老舗鉛筆メーカーの傑作 鉛筆にシャーペン融合
鉛筆のサラサラとした滑らかな書き心地は、シャープペンシルでは得られないもの。ただ、削ったり、芯の先が折れないようにキャップをはめたりなどの作業は、やはり面倒。大人になって、鉛筆は長らく使っていないという人も多いだろう。
鉛筆の老舗メーカー・北星鉛筆が、「大人が使いたくなる鉛筆を作ろう」と、創業60周年の節目に発売したのが「大人の鉛筆」だ。11年の発売後、すでに累計100万本を突破した隠れたヒット商品でもある。
開発に当たって追求したのは、鉛筆の書き心地と、大人でも使いやすい利便性の両立。芯は鉛筆と同じ軟らかい黒鉛を使用。ボディーも鉛筆で使われている木材をそのまま使っており、持った感触も鉛筆そのものだ。一方、利便性を高めるため、シャープペンの機構を採用し、「書き心地は鉛筆のまま、大人も満足できる筆記具」が完成した。
芯の先を削る器具にも一工夫がある。鉛筆削りのように鋭利な刃物で芯をガリガリと削るのではなく、砥石のように芯を優しくそぎ落とす専用の削り器を用意。芯に負担をかけないため、折れにくいのだという。
実際の書き心地も、太く軟らかい芯で鉛筆そのもの。シャープペンのようにポキポキ折れることもない。「画家や漫画家、音楽家などプロの方にも愛好者が多い」(北星鉛筆)のもうなずける逸品だ。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ2016年7月号の記事を再構成]
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