MONO TRENDY

フード・フラッシュ

おうちワインと楽しみたいごちそう缶詰

2016/5/1

■ふた開ければ顔ぶれ多彩

 今晩は赤、白、それともスパークリング……。世界中から手ごろなワインが輸入され、気軽に楽しめるようになった。こだわりたいのは酒の味を引き立てるつまみ。手をかけず、おいしく一杯やれるなら缶詰も選択肢だ。保存食のイメージがあるが、料理として豊かな味わいを持つ「ごちそう缶詰」も多い。そこでワインの専門家らが選りすぐりの缶詰を試食し、ワインと相性がよいなどの観点でランキングした。

 1位になったのは明治屋の「ぶり大根煮」。いかにも日本酒の相方という印象だが、専門家からは「あらゆる種類のワインと好相性」との声が上がった。名古屋コーチンやサケのハラスなど、確かな素材を使った缶詰も上位に入った。どれもビールや白米と合わせてもよさそう。「缶詰とは思えない味わい」と、専門家たちも缶詰の進化に目を見張っていた。

 缶詰は賞味期限が36カ月程度のものが一般的。好みの品をいくつか常備しておけば、仕事から帰って晩酌を楽しむ際にも便利だろう。最近は缶詰をアレンジしたメニューのレシピ本などもある。一手間加えて、オリジナルのおかずを作るのも楽しそうだ。

1位 ぶり大根煮(九州沖天然ぶり使用)
(明治屋 おいしい缶詰、330ポイント)

■予期せぬ和のもてなし

 九州沖でとれた天然ぶりを大根と一緒にふっくら炊き上げた。しっかり味のしみこんだ大根にショウガの風味がアクセントとなり、料理としての完成度が高い。加えて、「ワインに合うはずがないだろう」という食材への先入観を打ち破ったことも、高い評価につながった。「しっかり味のついた大根だけでも、ワインに添えて決まる。手作りでなく、あえて缶詰を選びたいと思わせる一品」(とけいじ千絵さん)、「味付けのショウガがよく効いていて、いろいろなワインと合いそう」(柳忠之さん)。

 ワイン全般に合わせやすいが、特に赤ワインとの相性がよさそう。「クラシックな作りのイタリアワイン、キャンティが合いそう」(本多康志さん)、「缶詰を温めて食べるなら、オレンジワインや甲州ワインを合わせてみたい」(久慈竜太郎さん)との声も。(1)648円 (2)150(3)明治屋電話0120・565・580

2位 名古屋コーチン胡麻担々
(K&K 缶つまプレミアム、280ポイント)

■炭火香るピリ辛仕立て

 名古屋コーチンを練りゴマでゴマタンタン味に仕上げた。ゴマの風味が鶏肉を引き立てて「歯応え、うまみ、味付けのバランスがよくおいしい。さっと湯がいた春キャベツと食べたい」(黒川勇人さん)、「炭火の香りや鶏の食感が良い。ゴマタンタンのスパイシーさも良い」(柳さん)など味わいを評価する声が多く集まった。

 ピリ辛味はすっきりした白ワインとの相性が抜群。「ゴマのコクを酸味のある白できりっとしめると最高においしそう」(斉藤賢太郎さん)、「シチリアのシャルドネなどが合いそう」(本多さん)という。「缶詰とは思えない味わい。ドライなロゼワインを合わせたい」(久慈さん)との声も聞かれた。「辛みが強い缶詰は珍しく、常備しておくと便利」(とけいじさん)な一品だ。(1)760円(2)65(3)国分グループ本社お客様相談窓口電話0120.417592

3位 牛タンのデミグラスソース煮
(明治屋 おいしい缶詰、260ポイント)

■厚切りに八丁味噌のコク

 厚切りにした牛タンを八丁味噌のコクを効かせた特製デミグラスソースで煮込んだ。レストランの一品のようなメニューには「柔らかくジューシー。うま味のバランスが良く、リッチなタンの風味を感じられる。あたためなくてもおいしい」(本多さん)、「期待を裏切らない煮込みのほろほろ感」(とけいじさん)など、高い評価が集まった。

 もちろん、ワインにもぴったりだろう。「デミグラスソースが甘すぎずワイン向き。チリのメルローなどが合いそう」(柳さん)、「しっかりした赤ワインが合う。1杯飲んで帰って、家でもう少し飲みたいという時に」(松浦尚子さん)。(1)702円(2)90(3)明治屋電話0120・565・580

