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自社開発の最先端デバイスで攻める ソニーのデジカメ

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日経トレンディネット

ここ2~3年、写真撮影のメイン機器がスマートフォンに移ったこともあり、苦しい状況が続くデジカメ業界。その中で、ミラーレス一眼「αシリーズ」や高級コンパクトデジカメ「Cyber-shot RXシリーズ」を擁するソニーの元気ぶりが目を引く。

自社開発だからこそ目指せる新しい映像体験

ソニーのカメラ事業の強みを、デジカメ事業を手がけるDI事業本部の松下洋之氏は「イメージセンサーなどのキーデバイスとソフトウエアの両方の技術者がおり、自前で設計・製造している。キーデバイスを外部から買ってきて組み立てるのでは実現が難しい機能も、他社に先駆けてできる」と説明する。半導体やバッテリーなどのデバイスメーカーとしての歴史が長い同社ならではだろう。

そのソニーの最新技術が積層型CMOSセンサー「Exmor RS」だ。搭載されているのは、同社の高級コンパクトデジカメ「Cyber-shot DSC-RX100M4」(2015年7月発売)と「同DSC-RX10M2」(同8月発売)、「同DSC-RX10M3」(2016年5月発売)。他のカメラメーカーにデバイスを提供している同社だが、他社の製品を含めてもまだこの3製品しかない。

Exmor RSは、イメージセンサーにメモリーを搭載してデータの読み出し速度を従来の5倍以上に高めた。例えば、1秒の動画を40秒に引き延ばす、最大40倍のスーパースローモーション動画をフルHD画質で可能にしたのが特徴だ。これまでプロ用の機材でしかできなかったハイクオリティーな映像体験が、民生用のデジカメで可能になった。ローリングシャッターゆがみを抑えて撮れる1/32000秒の高速シャッターも、撮影の幅を広げられる機能として注目できる。Exmor RS自体は、輝度のレンジを広げて明暗部を明瞭に記録するHDRムービーの撮影にも対応しており、HDRが高画質技術の要となる4Kテレビが普及する時代には映像にさらなるインパクトをもたらす可能性が高い。

松下氏は「これによってユーザーに新しい映像体験を提案できるだろう」と自信を示す。スローモーション動画は、昨今の動画トレンドのひとつだ。世界中のユーザーが自ら撮ったスローモーション動画をYouTubeやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で公開して人気を集めており、「自分でも撮ってみたい」という要望が高まっている。だからこそ、「スローモーション動画などの新機能でも、高い画質を確保する。画質に妥協すると決して長く満足してもらえないし、そもそも製品を選んでもらえない」(松下氏)という。

カメラ事業では「チャレンジャー」

こうしたソニーのカメラ事業部の根底にあるのは、「デジタル一眼レフカメラの分野において、ソニーは"チャレンジャー"」という意識だ。「チャレンジャーである以上、他社と横並びではダメ」と松下氏は語る。

ソニーは、デジカメの黎明(れいめい)期からコンパクトデジカメ「Cyber-shot」シリーズを手がけており、側面が弧を描くスティック型モデル「Cyber-shot DSC-P1」(2000年発売)やカード型のスリムモデル「Cyber-shot DSC-T1」(2003年発売)など、個性的なヒットモデルを数多く輩出してきた。だが、他社がプロやハイアマチュア向けの製品でもデジタル化を進める一方で、ソニーはフィルム時代にカメラ事業を手がけていなかったこともあり、レンズ資産がカギとなるデジタル一眼レフなどのレンズ交換型カメラはラインアップできずにいた。

転機は、デジタル一眼レフカメラ「α」をはじめとするレンズ交換型カメラの事業をコニカミノルタからまるごと譲り受けた2006年1月。当時伸び盛りのデジタル一眼レフでは最後発のスタートとなったことが、前述の「チャレンジャー」という言葉に表れている。

カメラメーカー・ソニーの評価を変えた「RX100」

ソニーのカメラが他社を先駆ける存在になったのは、2012年6月に発売した高級コンパクトデジカメ「Cyber-shot DSC-RX100」(以下、RX100)がきっかけだ。1型の大型CMOSセンサーと明るいズームレンズを手のひらサイズの本体に搭載した製品で、画質の高さと小型軽量ボディーのバランスの良さが評価され、このクラスでは異例のヒットを記録。発売から4年が経とうとしている現在も、現行モデルとして販売を継続しており、高級コンパクトのスタンダードの地位を獲得した。

2012年当時、他社の高級コンパクトデジカメのイメージセンサー(撮像素子)は1/1.7型が主流だった。「他社と同じように1/1.7型のイメージセンサーを使ったカメラを作るのは簡単だが、それではチャレンジャーじゃない」と判断し、「1型のイメージセンサーを搭載しながらポケットに入るサイズのカメラ」を目標に掲げて開発を進めることにしたという。松下氏は「ソニーのカメラ事業の転換点になった1台」と説明する。

RX100は、カメラメーカーとしてのソニーの立ち位置も変えていくことになる。開発当初から写真趣味層やプロなど目利きのユーザーにも満足して使ってもらえるクオリティーを目指したこともあり、ある程度の反響はあるだろうとは想定していた。だが当時、1型のイメージセンサーを搭載したコンパクトデジカメはまだ存在せず、しかも思い切った小型軽量ボディーに仕上げたことで、いざRX100が発売になると「このサイズでこれほど高画質に撮れるのか」と予想以上の反響が舞い込んできたそうだ。まだ少なかったUSB経由でのバッテリー充電にいち早く対応したことや、発売当初から要望の声が多かったグリップを張り付け式で製品化したことなど、画質以外の満足度が高かったことも、RX100の評価を高める要因になった。

さらに同年9月には、フルサイズのCMOSセンサーを小型ボディーに詰め込んだレンズ一体型の上位モデル「Cyber-shot DSC-RX1」も発表。こちらも驚きを持って市場に受け入れられた。2012年にこれらRXシリーズの2機種を立て続けに投入してヒットしたことで、「カメラメーカーとしてのソニーの評価が変わったのを感じた。プロやハイアマチュアの人たちの本気の選択肢に加われた」(松下氏)

いまやソニーは、デジタル一眼やミラーレス一眼のシェアでも老舗カメラメーカーと上位を争う存在だ。松下氏は、「これからも『デジカメ=本命の映像体験が味わえる機器』として、ユーザーに新しい映像体験を提供していきたい」と意欲を語る。カメラメーカーとしては歴史が浅いソニーだが、だからこそ、電気機器メーカーやデバイスメーカーとして長年培ってきた技術や知恵を融合させ、他のカメラメーカーとは違うアプローチで製品を開発できる。その違いが市場に定着してきたのが、近年の成長の要因だろう。

※編集部注:記事は2016年4月12日時点での取材に基づいています。

(日経トレンディネット 磯修)

[日経トレンディネット 2016年5月10日付の記事を再構成]

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