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中野サンプラザ解体、1万人アリーナ誕生の皮算用

編集委員 小林明

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NIKKEI STYLE

音楽の殿堂として親しまれてきた中野サンプラザが2022年度にも解体され、音楽だけでなく、スポーツ、国際会議、展示会、シンポジウム、交流イベント、ファッションショーなども開催できるアリーナ付き多目的施設として生まれ変わる。このほど中野区がまとめた再整備実施方針によると、最大収容人数は1万人規模で完成目標は2025年度。同じアリーナ付き多目的ホールである日本武道館(約1万4500席)と肩を並べるほどの大型施設を目指しているようだ。

なぜ1万人規模のアリーナ付き施設を目指すのか?

大小2つの三角積み木を合わせたようなユニークな形状は継承されるのか?

名称「中野サンプラザ」は残るのか?

現時点で描かれている未来像を詳しく報告しよう。

完成目標は2025年、なぜ1万人アリーナ? 三角の形状・名前は残るのか?

「今後、求められる文化、スポーツ、会議、商業イベントなどのニーズを踏まえると、より多目的な用途に活用しやすいアリーナ付き施設が望ましいと考えている」。中野区都市政策推進室の関係者はこう話す。

現行のコンサートホールは「プロセニアム型」と呼ばれる形態。会場前面にあるステージに向かって客席(2222席、2フロア)があり、ステージが客席から額縁のように見えるのが特徴。「音響の関係からクラシックではなく、ポップスやロック、歌謡曲、演歌など主に現代音楽のコンサート会場として使われてきた」(中野サンプラザ)

たとえば6月のスケジュールを見ると、山本リンダ(1日)、大月みやこ(2日)、研ナオコ+野口五郎(18日)、森進一(19日)、五木ひろし(30日)など大御所芸能人のコンサートが目白押しだ。

スポーツ・展示会など音楽以外の活用も狙う

だがこのままの形態だとコンサートはできても、スポーツの試合や展示会、交流イベント、ファッションショーなどが開きにくいのが実態。そこで用途をもっと大きく広げるためには、平土間型のステージを客席が四方から取り囲む「アリーナ型」の方が使い勝手が良いと中野区は判断したようだ。

「コンサートのほか、たとえばフットサルやバスケットボール、武道の試合、国際展示ショーやファッションショー、芸能人の交流イベントなどもできる集客交流施設」――。関係者はこんな青写真を描いている。

最大1万人は武道館クラス、「2000人規模の方がいいのでは」との声も

規模については、現行の約4.5倍にあたる「最大1万人収容」を目標に定めた。

これは厳密に言うと座席数ではなく、アリーナのスタンディングゾーンなども含めた収容人数。つまり、8000~1万人程度のコンサート会場として使われることが多い日本武道館とほぼ肩を並べる大規模施設が中野に登場することになる。

音楽業界からは「現状の2000人規模のコンサートホールの方がむしろ需要が大きいし、使い勝手がよいのでは」(日本芸能実演家団体協議会)と指摘する声も出ている。東京厚生年金会館(2062席)、渋谷公会堂(2084席)、五反田ゆうぽうと(1803席)、日比谷公会堂(2074席)などが相次ぎ休館・閉館し、2000人規模のコンサートホールが不足しているためだ。

だが、中野区は音楽以外の需要も踏まえてあえて新たな可能性を模索する構え。「市場規模や需要の動向、採算性などを含めて厳しく内容を詰め、世界に情報発信できる施設を目指したい」という。

近隣のコンサートホールだけではなく、日本武道館、国立代々木競技場のほか、横浜アリーナ、さいたまスーパーアリーナ、東京ビッグサイト、幕張メッセ、東京国際フォーラムなども「強力なライバル施設になる」と考えているわけだ。

そうなると施設の規模ばかりか使用料も変わる可能性があり、女性アイドルグループ「ハロー!プロジェクト」などこれまで"常連"だったタレントたちが引き続きコンサート会場として使用するかどうかは不透明になってくる。

