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Xperiaはスマホではない、その未来を垣間見る

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Android(アンドロイド)スマートフォン(スマホ)として高い人気を誇る「Xperia」。ソニーモバイルコミュニケーションズは2016年2月にスペイン・バルセロナで開催された携帯電話・モバイルに関する見本市イベント「Mobile World Congress」(MWC)で、従来の「Xperia」の枠を打ち破る製品群を発表した。それが「Xperiaスマートプロダクト」だ。

「Xperiaスマートプロダクト」は、音声で操作できるヘッドセット「Xperia Ear」、ウエアラブルカメラの「Xperia Eye」、写真やカレンダーなどを投影し、指で操作もできるプロジェクター「Xperia Projector」、小さなロボット型端末の「Xperia Agent」の4製品。これらはスマートフォンと連動するが、個別に通信回線につながって動作するコミュニケーションデバイスでもある。

このうち、2016年夏以降の製品化が予定されているのがXperia Earだ。Xperia Earは、スマートフォンとBluetoothでつながる片耳タイプのヘッドセット。こう書くと「もうあるじゃないか」と思うかもしれない。だが、既存のヘッドセットと違うのは、ユーザーの行動を把握して必要な情報を読み上げたり、ユーザーが声で操作できたりすることだ。

本体には近接センサーやジャイロセンサー、加速度センサーが内蔵されていて、耳に入れると装着したことを認識。スマートフォンにインストールされた専用アプリと連動し、朝なら天気やその日のニュース、交通情報、1日のスケジュールなどを読み上げる。Facebook(フェイスブック)やLINEなどのメッセージを受信すれば、メッセージを自動で読み上げ、「返信しますか?」と聞いてくる。ユーザーが送りたいメッセージを話しかけると、それを自動で入力して返信してくれる。しばらく耳から外し、再び装着したときは、その間にあった不在着信を音声で通知。夜に装着すれば、明日の予定を読み上げるといった具合だ。

スマホのせいで世界は狭くなっている?

2014年に公開されたスパイク・ジョーンズ監督の映画『her/世界でひとつの彼女』を見たことがある人ならば、映画に登場したAI型OSとそれを操作するヘッドセットを思い出してもらうとよく分かるだろうか。Xperiaスマートプロダクトの企画を統括するソニーモバイルの近藤博仁氏にそれを伝えたところ「現時点ではまだあそこまでの機能はないけれど、僕らがやりたいのはまさにあれ。プロジェクトのメンバー全員、あの映画を見ている」と笑顔を見せた。

ソニーモバイルがXperia Earを開発した背景には、「ユーザーの視線をスマートフォンの画面から解放したい」という思いがある。スマートフォンを持つようになって、私たちは必要な情報をいつでもどこでも手軽に入手できるようになった。その半面、「皮肉にも世界が狭まっているのではないか」と近藤氏は言う。下を向き、スマートフォンの画面をのぞき込むばかりで、周囲の景色を見ていなかったり知り合いとすれ違っても気付かなかったり。「歩きスマホ」による事故が問題になるような時代でもある。目の前にある、今大切なこと、楽しいことを見過ごしてるのではないか。「それでは本末転倒でしょう?」(近藤氏)。情報が集まるのはスマートフォンでいい。だが、そこから情報を受けたり操作をしたりは音声でできれば、もうスマートフォンの画面を見なくていいじゃないか、というのである。

Xperia Earには、普段から自然に身につけられるような工夫を施した。まずは音声。聞かせてもらうと、合成音声ながら自然でなめらかな発話だ。7言語8地域に対応するという。騒々しい場所でも聞きやすいように、ヘッドセットにはノイズリダクション用のマイクも内蔵した。

次に装着感。耳の穴の大きさは人によって異なるため、装着部分の形状は、オーディオ事業部にたった1人だけいる"耳型職人"と呼ばれる社員の協力を得て作り上げた。さらにイヤーピースは大きさの違う4種類を用意。フィット感を高めるため、取り外し可能な補助パッドも付けた。

また、Android 4.4以降のOSを搭載したスマートフォンやタブレットならば、ソニー製でなくても使用できようにする。

カメラは笑顔や盛り上がりを認識して自動で撮影

ほかの3製品はまだ発売時期未定のコンセプトモデルだが、狙いはXperia Earと同じ。「ユーザーの視線を画面から解放すること」だ。

例えば、ウエアラブルカメラのXperia Eye。球面レンズ、笑顔認識機能、音声認識機能などを備えている。ユーザーがXperia Eyeを首から下げたり洋服に装着したりしておくと、球面レンズが自分の真横から正面、頭上から足元にかけて、視界に入るものすべてを捉える。そして、その中に誰かの笑顔が映ったり周囲がワッと盛り上がったりしたタイミングで、自動的にシャッターを切る。ユーザーは、カメラを手に持つ、シャッターを切る、画面で撮れた写真を確認するといった行動から解放されてその場の雰囲気を楽しみ、後からXperia Eyeが撮った写真で思い出を振り返ればいいというわけだ。

