで手軽に買えて、ハズレなしで週替わりで楽しめるのが本企画の魅力。今後どんなプリンが発売されるのかも楽しみなところ。プリン好きは毎週火曜、ナチュラルローソンにぜひ足を運んでみてほしい。

（ライター　津田昌宏）

［日経トレンディネット 2016年6月20日付の記事を再構成］