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品川に初の地下鉄 六本木と結びにぎわい創出 首都圏鉄路、交通審答申から(4)

2016/5/26 日本経済新聞 朝刊

PIXTA

 東日本旅客鉄道(JR東日本)山手線で約40年ぶりの新駅開設など、近隣に大規模な再開発が控え、都市機能の集積が進む品川駅。リニア中央新幹線のターミナルとして首都圏の新たな玄関口にもなる。そんな品川駅に初の地下鉄が乗り入れる計画が、交通政策審議会の答申に盛り込まれた。

 新地下鉄は六本木などの都心部と品川のアクセスを便利にする。2000年の前回答申にはなかった構想で、今回初めて記載された。具体的には東京メトロ南北線が通る白金高輪駅から、支線のように鉄路を延ばす案が有力だ。

 20年五輪・パラリンピックの開催都市として、大会後までの持続的な成長を大きな課題とする東京都が、答申のとりまとめに向けて15年夏に国に提案した。「都心でも不便なところはいっぱいある。大きなニーズがある」と舛添要一知事は指摘する。

 都内でも屈指の成長エリアと目される品川がまさにそうだ。

 関東を南北に縦断できるJR上野東京ラインと、東海道線をつなぐ結節点として注目度が向上。20年五輪までには田町駅との間に山手線では1971年の西日暮里以来となる新駅が開業する予定だ。

 JR東日本は連動して一帯で大規模な再開発を計画する。この1月には、27年の開業を目指すリニア中央新幹線の始発駅としての建設工事も動き出した。

 ビジネス客や観光客などの人の流れがこれまで以上に集まる地域となるが、品川駅には東京メトロ、都営地下鉄ともに乗り入れていない。六本木など都心の繁華街から足を延ばすのは意外にも不便だった。

 品川への地下鉄乗り入れは、多くの新線計画と同様に実現までにクリアすべきハードルが多い。答申も「検討熟度が低く構想段階」「事業主体を含めた事業計画について十分な検討が行われることを期待」といった記述にとどめている。

 事業主体として白羽の矢が立ちそうなのは、白金高輪駅を通る南北線を運行する東京メトロだ。同社は答申を受けて「都市鉄道ネットワークの一部を構成する事業者として、経営に悪影響を及ぼさない範囲内で対応する」とコメントした。ただ「新線の整備に関して、大きなリスクを負う整備主体にはなりえない」と付け加え、慎重に見極める姿勢を崩さない。

 構想を提案した都も、計画の実現を楽観視していない。「港区、品川区の協力も得ないといけない。都だけでできる話ではない」と舛添知事。「国、都、区でチームワークを組みながらやっていく。費用負担もこの3つで考えていかないといけない」と話すが、具体的な協議はまだ始まっていない。

(おわり)

[日本経済新聞朝刊2016年5月13日付]

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