「カメラが自動で撮影してくれれば、撮る方も撮られる方もカメラを意識する必要がない。とはいえ、何百枚も撮ってしまうと、後から選ぶのが大変」と近藤氏。笑顔や盛り上がりの音声など、的確にシャッターチャンスをつかむためのブラッシュアップが今後の課題だ。

映像に触って操作できるプロジェクター

自宅などで使うことを想定して作られているのがXperia Projectorだ。辞書ほどのサイズの小型プロジェクターで、背面を壁に密着させて使う。内部はAndroid OSで動いており、ネットワークでクラウドと接続。クラウド上に保存された写真、カレンダー、テレビ電話の通話先リストなどを壁に投影する。

面白いのは、投影されている画像や文字に指で直接触れて操作できることだ。例えば、画像を指先でタップするとその写真を選択できたり、左右にスナップすると画面を切り替えたりできる。壁側に赤外線を照射する機構が、壁と反対側に赤外線カメラが内蔵されており、壁に指を当て影ができると、その影を赤外線カメラが捉えて指の動きを認識する仕組みなのだという。

フロントにはカメラも付いていて、プロジェクターの前に立った人の顔を認識し、その人に合わせた情報を表示することもできる。「Xperia ProjectorはXperia Earと違い、家族などで共有するイメージ。指で壁をなぞるように文字を書いて、メモを残したりすることもできる」(近藤氏)。

「AIBO」の遺伝子を受け継ぐミニロボット

Xperiaスマートプロダクト、最後の一つがXperia Agentだ。音声認識などXperia Earと同じエンジンを使っているが、こちらは小型のロボット。ユーザーが話しかけると、それに答えるように動作する。天気予報や今日のスケジュールをユーザーに音声で知らせるほか、部屋のライトを付けたりエアコンの温度を調整したりする機能を持たせる予定だ。

また、腹部には小型のディスプレーが付いており、音声に加えてこのディスプレーに画像や映像を表示することでも情報を伝えられるのがXperia Earとの違いだろう。写真などを表示するときは、出力先をディスプレーから内蔵のプロジェクターに切り替えて、テーブルや床に投影することもできる。

一見、ソニーらしいクールなデザインのXperia Agentだが、デモを見て記者は思わず「かわいい」とつぶやいてしまった。球体の顔と目線がクルクルと表情豊かに動くからだ。声を掛けると、クルリとこちらを向く。別の人が声を掛けると、今度はそっちにクルリと顔を向ける。「話しかけたことがきちんと認識されていることをユーザーに伝えるためにも首の動きは重要」と近藤氏。それにしてもこのかわいい動き……聞いてみると、開発チームには、かつて人気を博した犬型ロボット「AIBO」の"遺伝子"を引き継いだメンバーもいるらしい。その智恵と経験が、Xperia Agentにも生かされているようだ。

そもそも「Xperia」はスマホのことじゃない

Xperiaスマートプロダクトの投入で多彩なラインアップがそろうXperiaブランド。「Xperia」という"冠"をこれらの周辺デバイスに広げるのはなぜかと問うと、近藤氏は「そもそも『Xperia』はスマートフォンの名前ではない」と切り出した。「Xperiaはソニーのコミュニケーションデバイスのブランドであり、ソニーモバイルは通信回線を使ったサービスを提供する企業。スマートフォンはそのうちの1ツールでしかない」(近藤氏)。今後は、スマートフォンに限らず、人間の情報収集やコミュニケーションをサポートするさまざまな形の機器を作っていく考えだ。

そして、これらの機器に使われている技術は、いずれもソニーモバイルやソニーの中に既にあるものをベースにしている。「我々が持つ技術をどう組み合わせ、どう生かすか。社内で模索した結果が、Xperiaスマートプロダクトには集約されている」(近藤氏)。

取材の中で、近藤氏からは「ソニーモバイルには最近、組織を超えよう、新しいことをやろうという機運が高まっている」という話を聞いた。スマートフォンは既にコモディティー化し、SIMフリースマホでキャリアの縛りからも解放されて、価格競争になり始めている。それならば、スマートフォンで培った通信やセンサーなどの技術を核にしつつも、スマートフォンという形態から飛び出して、新たな使い方や価値を持った製品を提案するのも一つの道だ。そして、そうした高付加価値製品こそ、ソニーモバイルやソニーの強みを生かせる領域なのだろう。

(日経トレンディネット 平野亜矢)

[日経トレンディネット 2016年4月25日付の記事を再構成]

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