7年ぶり復活のレクサス最上級クーペ 日本初公開
レクサスインターナショナルが2016年5月19日、東京都内で次世代フラッグシップクーペ「LC」を日本初披露した。モデルの詳細や価格は未定だが、発売は2017年春の予定。2016年初めに海外ショーなどで既に初公開しており、今回はガソリン仕様の「LC500」と、ハイブリッド仕様の「LC500h」の2台が登場した。
「Sクラス クーペ」よりはコンパクト
レクサスの最上級クーペであるLCは、新開発のFRプラットフォームを採用。ラグジュアリーカーとしてのデザインの完成度を高めつつ、スポーティーな走りの楽しさを備えたモデルに仕上げられているという。
ボディーサイズは全長4760×全幅1920×全高1345mm。ライバルとなるメルセデス・ベンツ「Sクラス クーペ」(5025×1900×1420mm)やBMW「6シリーズ クーペ」(4895×1895×1370mm)などに比べるとややコンパクトで、レクサス唯一のクーペモデル「RC」よりややワイド。運動性能や扱いやすさを重視した結果と思われる。レクサスのアイコンであるスピンドルグリルを採用したフロントマスクには、新開発の超小型3連LEDヘッドランプユニットを装着。リアにもスピンドル形状をモチーフとして取り入れており、全体的にエッジの効いたデザインになっている。なお、LC500とLC500hの外観上の違いは少なく、LC500hは前後に装着されるレクサスのエンブレムにブルーのアクセントが加えられるのと、ボディーサイドに専用のハイブリッドバッチが添えられる程度だ。
こだわりのドライビングポジション
4人が乗車できる室内は、レザーやアルカンターラ(スエード調人工皮革素材)を採用し、視覚に訴えるだけでなく、触感にもこだわっているという。
ドライビングポジションは、ドライバーがクルマとの一体感を持てるように、ペダル配置やステアリング傾角、シートのホールド性など、細やかにレイアウトを設定。また操作系インターフェースには次世代マルチメディアを採用し、使いやすさを追求しているという。
ガソリン仕様、ハイブリッド仕様それぞれのパワーユニットは?
ガソリン仕様のLC500は、レクサスのスポーツモデルのうち「RC F」などFモデルに搭載される、5.0LのV8DOHCエンジンと新開発の10速ATの組み合わせ。最高出力475ps/7100rpm、最大トルク54.0kgm/4800~5600rpmを発揮する。
一方、ハイブリッドのLC500hは、世界初のマルチステージハイブリッドシステムを搭載。これは2モーターを使用するハイブリッドシステムに4速ATを組み合わせ、エンジンとモーターの両方を合わせた出力を制御できるようにしたもの。ガソリン仕様のLC500同様に、シフトチェンジの際に心地良いフィードバックと、切れ味の良い変速を味わえるという。ハイブリッドシステムのエンジンには、3.5LのV6DOHCを搭載。エンジン単体でも最高出力299ps/6600rpm、最大トルク355kgm/4900rpmを発揮。これに走行用モーターが加わることで、システム全体の最高出力は359psになるという。
米国で競争できる最上級クーペとしてのLC
LCは、レクサスのフラッグシップセダン「LS」に並ぶラグジュアリークーペと位置付けられれいる。2010年にトヨタ「ソアラ」のレクサスモデル「SC」の生産が終了して以来、最上級クーペ不在の状態が続いたが、これは競争力のあるクーペをじっくりと仕上げたかったからだろう。LCは世界中で販売されるが、メーンマーケットは米国だ。
現時点で大まかなスペック以外は非公表だが、2017年春の発売に向け、年内にはさらに情報が開示されるだろう。
(文・写真 大音安弘)
[日経トレンディネット 2016年5月25日付の記事を再構成]
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