低価格な省スペース機として役立つキーボードPC

一見するとキーボードだが、実はパソコン、そんなユニークな製品が登場した。キーボードの中にパソコンの機能を詰め込み、さらにタッチパッドまで搭載する。

キーボードは76キーで、幅287ミリ、重さ288グラムと大きさやキータッチはコンパクトな携帯用キーボードに近い。テンキーやウィンドウズキーはない。、電源を確保してテレビなどと接続するだけで、パソコンとして使える。

コンパクトだが、USB2.0端子が2つあるなど拡張性は高い。インターネットへの接続は、Wi-Fi（無線LAN）と有線LANのどちらでもできるし、アナログRGB出力端子があるので、HDMI入力端子の付いていない古いディスプレーに接続して使うこともできる。

本体はしっかりした作りで、キーボード面には傾斜がついていて入力しやすい。電源はACアダプターを使う。タブレットやスマホのようにマイクロUSB端子で給電できるようになると、さらに便利だろう。

面白いのはタッチパッドを搭載していることだ。小さいが、タップして選択したり、2本指でスクロール操作をしたりと、普通のタッチパッドと同じことができる。クリックボタンはないのでキーで代用するが、マウスなしで使えるのは便利だ。

ヘッドホン出力端子で音楽を聴いたり、内蔵マイクで音声アシスタント機能「コルタナ」を使うこともできる。

CPUはアトムで、スティック型PCと同程度。リビングのテレビに接続してインターネットを利用したり、古いディスプレーと組み合わせてサブマシンにしたりと、低価格な省スペースパソコンとして活用できるだろう。

（ライター　湯浅英夫）

［日経PC21 2016年6月号の記事を再構成］