突然の雨でも快適 「一芸」光る折りたたみ傘4本
ビジネスで使える雨対策ギア
梅雨時期はもちろん、夕立が気になる夏に役立つ防水モノを、ビジネスシーンで使えるギアに絞って紹介する本企画。「レインシューズ」(梅雨のビジネスシューズは水陸両用を狙え!)、「レインコート」(最新レインコート、選ぶなら"パッカブル"なモデルを)に続き、最後となる第3回のテーマは「折りたたみ傘」。モノにこだわる30代のビジネスパーソンにマッチする、プラスアルファ機能を持つ折りたたみ傘をピックアップした。
機能重視で傘を選ぶ人が増えている
洋傘メーカーであるシューズセレクションによると、マイカー通勤者の多い地方では長傘が支持され、電車通勤者の多い都市部では折りたたみ傘が売れているという。コンパクトに収納できる折りたたみ傘は電車内でかさばらず、カバンに常備しておけば突然の雨にも対応できる。そして地下道やビルが発達しているため、短い距離をしのげられればOKで、長傘ほどのスペックは必要ないのだとか。
このような裏付けもあり、都市生活を送るビジネスパーソンに支持される折りたたみ傘だが、人気ゆえに数々の商品が世の中に流通している。そのタイプは多種多様で、風に強いものやスマートフォンより軽いものなどプラスアルファの付加価値を持つ傘も多い。最近はこういった高機能な折りたたみ傘を求める人が増えており、その人気ぶりは東急ハンズやロフトといった大手チェーン店やライフスタイルショップの傘コーナーを見れば一目瞭然だ。
同じ金額を払うなら、ただの折りたたみ傘より、プラスアルファの機能を持っているほうがいいに決まっている。ライフスタイルに合った付加価値を持つ傘を選べば、さらなる使いやすさを手に入れられるのは言うまでもない。
今回紹介する折りたたみ傘は、そんな高機能タイプのなかでも一芸に秀でたものばかり。今までの折りたたみ傘に抱いていた不満を解消してくれる1本が見つかるかもしれない。
透明ビニール傘なのに折りたためる!
ビニール傘のメリットは、透明なので傘を差したまま前方が見えること。これは布傘にはない特徴で、長傘の愛用者の中でもあえてビニール傘を使うという人もいるほど。この利点はそのままに、折りたたみ傘にしてしまったのがhyggeの「ショートワイドビニール傘」だ。
視界が良好なだけでなく、折りたたんでカバンにしまえるため、ビニール傘のデメリットである盗難や紛失も防げる。ビニール傘といえども長く使えるのは大きな魅力。実はこの点を考慮して開発されたという経緯がある。
日本の傘の輸入量は年間1億3000万本以上にのぼり、そのほとんどは焼却もリサイクルも不可能で、廃棄された傘はすべて埋め立てて処理されているという。長傘は雨がやんだ後は邪魔になり、特にビニール傘は安価なため使用後は廃棄されることも多い。これを折りたたみ式にして持ち運びやすくし、廃棄を減らすことを目的として作られた。
前代未聞の折りたたみビニール傘は、某テレビ番組で紹介されたことで大ブレイクし、現在は品切れ状態が続く人気ぶり。一般的な折りたたみ傘より比較的価格が安いところも、ヒットした要因だろう。
リフレクター生地で雨の夜道も安心!
mabuの「リフレクタープリント折りたたみ傘」は、商品名の通り、傘の生地にリフレクター素材を使用。クルマのヘッドライトに反射して光るので、暗い雨の夜道でもドライバーからの視認性を高め、安全性を高められる。
クルマを運転する人ならわかると思うが、夜間の歩行者は本当に見えづらい。特に黒や濃紺のスーツを着ることの多いビジネスパーソンは、かなり接近しなければ認識しにくく、それが雨が降っていればなおさらだ。
もちろんドライバーは細心の注意を払う必要があるが、歩行者もできるだけ存在をアピールして、身の安全を守るように心がけたい。雨にぬれまいと傘を深く差す場合も多く、それだけ前方不注意になるので、リフレクター生地の傘でドライバーに存在をアピールできるのは大きなメリットといえるだろう。
この傘には、ゆがんだ曲面であっても光を入射してきた方向に反射させる再帰反射インクを使用。特殊プリントを施したリフレクター生地のため、50m以上離れたクルマからでも視認できるという。
超はっ水ですぐにカバンに収納できる
雨の日の何がイヤかって、雨にぬれることはもちろんだが、ぬれた傘を屋内に持ち込まなければいけないことだ。特に傘立てに入れづらい折りたたみ傘は、通勤電車や商業施設、そして何より取引先に赴いたときに困る。雨水がしたたるぬれた傘を得意先に持ち込むのは印象がよろしくない。そこで活躍するのが、優れたはっ水性を持つUnnurellaの「アンヌレラ ビズ」だ。
世界的ファブリックメーカー小松精練と共同開発した生地は、はっ水度試験で5等級を達成。雨粒はコロコロと滑り落ち、傘を閉じる際もバサバサと数回振り払えば、生地に水滴が残ることもない。閉じた傘の先から水滴がしたたるようなこともなく、訪問先のフロアやソファをぬらす心配がないのだ。
使用後も生地がぬれていないので、すぐに傘袋に入れてカバンに収納できる。折りたたみ傘は使用後の取り扱いがわずらわしい一面があったが、これなら使ったあとも邪魔にならず、電車移動も快適になるに違いない。
また、自動開閉機能付きなのもうれしい。片手にブリーフケース、もう一方に傘を持ち、両手がふさがる雨天のビジネスシーンで大活躍する機能だ。
長傘以上に大きく肩がぬれない!
折りたたみ傘は持ち運びに便利なコンパクトさが最大の魅力。しかし、それゆえに長傘と比べてサイズが小さいのが難点だった。この短所に挑んだのが「プレミアム富山サンダー BIG70」だ。
親骨の長さは70cm、傘を広げると直径約117cmにもなり、これは長傘においても大判とされるサイズ。これほど大きければ、カバンをぬらすまいと傘を一方へ傾けても、反対の肩口がぬれる心配もない。傘を差しているのに肩がぬれるという、あの不快な思いをしなくても済むのだ。
しかし親骨が70cmもあるなら、折りたたんだ状態でも長くてかさばるのではないかと思う人もいるだろう。しかし、この問題に対しては、骨を3つ折り構造にすることで対応。通常の2つ折りの折りたたみ傘と同程度の30cmに抑えている。また、長くなると強度も不安になるが、骨に強化プラスチックとアルミニウムを用いて解決した。コンパクトに収納でき、軽さと強度を犠牲にすることなく、長傘にも負けない大判サイズを実現している。
ちなみに商品名は、富山の風雪にも耐えられるような強度を持つことに由来する。富山では「弁当忘れても、傘忘れるな」といわれるほど雨が多く、日本海から吹く風は強く、雪は湿っていて重たい。そんな富山でも使える傘を作ってほしいというニーズから生まれた折りたたみ傘なのだ。
ライフスタイルに合った"一芸"を選ぶ
以上、プラスアルファの機能を持つ注目の折りたたみ傘を4つ紹介したが、これらはあくまでも一例にすぎない。自身のライフスタイルに合った"一芸"を持つ傘を見つけて、ぜひとも梅雨を快適に乗り切ってほしい。ただ雨をしのいで持ち運びやすいだけでなく、このような付加価値があることで、使い勝手の良さは格段にアップするはずだ。
(文 津田昌宏)
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