仕事に厳しい私だから、仕事ができない男性はNG
キャリア女子ラブストーリー ~アラフォーからの恋愛論
こんにちは。ライターの大宮です。大手メーカーで働いている片桐圭子さん(仮名、43歳)のラブストーリー、今日で3話目です(前回記事はこちら)。圭子さんはいま、ネットを利用して婚活を続けているそうです。
恋愛も結婚もしたいけれど日常生活には出会いがない、という独身女性は圭子さんだけはありません。僕は恋愛アドバイザーではないのですが、あえて提案するのであれば「学校の同級生と職場の同僚は再点検してみたのか?」です。
高校や大学、そして会社は自らが選んで努力をして入った場所ですよね。財力や能力が足りないと入れないこともあります。だからこそ、大学や会社には家庭環境や価値観が自分と近い人が多いのです。入った後は長い時間と多くのエネルギーを使う場所でもあるので、メンバーの生活観や仕事観はさらに似てくるでしょう。
「学生時代からの男友だちと今さら恋愛する気にはなれない」
「職場に独身男性がいないことはないけれど、下手なことをして気まずくなりたくない」
こんな反論があるでしょう。でも、学校の同級生や会社の人の中でも面識のない男性は少なくないはずです。共通の知人に頼んで、同窓会や飲み会を開いて知り合うことは可能だと思います。新鮮なのに安心感があり、恋愛モードに突入しやすいかもしれません。男性のほうでも、学校もしくは会社というアイデンティティーを共有できる女性には親近感を覚えやすいものです。圭子さん、いかがでしょうか?
「最近では社内恋愛のことを社ラブというらしいですね。若い子たちに教えてもらいました。私は基本的に仕事をするために会社に行っているので、社ラブに励んでいる人を見ると『いったい何をしに来ているの?』と思ってしまいます。私、仕事には厳しいですよ。完璧主義のスイッチが入ります。上っ面でいいかげんな仕事をしている人に対しては『それってどういうことですか?』と詰め寄りますよ。チャラチャラした雰囲気は好きではありません」
圭子さんは「職場には恋愛関係を一切持ち込まない」というほどカタい考えの持ち主ではありません。でも、自分が仕事に真剣に取り組んでいるだけに、適当な仕事ぶりの男性には幻滅してしまうのです。
「全体のバランスを見て判断ができなかったり、わかったふりをしているだけの男性は少なくないですよね。私が見ていないところで実は仕事があまりできなくてもいいんです。ダメな姿を目の当たりにすると、その男性の価値が私の中で大幅にダウンしてしまいます。だから、社内は避けたい。別々の場所で働いていれば、彼の嫌なところを見ずに済みますから」
「年収は、評価軸の一つではあるから……」
短大を卒業し、3年間は生命保険の外交員をしていた圭子さん。ノルマを達成できないと全員の前でつるし上げられるような職場で、表彰されるほど前のめりで働いていました。中途入社した現在の大手メーカーでも勤続18年近くになります。陰湿な上司のいじめのターゲットにされて体調を崩したこともありますが、仕事を辞めようと思ったことは一度もありません。自分の生活は自分で支えなければいけない、という意識が人一倍強いのです。その圭子さんが尊敬できるような独身男性は、社内にはほとんど残っていないのかもしれませんね。
異なる会社や業界で働く男性の場合は、その働きぶりまではわかりません。「がんばっていそうだな」と前向きな評価を与えることも可能でしょう。ただし、圭子さんは男性の仕事能力を年収で評価してしまう癖があります。
「私はいま、残業代も含めると800万円ほどもらっています。こんな私でさえ800万円はもらっているので、同じぐらいの年齢で私よりもお給料が低いと『どうしてなの? 今までお仕事を本当にがんばってきたの?』と事情を聞きたくなります。収入がすべてではありませんが評価軸の一つだとは思うので、仕事ができない男性ではないということを納得したくなってしまうのです」
圭子さんは20代から31歳まで付き合っていた男性から浮気をされて別れ、次に付き合った最愛の男性は急死をしてしまったという経緯があります。そのため、男性に求める条件は、誠実で優しくて健康であること、でした。さらに年収800万円以上となると、かなり積極的に探さないと難しいですよね。なお、圭子さんは男性の見た目にはこだわらないそうです。
いま、圭子さんはネット婚活サービスを使って複数の男性と会っています。デートしなければ性格や健康状態はわかりませんが、年収はプロフィルで事前に確認できるからです。圭子さんの最新恋愛事情は来週、ご報告します。
フリーライター。1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに就職。1年後に退職、編集プロダクションを経て02年よりフリーに。著書に『30代未婚男』(共著/NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)など。電子書籍に『僕たちが結婚できない理由』(日経BP社)。読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京もしくは愛知で毎月開催中。
ライター大宮冬洋のホームページ http://omiyatoyo.com/
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