最安は月299円から 格安SIMの選び方
LTE対応パソコンなどで格安SIMを使いたいなら、データ専用プランで決まりだ。スマートフォン(スマホ)のランニングコストをとことん下げたいという人も、既存の電話番号は引き継げないが、データ専用プランにしてIP電話アプリで通話する手がある。
料金体系は、データ通信量のカウント方法に応じて「月次」「日次」「段階制」の3タイプがある。それぞれ順番に解説しよう。
主流は「月次」タイプ
一つめの「月次」は、格安SIMで最も一般的なタイプだ(図1)。プランごとに高速通信できる通信量が1カ月単位で定められており、これを超えた際は速度制限がかかる。制限時は、通常200kbpsの低速に抑えられる。翌月になると、速度制限は解除される仕組みだ。もちろん、容量追加のオプション料金を支払えば、速度制限を解除することが可能。DMMモバイルの「シングルコース」は、月1ギガで480円とリーズナブル。格安SIMのお試しにうってつけだ。
二つめの「日次」は、通信量のカウントが1日単位になったタイプだ(図2)。速度制限は1日単位で解除されるので、毎日一定の通信をする使い方に向く。主流は1日100メガ台だが、日次タイプを提供する事業者は限られているため、選択肢は少ない。図2で挙げた2プランは、いずれも月900円以下と手ごろな料金設定になっている。
通信量がバラつくなら段階制もお得
三つめは「段階制」で、通信量に応じて料金が上がるタイプだ(図3)。こちらも提供する事業者は少ない。下記の2プランは、段階の刻み方が異なるが、ほとんど使わない月があるなら、最低料金が299円からのフリーテル「使った分だけ安心プラン」のほうがお得だ。なお、通信量が一定量を超えると定額となり、速度制限が入る。
音声付きはプラス700円
MM総研の調査によれば、大手携帯電話会社の約54%のユーザーが月3ギガ以下の通信量だという[注1]。スマホ代を節約する目的で、大手携帯電話会社から格安SIMに乗り換えたいなら、月2~3ギガの音声通話プランがお薦めだ。通信量がこれだけあれば、大半のユーザーは十分だろう。
音声通話プランは、基本的に図1の月次タイプに音声通話が加わったものだ。だいたい700円増しが各社の相場になっている(図4)。図5では、5社のプランをピックアップした。月2ギガで1400円前後、月3ギガで1600円前後と、各社でそれほど大きな料金差はない。
とはいえ、料金以外の面には細かい差がある、例えば、マイネオには3日間の合計通信量による速度制限がなく、楽天モバイルには利用料金に応じたポイント還元といった特徴がある。
なお、音声通話対応のSIMには、たいてい携帯電話会社と同様の"縛り"があり、一定の期間内の解約には手数料がかかる。それでも縛りの期間は短く、だいたい半年から1年程度だ。
(日経PC21 五十嵐俊輔)
[日経PC21 2016年7月号の記事を再構成]
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