ファッション、英会話 忙しい人に役立つ定額サービス
忙しい女性に役立つ色々な分野の「定額制サービス」が続々と現れています。月額1万584円(税込)で洋服のレンタルが何度でもできる「エアークローゼット」や、月額4950円(税込)でオンライン英会話レッスンが自由に受けられる「ネイティブキャンプ」などです。いずれも30~40代の女性の利用者が多いとのこと。各サービスの特徴や便利な点を紹介します。
月額料金で洋服を何度でもレンタル
・エアークローゼット(ファッション)
エアークローゼット(東京・港)が手がけるのが、インターネットと宅配便を活用した洋服のレンタルサービス「エアークローゼット」。月額1万584円(レギュラープラン)を支払えば、何度でも洋服を借り換えられる。送料やクリーニング代は不要。毎回、トップス2枚とボトムス1枚など計3着をスタイリストが選び、利用者の元へ送ってくれる。
2015年2月にサービスを開始。会員数は1年で8万人になった。利用希望者の増加にサービスの拡大が追い付かず、「ウェイティング会員」と呼ばれる待機者も多くいる。利用者の年齢は30代半ばが平均。ママも多いという。
「コーディネートが得意ではなく、また自分で買うと同じような洋服ばかり買ってしまうので、色々な洋服を着てみたいと思いました。実際に着てみてから購入ができることも、これ以上同じような服を増やさないためにも、とても良いです!」
千葉県市川市に住む鈴木麻美さん(仮名、40歳)は4歳の子どもがいる働く女性。約1年前からエアークローゼットの会員となり、今では月に2~3回、洋服を借り換えている。レンタルした服のなかで、特に気に入ったスカートを買い取りした経験もある。
「子どもが生まれてからはゆっくり洋服を選ぶことができないので、仕事に行くときの洋服が同じようなものばかりになったり、洋服を買えないというストレスがあったりしました。買い物に行かなくても手元に洋服が届くので色々な洋服を着ることができ、気に入ればそのまま購入できるのは助かります」
借りる洋服そのものを利用者自身が選ぶことはできないが、マイページに色、サイズ、スタイルなど洋服の好みや、「タートルネックは苦手だから避けて」などの希望を登録できる。また借りた洋服について、好みだったかどうかなどの感想をフィードバックすれば、洋服を選ぶスタイリストがそれらの情報を参考にするため、徐々に利用者の好みに近づくという。
洋服を汚してしまっても自己負担は少なくて済むように
エアークローゼットの利用方法は極めてシンプル。宅配便で届いた洋服を楽しみ、返却するときは送り返すだけ。洋服を返却すると、また新たな洋服3着が届く仕組み。前述の鈴木さんと同様、1カ月に2~3回以上やり取りする利用者が多いという。
気に入った洋服は、会員価格での買い取りも可能。会員価格はその服の貸し出し回数や状態などによって決まるが、同社によると、利用者が「お得」と感じられる設定にしているという。
「ママになると生活が変わり、色々なお店を回ったり、たくさん試着をしたり、ということから遠ざかってしまいます。クローゼットの中が同じような服ばかり、ということもあるでしょう。エアークローゼットでは、色々な服が届くので、チャレンジの幅が広がります」。同社の天沼聰代表取締役CEOは話す。
実際、同社が20~40代の女性600人に実施した調査でも、「自分のセンスに自信がない」「何が似合うか分からない」「コーディネートの仕方が分からない」などの悩み事を抱えている人が多かった。また「洋服を購入する際、いつもとは違うジャンルやタイプ・色みにチャレンジしたいと思いますか」という質問には、「チャレンジしたいと思うが実行できていない」という回答が42%と最多だったという。
レンタルということに抵抗を覚える人もいるかもしれないが、利用者から返却された服は、見た目がそう汚れていなくても、クリーニングサービスでその都度、きれいにする。寺田倉庫と資本提携し洋服を置くスペースを整えたほか、在庫やユーザーの好みなどの情報もしっかり管理。スタイリストの人数も増やすなど、サービス向上に力を入れている。
2016年4月に、料金引き上げを実施したが、その代わりに標準としたのが「あんしん保証」というサービス。利用者が洋服をクリーニングでも回復できないほど汚したり、壊した場合、これまでは会員価格での買い取る必要があった。4月からは会員価格の最大9割分をエアークローゼット側が負担してくれる。乳幼児のママでも安心してレンタルできるようになった。