変貌を遂げる中野、3大学・キリン本社など進出

近年、中野駅北口周辺は大変身を遂げてきた。

2012年に区役所西側にキリンホールディングス栗田工業の本社が入居するオフィスビル(中野セントラルパーク、2棟)が完成。2013~14年には明治大学中野キャンパス(国際日本学部、総合数理学部など)、帝京平成大学中野キャンパス(薬学部、現代ライフ学部、ヒューマンケア学部など)、早稲田大学中野国際コミュニティプラザ(日本人と留学生の学生寮)の3大学が進出した。

こうした大学、企業誘致の結果、昼間人口は会社員や学生も含めてざっと2万人増えたとみられている。

犬屋敷→陸軍中野学校→警察大学校→巨大な遊休地

そもそもこうした大規模プロジェクトが可能になったのは、18ヘクタールにも及ぶ広大な遊休地があったためだ。

この地域は江戸時代には徳川5代将軍綱吉の「犬屋敷」が設営され、戦前にはスパイ養成所として知られた陸軍中野学校が置かれていた特別な場所だった。戦後は警察大学校(13ヘクタール)として使われていたが、2001年に移転することになったので、公園や企業が少ない中野区がこうした問題を解決するために企業の本社や大学を誘致し、緑地の豊かな公園の整備を進めることにしたというわけ。

企業・緑が少ない単身者のベッドタウン、昼間人口は2万人増

中野駅には中央線や総武線、地下鉄東西線が乗り入れているので大手町などビジネス街に通勤しやすい。しかも地元に大きな飲食店街や商店街、音楽の殿堂「中野サンプラザ」、サブカルチャーの聖地「中野ブロードウェイ」があり、新宿や渋谷、吉祥寺に行くのにも便利。こうした立地条件から「若いサラリーマンやOL、単身者のベッドタウン」(中野区)として発展してきた。

中野サンプラザの解体・建て直しは中野の街の将来を左右する駅周辺再整備の大きな目玉と位置付けられている。

「低層の1万人アリーナ+高層の複合施設」をイメージ

今後、プロジェクトはどう進むのか?

西に隣接する中野区役所の庁舎が2021年度までに移転するので、2022年度に建物を解体し、区役所跡地と一体になった形で新たな集客交流施設を2025年度に完成するのが目標だという。

「最大1万人収容可能な低層のアリーナ型施設と、高層のビジネス、商業、宿泊、居住などの複合施設を併設した建物が誕生する」というのが今のところの大まかなイメージなのだそうだ。

ユニークな形状は継承されるのか? 「まだ白紙」

では、大小2つの三角積み木を合わせた形状は継承されるのだろうか?

建築家、林昌二さん(2011年没)が手掛けたユニークな形状はこれまで「中野のシンボル」として親しまれてきた。「建物自体はかなり老朽化しており、耐震性の問題もあるので取り壊さざるを得ないが、形状が建物に継承されるかどうかはまだ白紙」だという。空間利用の面で三角形の形状が計画にうまくマッチするかどうかの問題もあり、住民や利用者、識者らの意見を聞きながら総合的に判断する意向のようだ。

名称存続をサンプラザ中野くんも希望、「知名度やブランドを生かしたい」

「中野サンプラザ」という名称は残るのか?

名称については「どうにか残してほしい」という要望がすでに多くのファンから寄せられている。また、ミュージシャンのサンプラザ中野くんからも公開番組などを通じて中野区に呼び掛けがあったという。

「全国的な知名度がすでに高いし、かなりのブランド価値もある。できればこれらをうまく生かしたい」としており、何らかの形で「中野サンプラザ」という名称が残る可能性はかなりありそうな感触だ。今後、詳細な議論を重ねながら慎重に対応を決めるという。

中野区はこれまで三菱地所グループ、野村不動産グループや学識経験者らと意見交換しながら計画内容を練り上げてきた。7月下旬までには民間事業協力者を絞り、来年度には再整備のより具体的な内容を盛り込んだ事業計画を策定する。またこれらと合わせて、JR東日本と組んで中野駅の西側に駅ビルや駅舎、改札などの整備も進める。交通インフラ面や商業面も大きく様変わりする見通しだ。

都心に近い好立地の大型プロジェクトだけに今後、中野駅周辺がどう変わってゆくのか大きな関心を集めそうだ。

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