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自分は仕事ができるのに、上司が評価してくれない、出世できていない。そう思う人は少なくないでしょう。人事コンサルタント、平康 慶浩著の「出世する人は人事評価を気にしない」。この本を読めば、出世のカラクリ、あなたの会社の人事を少し理解できるかもしれません。

◆大失敗している人、敵をつくりやすい人が 取締役になる不思議

結果を出している人。あるいは、社内で評判のいい人。上司に気に入られている人。そんな人が会社の中で出世する、と思われがちだ。 でも実際のところは違う。

いや、正しく言えば、課長手前までは「結果を出した人」や「評判のいい人」が出世することが多い。あるいは「上司のお気に入り」が出世することだってある。でも、そこからは違う。あなたの周りにもいるんじゃないだろうか。

大成功もしているが、大失敗もしている。一部の人には好かれているが、別の人たちには極端に嫌われている。なのに、部長やその上の執行役員、取締役になった人がいるんじゃないだろうか。

以前、私が人事評価制度の大改定を請け負った売上数千億規模の某企業がある。そこの取締役たちは、まさにそんなタイプの人たちだ。

そのうちある一人は最初、外部から管理職として中途採用された。管理職時代の周りの評判は最高か最低かの極端なものだった。規模もビジネスも違う業界から転職してきて、しかも当時としては珍しい海外畑を歩んできていた。だから、「彼のような人材が新しいわが社をつくっていく」と期待される一方で、「グローバルかぶれ」と陰口をたたかれることも多かった。

彼自身、性格的にも敵をつくりやすいところがあり、上司だろうが部下だろうが議論をふっかけては対立関係をつくり出してしまっていた。ビジネス上の議論で一度対立した後、それと関係ないシーンだからといってその対立関係を忘れられる人は多くはない。外資系だと「ビジネスでの対立と通常の人間関係は違う」という暗黙のルールがあるというが、そんなことはない。外資系だってビジネスで対立すれば、関係にしこりは残る。むしろそのまま引きずる人だって多い。この企業はもちろん日本企業だったので、当然しこりは多く残っていた。

でも、彼はやがて社長になった。彼の性格はきついままだったけれど、悪い評判を広めていた人たちは一斉に口をつぐまざるを得なくなった。

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