国内セレクトショップなど約300ブランドが参加
では実際、どんな洋服が借りられるのだろうか。取り扱いブランドは国内大手セレクトショップや大手百貨店で扱うものを中心に約300ブランドを取りそろえている。だいたい一回のレンタルで、お店で買うと3万円分ほどの洋服が届くという。
「レンタルサービスですが、洋服は買わなくていい、借りるもの、というメッセージを打ち出しているわけではありません。自分ではそれまで、選ばなかったような服が届くこともある。でもそれを着てみて、子どもや旦那さん、友人などに褒められたりして、新しいブランドや商品との出合いとなることも多い。参加してくれるブランドにも、顧客層を広げるチャンスと捉えてもらっています。実際、エアークローゼットで着たのをきっかけに、そのブランドにも行くようになった、という声も届きます」(天沼さん)
ちなみにこの4月から、借り放題のレギュラープランとは別に、月1回、3着の洋服を借りられる「ライトプラン」も開始。こちらはあんしん保証は付かないが、クリーニング代や送料不要、などの条件はそのまま、月7344円(税込)で利用できる。
予約なしで何回でも、英語のマンツーマンレッスン
・ネイティブキャンプ(オンライン英会話)
英語を学びたいが、忙しくてスクールに通えない、という人に重宝されているのがオンライン英会話サービス。ここ数年でたくさんのサービスが誕生している。そのなかで、月額4950円(税込)で何度でもレッスンを受けられるのが、VJソリューションズ(東京・渋谷)が運営する「ネイティブキャンプ」というサービスだ。開始1年少々で、延べ利用者数は1万5000人になった。
月額料金のみで、回数無制限で、マンツーマンのレッスンを受講できる。男女の利用者数は約半々で、女性では働いている利用者が約6割だという。
英会話の相手は、フィリピンで英語を日常的に利用している講師。約382人の講師が登録しており、利用者は好みの講師を指定し、1回最長25分でレッスンを受けられる。何度受けてもいいため、なかには何コマも連続してレッスンを受ける人もいるとか。
ネイティブキャンプの便利なところはもう一つ。予約なしでレッスンが受けられる。
「レッスンをまず予約しなければならないと、仕事が忙しくなってしまっても、その時間までに無理に切り上げたり、家事を中断したり、とレッスン中心の生活になってしまいます。直前まで予定がわからない、という人も多いと思います。それが不便だな、とユーザー目線から、感じることがありました。特に小さい子どものママなどは、子どもの機嫌に左右され、レッスンを受けられなくなってしまうこともあるでしょう。予約不要だと、ふと空いた時間などにパッと受けることができます。最長25分ですが、途中で切り上げることも自由です。あくまで利用者が使いやすいように、という設計にしています」
同社広報の武内彩香さんは話す。親子でレッスンを受講する人も少なくないという。最近はiPhoneアプリもリリースし、iPhoneでもレッスン受講が可能になった。
ヨガ・ダンス・バレエなど500種類以上のレッスンを受講できる
・レスパス(スタジオレッスン)
グリーが子会社を通じて運営する「レスパス」は、月額1万584円(税込)で、ヨガ、ダンス、ボルダリング、バレエ、ゴルフなど500種類以上のレッスンを、2000以上のスタジオで受けることができるサービス。利用者の8割は女性、そのうち会社員が7割を占める。
「予約はレッスン開始時間の3時間前までできるので、仕事が終わる時間がなかなか分からない平日でも、職場近くのスタジオを探してささっと予約できるところが支持されています。週に1~2回、月4~6回利用する方が多いです」と、レスパス事業部の斎藤佐智子さんは話す。最近はワークアウト系のプログラムやボクシング、マンツーマンのフィジカルトレーニングなども人気だという。
利用者からは、「一つのジムではマンネリ化してしまうが、レスパスでは面白そうなレッスンを試せるところが良い」「不規則な生活にも合わせられる」などの声があがっている。
ここで紹介した以外にも、趣味、習い事、美容分野などで、月額料金で通い放題、というサービスは探してみるといくつもありそう。賢く活用すると、忙しい毎日の中でもプライベートの幅が広がりそうだ。
(日経DUAL 砂山絵理子)
[日経DUAL 2016年4月26日付記事を再構成]
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