乃木坂46と欅坂46が躍進 アルバムは三代目JSB
2016年上半期音楽ランキング
上半期のシングルトップ10は、AKB48関連とジャニーズ勢が独占。しかし、ヒット要因は多種多様だ。1位はAKB48の『君はメロディー』。10周年を記念して、前田敦子や大島優子などの卒業メンバーも参加、唯一100万枚を超える大ヒットとなった。
2位は昨年末に『紅白歌合戦』に初出場した、AKB48の"公式ライバル"乃木坂46の『ハルジオンが咲く頃』。14 thで80万枚超と自己ベストを更新し、次作以降は初のミリオンヒットも視野に入る。
妹分である欅坂46はデビュー作『サイレントマジョリティー』が約33万枚で4位に。そのメッセージ性やダンスが話題となり、配信やミュージックビデオの再生回数も好調で、さらなる伸びしろもありそうだ。2016年はこの"坂道シリーズ"の2グループが飛躍。SKE48、HKT48、NMB48といった、AKB48の姉妹グループを上回る結果となった。
3位は、竹内まりやが作詞、山下達郎が作曲を手がけた嵐の『復活LOVE』。09年の『マイガール』以降21作連続でシングル50万枚を突破、安定感は抜群だ。
オールタイムべストが盛況
アルバムのトップは三代目J Soul Brothersの『THE JSB LEGACY』。売上枚数で2位以下を倍以上引き離した。2015年1月リリースの前作『PLANET SEVEN』と比べると、約8割の出足ではあるが、2作連続で50万枚以上を売り上げるトップアーティストに成長したといえる。
2位は福山雅治のデビュー25周年記念ベスト『福の音』。全活動を網羅した、いわゆる"オールタイムベスト"は他にも3位のE‐girls、5位の小田和正、6位のいきものがかり、7位のKAT‐TUNがランクイン。トップ10の半数を占めた。多くが2枚組以上となっており、楽曲を大量に収録して1曲あたりの単価を下げ、お得感を演出することで、楽曲ダウンロードや定額聴き放題などの音楽配信との差別化を図っている。
一方、オリジナルアルバムで躍進したのは、9位のBABYMETALと、10位のback number。BABYMETALは、2014年の1stアルバム発売以降、3度のワールドツアーを敢行。日本人のアーティストとしては、全米ビルボードチャートのトップ40に1963年の坂本九以来、約50年ぶりに入り世界的に知られる存在となった。back numberも累計売上枚数で見ると約34.5万枚で、実質上半期2位だ。
また、集計期間の関係でランキング外だが、2015年12月2日に発売された星野源の『YELLOW DANCER』は累計25.6万枚のロングヒットとなっている。
オリジナルアルバムが人気となっているback numberらはフェス常連組。これからは本番を迎える夏フェスから、次の人気者が育つかも注目される。
(ライター 臼井孝)
[日経エンタテインメント! 2016年7月号の記事を再構成]
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