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500MBまで無料、ソネットの格安SIMは本当に安いか

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日経トレンディネット

割安な通信料金でスマートフォンを利用できる「格安SIM」。格安SIMでは、大手携帯電話会社では提供されていないユニークな料金プランを選べることが魅力の一つだ。

格安SIMにおけるデータ通信は、毎月一定額で3GBや5GBといったような決められた容量まで使えるというプランが一般的だ。だが、最近はプラスワン・マーケティングの「FREETEL SIM」や日本通信(b-mobile)の「おかわりSIM」など、使ったデータ容量に応じて月額料金が毎月変わる、多段階制のプランも登場している。

ソネット(So-net)の「0 SIM」は、そんな多段階制のプランを採用した格安SIMだ。最大の特徴は、1カ月の通信量が500MB未満であれば、データ通信が無料で使えること。データ通信専用SIMは500MBまで0円、音声通話対応SIMでも月700円しかかからない。

500MBまでならデータ通信がタダで使えるという、夢のような0 SIMは、本当に得なのだろうか。格安SIM大手の「OCN モバイル ONE」および多段階制のFREETEL SIMと比較した。

2GBまでは従量制

最初に0 SIMの詳しいプラン内容を確認しておこう。下の表は、0 SIMの料金プランについてまとめたものだ。

0 SIMでは、毎月最大5GBまでデータ通信が利用できる。NTTドコモのLTEおよび3Gネットワークに対応しており、LTEネットワークでの下り最大通信速度は225Mbps。音声通話SIMの通話料金は、30秒当たり20円の従量制だ。

前述の通り、通信量が500MB未満であれば、データ通信の料金はかからない。データ通信SIMの500MBまでの月額料金は0円、SMS付きデータ通信SIMは150円、音声通話SIMは700円だ。

通信量が500MBを超えると、2GBまでは100MB当たり100円の従量制となる。2GBから5GBまでは定額で、データ通信SIMは1600円、SMS付きデータ通信SIMは1750円、音声通話SIMは2300円が上限だ。

5GBのデータ容量を使い切ると、通信速度が最大200kbpsに制限される。データ容量の追加チャージも可能で、100MB当たり500円、500MB当たり2100円、1GB当たり3800円で容量を追加できる。

なお、データ通信SIMとSMS付きデータ通信SIMについては、開通手続き後に3カ月間連続してデータ通信が行われなかった場合、自動的に解約となる。

また、音声通話SIMには12カ月間の最低利用期間が設けられており、この期間内に解約すると5200円の解約違約金が発生する。番号を変えずに通信会社を乗り換えられる「携帯電話・PHS番号ポータビリティー」(MNP)制度の転出手数料も、少し高めの7000円と定められている。

他社のプランと比べると?

0 SIMと他社の格安SIMを比較する。下の表に、0 SIM、格安SIMの代表的サービスであるOCN モバイル ONE、格安SIMの中でも比較的料金が安いFREETEL SIMの音声通話SIMにおける月額料金をまとめた。0 SIMのデータ容量が100MB刻みでカウントされるため、少々細かくなっている点はご容赦いただきたい。

なお、OCN モバイル ONEからは、データ容量が毎月決まっている月次タイプの料金プランをピックアップした。また、データ通信SIMの月額料金は、各社とも表の価格より700円ずつ安くなる。データ通信SIMの契約を検討している人も、参考にしてほしい。

高速データ通信の通信量が1.3GBまでの範囲では、0 SIMの月額料金が最も安い。

特に、データ通信が無料となる500MB未満の範囲では、OCN モバイル ONEのデータ容量3GB/月のプラン(月額1800円、データ通信SIMは1100円)より1100円も安く、FREETEL SIMに対しても299~499円安い。

900M~1GB未満のみFREETEL SIMが最安だが、0 SIMの1200円(データ通信SIMは500円)に対して1199円(同499円)と1円安いだけなので、ほぼ同額と見ていいだろう。

ただし、0 SIMは100MB単位で料金が変化するため、通信量が1.4GBを超えると他のプランよりも高くなる。特に2G~3GB未満の範囲では2300円となり、OCN モバイル ONEより500円、FREETEL SIMより700円高い。

通話発信とデータ通信が少なめの人ほどお得

以上のように、OCN モバイル ONEやFREETEL SIMと比較した場合、毎月のデータ通信量が1.3GB未満であれば、0 SIMの月額料金はお得だ。格安SIMでデータ容量が毎月1GBのプランを選択している人や、電話の待ち受け用に維持費の安い音声通話SIMを探している人におすすめできる。

一方、毎月の通信量が1.4GBを超える場合、0 SIMの料金は少し割高だ。データ通信量が毎月2GBを超える人は、0 SIM以外の格安SIMを選んだ方がコストを抑えられるだろう。

また、MNPの転出手数料は2000~3000円が一般的だが、0 SIMの手数料は7000円と割高なのも気になる部分だ。他社の格安SIMに乗り換える可能性がある人は、転出手数料の高さにも留意してほしい。

(ライター 松村武宏)

[日経トレンディネット 2016年4月19日付の記事を再構成]

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