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女性一人の家電メーカーUPQ、サードウエーブに乗る

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日経トレンディ

シャープが台湾の鴻海精密工業に買収され、東芝が白物家電部門を中国の美的集団に売却──。メード・イン・ジャパンの名声を築き上げてきた家電の大手ブランドが、相次いで外国資本傘下に入った2016年。一方で、家電の世界に新しい"波"が起こり始めている。

それが、独自の付加価値を持たせた低価格家電でヒットを飛ばす新興メーカーの隆盛だ。女性1人で17種ものデジタル家電を数カ月で作り上げた、UPQ(アップ・キュー)。大手家電メーカー出身の技術者らの力を借りながら、家電を主力事業に育てようとしているアイリスオーヤマ。ホームベーカリーや全自動コーヒーメーカーが売れて知名度を上げたシロカなど、個性派ぞろいといえる。

かつて大手メーカーの実質的な寡占状態だった国内家電市場は、少子高齢化が進むにつれて市場が縮小傾向になり、競争が激化。大手メーカーは高付加価値路線に走り、家電はどんどん高性能・多機能・高価格になっていった。高くても良いものが売れる一方で、シンプルで低価格な製品との二極化も進んだ。ここで急成長したのが、"ジェネリック家電"だ。

ジェネリック医薬品(後発医薬品)をもじって名付けられ、大手メーカー製品と同等の性能がありながら、機能を絞り込むなどして価格を抑えた格安家電を指す。液晶テレビや電子レンジ、掃除機、オーブントースターなどが典型例で、今や大手家電量販店でも品ぞろえを強化するほど支持を得た。

ところが、ジェネリック家電の価格競争も激化。そこで、価格を抑えたまま付加価値を高めようとする新興メーカーが、数年前から増えてきた。背景には、中国などの受託生産メーカーが開発力や生産品質を向上させたことで、完全オリジナルの家電を作りやすくなったことが挙げられる。こうして起こったのが"サードウエーブ"だ。

決して「安かろう悪かろう」ではない、キラリと光る実力を備えた"サードウエーブ家電"──。その真の実力に迫る。

UPQ:"一人メーカー"によるモノづくり革新

31歳の女性がたった一人でスマートフォン(スマホ)やデジカメなどを企画開発し、短期間で一気に17モデルも発売。そんな"家電メーカー"のUPQ(アップ・キュー)が注目されている。正社員はCEO(最高経営責任者)の中澤優子氏だけ。製品企画を思い付けば中国の受託生産メーカーに飛んでいき、量産に向けた交渉もする。そして試作を経て、僅か数カ月で製品が店頭に並ぶ。

UPQの主要ターゲットは、デジタル家電の新製品に飛び付く男性ユーザーではない。こうした製品から縁遠いと思われがちな女性、どちらかといえばレイトマジョリティー(後期追随者)だ。そのため、製品はあえて高性能にしていない。「これで十分」と思える性能と機能を備え、価格を抑え、その代わりに女子ウケする色で本体を彩る。例えば、低価格なSIMフリースマホ「UPQ Phone A01X」は、一般的な格安スマホと同等の性能で機能もシンプル。一方で、青や緑、赤といったカラフルな色の組み合わせの6モデル展開が目を引く。

他にも、アクションカメラや4K画質のディスプレー、ガラス製の透明な外付けキーボードなど、どれも低価格でシンプル、そしてカラフルな製品ばかり。実際に使ってみても、マニア受けするような突出した性能や機能こそないものの、「普通に使える」というのが率直な印象だ。

これらの製品群には、ある共通点がある。それは起点が「スマホ」である点だ。中澤氏はもともと、カシオ計算機で携帯電話の商品企画を担当していた。退職後も「自らスマホを手がけたい」との思いを抱き続けていた。

15年にUPQを創業して最初に手がけたのもスマホだったが、「試作品を待っている約1カ月の間に、スマホを起点にさまざまな製品のアイデアが浮かんだ」(中澤氏)。カメラモジュールを活用したデジカメ、タッチパネルを使ったキーボード、大型液晶パネルの低価格4Kディスプレー……といった具合だ。そして、どれも並行して製品化した。こうした超スピード開発は、受託生産メーカーの存在なくしては実現しなかっただろう。

UPQが頼るのは、シャープを買収した鴻海精密工業のように、大量生産に特化したメーカーではない。少量生産を得意とするメーカーと小ロットを素早く生産し、素早く売り切る。結果として売れ残った在庫をたたき売りする必要がなくなるうえ、トレンド感のある新製品を継続して投入できれば、「驚きとワクワク感を演出し続けて、UPQのファンを増やせる」と、中澤氏はみる。

つまり、UPQはブランドづくりに重点を置き、家電の"ファストファッション化"を試みているとも受け取れる。急浮上した"一人メーカー"の取り組みは、モノづくりのあり方が激変しているさまを浮き彫りにした。

以下ではUPQの製品から4つを紹介しよう。

スマホ:動作は重めだが不足なし、価格を考えれば納得できる

上位機と比べるとタッチ操作への追従性が低めで、アプリの起動も時間がかかる。画面解像度が低いのも気になるが、価格を考えれば納得できる水準で、まずまず実用的だ。

アクションカメラ:普段使いなら十分な性能、タッチ操作には非対応

アクションカメラ人気の火付け役となった"元祖"のGoProの上位モデル「HERO4 Silver Edition」と比べた。静止画の画角が僅かにGoProが広いものの、動画に極端な差は見られない。GoProのほうがタッチパネル搭載で使いやすいが、半額以下であることを考えればUPQも十分に使える。

キーボード:長文入力には向かないものの、デザイン重視ならいい

ガラス製のタッチパネル式キーボード。打感に乏しいので長文の入力には向かないが、デザイン重視なら選択肢に入る。プレゼント用に人気という。表面に触れるとブルーのLEDで照らされる。キー操作でタッチパッドにも切り替えられるのはユニークだ。

4Kディスプレー:"不評の嵐"からは改善

旧モデルの「4K50」は50型で税別7万5000円という安さで注目されたが、蓋を開ければ初期ロットに画面表示の遅延が発生。ネット通販サイトの評価を見ても"不評の嵐"に見舞われていた。だが、この問題は「ソフトウエアの更新で改善された」(UPQ)。

新モデルは基板から一新するなど改良が施されており、短時間視聴の印象では海外ドラマを楽しむ程度なら十分な画質といえそう。「ショールームやデジタルサイネージで利用され高く評価されている」(同社)という。

(日経トレンディ編集部)

[日経トレンディ2016年6月号の記事を再構成]

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