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バイオリニストの神尾真由子さん 協奏とデュオと無伴奏を語る

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NIKKEI STYLE

2007年のチャイコフスキー国際コンクール1位優勝者、バイオリニストの神尾真由子さんが演奏の幅を広げている。得意のチャイコフスキーやメンデルスゾーンの協奏曲に加え、10月には夫でピアニストのミロスラフ・クルティシェフさんと日本各地でデュオのリサイタルも開く。10歳でデビューした天才奏者は今、どこへ向かおうとしているのか。神尾さんに聞いた。

世界三大コンクールの一つ、チャイコフスキー国際コンクールの最高位どうしの演奏家夫妻は今秋、日本でどんなデュオを繰り広げるのか。07年、同コンクールのバイオリン部門で神尾さんは1位優勝(諏訪内晶子さん以来の日本人2人目)。地元ロシアのクルティシェフさんはピアノ部門で2位最高位を受賞した。「コンクール後のガラコンサートで彼と出会いました」と神尾さんは話す。2人はそこでそれぞれチャイコフスキーの「バイオリン協奏曲」と「ピアノ協奏曲第1番」を弾いた。どんな印象を持ったか聞くと、「聴いていないのでよく分からなかった。彼の演奏を聴くようになったのは最近」と話す。

2013年に結婚し、15年に第1子が誕生。自宅はロシアのサンクトペテルブルクにあるが、「子供が生まれてからは、仕事の関係もあり日本にいることが多い」と言う。演奏家として2人ともオーケストラと共演する協奏曲を弾くことに最も慣れているようだが、夫婦のデュオでも公演や録音に乗り出している。

14年に出したCD「愛のあいさつ&夢のあとに~神尾真由子 ヴァイオリン・アンコール」ではクルティシェフさんがピアノを弾いている。「彼は私とは対照的なタイプ。彼の方が演奏の自由度が高い」。強弱や緩急で自由な表現をより多くするクルティシェフさんのピアノに乗せて、神尾さんの世界最高水準の超絶技巧が鳴り響く小品集だ。CDにはハチャトゥリアンの「剣の舞」やリムスキー・コルサコフの「熊蜂は飛ぶ」など旧ソ連やロシアの一聴して難曲と思われる速い小品が盛り込まれている。一方で「アヴェ・マリア」やラフマニノフの「ヴォカリーズ」などヒーリング志向の穏やかで情感あふれる作品も収録している。

超絶技巧といっても、表面的に速くて難しそうな曲と、深みのある表現が求められて難しい曲があると彼女はみる。高度のテクニックを備える奏者が目指すのはもちろん両方だろう。2人は10月25日のサントリーホール(東京・港)での公演をはじめとする「デュオ・リサイタル」で、ブラームスの「バイオリンソナタ第1~3番」全曲を披露する。「彼は室内楽が得意な方ではなかった」というが、ブラームスの「バイオリンソナタ」だけは弾きたい作品群のようだ。

特にブラームスの「バイオリンソナタ第1番《雨の歌》」を「3曲の中で最も弾くのが難しい曲」と神尾さんは指摘する。第1楽章が突出して長いブラームスの作品の特徴をつかみ、深い内省や渋い叙情の表現を示しながら、全体の構成をまとめる必要がある。ブラームスを弾き終える頃には、彼女の新たな芸術世界が開けているかもしれない。

6月13日、雨が降りしきる中を、「祖父の形見」だというバイオリンを抱えてヤマハ銀座ビル別館(東京・中央)に1人でやって来た神尾さん。「演奏会でめったに弾くことはない」という「無伴奏」でバイオリンを試奏した。ピアノ伴奏無しでブラームスの「バイオリンソナタ第1番《雨の歌》」の第1楽章の甘美なメロディーを奏でた。J.S.バッハの「無伴奏バイオリンのためのソナタ第1番」の第1楽章「アダージョ」の演奏は、亡くなった祖父への思いが込められているかのようだ。いかにも分かりやすい「難曲」として、ハインリヒ・ウィルヘルム・エルンスト(1814~65年)の高速に飛ばす「フランツ・シューベルトの『魔王』による大奇想曲」も弾いた(詳細は映像をご覧ください)。

神尾さんが崇拝するのは、20世紀最高のバイオリニストといわれるヤッシャ・ハイフェッツ(1901~87年)。ロシア生まれのユダヤ人で、米国に渡って活躍した。高精度な超絶技巧で鳴らした完全主義のバイオリニストだ。「絶対に間違わない」演奏と「クラシックの狭い世界にとどまらない、いかにもアメリカらしい」エンターテインメント性に引かれるという。

チャイコフスキー国際コンクールで世界の頂点に立って9年。協奏とデュオと無伴奏。高度の技術、深い表現力、それにエンターテインメント性も併せ持つ新たな次元へと踏み出すために、彼女が目標とすべき演奏家として、巨匠ハイフェッツはふさわしい。

(映像報道部シニア・エディター 池上輝彦)

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