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男優は阿部寛がV4達成、「嵐」は全員トップ10入り

2016年タレントパワーランキング

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NIKKEI STYLE

2016年も阿部寛は強かった。4年連続で男優部門の首位をキープした。CM契約社数の多さから認知度と好感度の高さがうかがえるが、15年は3年ぶりの主演連続ドラマ『下町ロケット』が平均視聴率18.5%を記録。この順位にも納得の結果を出し、俳優としての信頼と安定感を証明した。今年も是枝裕和監督の『海よりもまだ深く』、東野圭吾原作の『疾風ロンド』など主演映画が続き、まだまだ不動の地位を守りそうな勢いだ。

2位の櫻井翔をはじめ、嵐のメンバーは昨年に続き全員がトップ10内にランクイン。ただし、15年に連続ドラマや映画に主演したのは4月期の月9『ようこそ、わが家へ』の相葉雅紀と12月公開映画『母と暮らせば』の二宮和也のみ。その2人もパワースコアは下げており、個々の俳優業よりもグループとしての活動が、嵐がランキング上位を占める強さであることを示している。今年3月に第39回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した二宮の俳優としてのスコアは、今後の結果に表れてきそうだ。ちなみに、TOP30のうちの約半分、16人をジャニーズ勢が占めている。

5位には昨年から4ポイントスコアを上げた大泉洋。15年3月から放送されたNHK朝ドラ『まれ』で、土屋太鳳が演じる主人公・まれの父親を演じ、より幅広い層の関心度が上昇。さらに、16年のNHK大河ドラマ『真田丸』で主人公の兄・真田信幸を好演しており、お茶の間の話題の人に。一方で、主演映画『駆込み女と駆出し男』では数々の映画賞を受賞。俳優としての大きな仕事が重なり、確かな存在感を見せる年となった。

松坂、綾野が連ドラ主演へ

その他、TOP30内で大きく順位を上げたのは、藤原竜也、渡辺謙、松坂桃李、桐谷健太、綾野剛。藤原は3月公開の主演映画『僕だけがいない街』や、NHKが3年かけて放送する超大作ドラマ『精霊の守り人』出演が話題に。渡辺はアメリカでの主演ミュージカル『王様と私』で権威あるトニー賞に日本人として初めてノミネートされ、米演劇界でも男優としてさらに飛躍した。

松坂は15年に主演の『マエストロ!』をはじめ『日本のいちばん長い日』『図書館戦争 THE LAST MISSION』など6本の映画に出演。さらに、『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』でゴールデン・プライム帯(19~23時)の連ドラ初主演を果たし、34位から25位に上昇。桐谷は、auのCM「三太郎シリーズ」での浦島太郎役が話題を呼び上位ランクイン。

綾野は、連ドラ単独初主演で産科医を演じた15年10月期の『コウノドリ』が高評価。15年5月に公開された主演映画『新宿スワン』も興収13億円を超え、続編の公開も決定。16年3月に公開された『リップヴァンウィンクルの花嫁』も話題になるなど、ドラマ、映画共に好調で、30代の実力派男優としての存在感を見せつけた。

急上昇は菅田将暉がダントツの1位 坂口健太郎ら新顔も多数

男優の急上昇ランキングには、1位の菅田将暉を筆頭に、桐谷健太、坂口健太郎、工藤阿須加、吉田鋼太郎、野村周平など、昨年とは異なる顔ぶれが目立った。現在23歳で実力派の呼び声が高い菅田は、単館系から大作、アイドル的な役からディープな作品まで、出演作も幅広くイメージが偏らないのが強み。独特のファッションセンスも注目され、若い男性からの支持も上昇した。 

菅田と同世代では、"塩顔男子"モデルとしても知られる坂口が15年9月公開で興収24億円超えの大ヒットとなった『ヒロイン失格』で一気に知名度上昇。4月からはNHK朝ドラ『とと姉ちゃん』などに出演中で、今後さらなるポイントアップが確実視される。工藤も15年4月期の『アルジャーノンに花束を』などで印象を残し、2月からは朝ドラ『あさが来た』にも出演。12年の朝ドラ『梅ちゃん先生』出演で認知度を上げた野村は、15年は"月9"『恋仲』や大ヒット映画『ビリギャル』などで、キャリアを積み上げている。

全ジャンルで多芸・多才さでスコアを伸ばした人も多かったが、男優における代表例が桐谷健太。auのCM「三太郎シリーズ」での浦島太郎役では、CM内で歌った『海の声』が大反響を呼んだ。

一方、15年に引き続き16年も急上昇したのが、映画でヒット連発の山崎賢人。主役でも脇役でも存在感を見せた鈴木亮平、ムロツヨシ、濱田岳、千葉雄大らも好成績。なかでも千葉は、コンスタントにドラマに出演。マンガなど原作ものの映画では、27歳にして男子高校生役を爽やかに演じ、女子中高生人気も高く、スコアを伸ばした。

【調査方法/ランキング作成方法】

[調査概要]アーキテクト「タレントパワーランキング」調査(アーキテクト/http://www.talentsearch.jp/)からデータを入手 [調査方法]FAX調査 [実施時期] 年4回(2月・5月・8月・11月) [調査地域] 東京・千葉・埼玉・神奈川 [調査対象]タレントを一部入れ替えながら毎回約1200組を [調査回答者]アーキテクトの登録モニターより4400人を抽出(調査タレントを4グループに分割。10歳から59歳まで5歳きざみで男女それぞれ50人を抽出。60代は男女それぞれ50人抽出)。

●タレントに関する質問項目
A.各タレントの認知について、次の3段階からひとつ選択してもらった。
(1)名前も顔も知っている(2)名前は知っているが、顔は思い浮かばない(3)このタレントを知らない
B.設問「A」で「(1)名前も顔も知っている」と回答したタレントに対して、「そのタレントがテレビ・映画・雑誌・DVDなどに出ていると関心があるか(見たい・聴きたい・知りたい)」を、次の4段階からひとつ選択してもらった。
(1)とても見たい・聴きたい・知りたい(2)見たい・聴きたい・知りたい(3)見たくない・聴きたくない・知りたくない(4)まったく見たくない・聴きたくない・知りたくない

●認知度、関心度、タレントパワースコアの算出方法
認知度:質問Aで、「(1)名前も顔も知っている」と回答した人の割合(%)。
関心度:質問Bで、「(1)とても見たい・聴きたい・知りたい」か「(2)見たい・聴きたい・知りたい」と回答した人の合計値(%)。算出母数は質問Aで「(1)名前も顔も知っている」と回答した人の数。

タレントパワースコア:「認知度」と「関心度」を掛け合わせた値。そのタレントに、どれだけの人たちが引きつけられているか、「人気度」を示す指数。タレントが人々を引きつける力(=タレントパワー)の指標とした。具体的には、「認知度」に「関心度」の加重ポイント(「(1)とても見たい・聴きたい・知りたい」に「(2)見たい・聴きたい・知りたい」の1/3を加えた合計値)を乗じて算出した。

※上記方法で算出した2016年2月時点でのデータを2016年版としている。タレントパワースコアは小数点第2位で四捨五入。順位は小数点第2位以下も含めてつけた。

(ライター 関亜沙美)

[日経エンタテインメント! 2016年6月号の記事を再構成]

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