4位 鮭ハラス
(K&K 缶つまSmoke、250ポイント)

■桜チップでじっくり薫製

 サケの一番脂の乗ったハラスだけを集めて、じっくりと香ばしく桜チップで薫製した。「香ばしさを損なわず、缶の中で味がなじんだ気配があって素晴らしい。家にこれがあれば夜中でもスキップして帰る」(斉藤さん)。専門家の多くがあげる一押しワインは果実味の強い白。「オイリーで塩っ気が強いので酸味のフレッシュなソービニヨンブランが合いそう」(柳さん)、「ハラスの脂を洗い流すようなスパークリングワインが合う」(久慈さん)という。(1)432円(2)50(3)国分グループ本社お客様相談窓口電話0120.417592



5位 ROCK FISH流スコッチエッグ
(K&K 缶つま匠、230ポイント)

■コンビーフに卵とろり

 東京・銀座のバー「ROCK FISH」の人気メニュー、ゆで玉子にコンビーフを巻いてゴマをまぶした「スコッチ・エッグ」の再現を狙い、半熟卵を缶詰化した。「ゴマのプチプチなど食感が多彩」(斉藤さん)。ワインとしては「白ごまがスパイシーな赤に合う」(黒川勇人さん)。店主の間口一就さんは「サングリアで楽しみたい」と話す。(1)540円(2)70(3)国分グループ本社お客様相談窓口電話0120.417592



5位 国産豚のバルサミコソース味
(明治屋 おいしい缶詰、230ポイント)

■豚のうまみ、酸味まとう

 豚バラ肉を塩こうじに漬け込みバルサミコ酢と青森県産りんごを使ったソースで仕上げた。「甘酸っぱく、豚の脂のうま味もある。アルザスのリースリングなどが合いそう」(本多さん)、「スパークリングワインやシャルドネも面白い」(久慈さん)など、白ワインとの好相性を指摘する声が目立つ。上級者は「イタリアのモンテプルチアーノの赤などを合わせてもよい」(松浦さん)。(1)540円(2)80(3)明治屋電話0120・565・580



7位 サバのエスカルゴバター
(K&K 缶つまGLOBAL TOUR、220ポイント)

 バターにニンニク、パセリなどを使用したエスカルゴバターはフランス料理のソースの一つ。「サバをこれだけクリーミーに仕上げるのは新鮮」(とけいじさん)(1)540円(2)105(3)国分グループ本社お客様相談窓口電話0120.417592

8位 国産真いわしと野菜のトマト煮
(明治屋 おいしい缶詰、210ポイント)

 「そのままパスタの具や、パンにのせてもおいしそう」(久慈さん)(1)486円(2)100(3)明治屋電話0120・565・580

9位 鶏肉とオリーブのトマト煮
(家バル、200ポイント)

 ボリュームがある。「白と合わせて」(長谷川純一さん)(1)380円(2)125(3)アライド コーポレーション電話045・530・9266

9位 さんま蒲焼
(千葉産直サービス、200ポイント)

 「軽くサンショウをふって、赤ワインと合わせたい」(本多さん)(1)384円(2)100(3)千葉産直サービス電話043・254・7791

(左から)7位サバエスカルゴ、8位真いわしトマト煮、9位鶏肉オリーブ、9位さんまかば焼き

◇     ◇

 表の見方 数字は選者の評価を点数に換算したもの。商品名(ブランド名)。(1)税込み価格(2)内容量(グラム)(3)問い合わせ先

 調査の方法 缶詰、食、ワインの専門家らに、調理済みでそのまま食べられるタイプの缶詰で、ワインと味わうのにおすすめの商品を聞き取り調査し、編集部でリストを作成。40点の商品を実際に試食し、「缶詰と思えない味わい」「ワインに合う」「コストパフォーマンスがいい」などの点で評価してもらい、1位から10位まであげてもらった。選者は以下の通り(敬称略、五十音順)。

 今泉マユ子(管理栄養士)▽久慈竜太郎(リストランテ カシーナ カナミッラ 支配人兼シェフソムリエ)▽黒川勇人(缶詰博士)▽斉藤賢太郎(dancyu編集部)▽瀬戸理恵子(フードエディター・ライター)▽とけいじ千絵(フードアナリスト・食育スペシャリスト)▽長谷川純一(俺のフレンチTOKYOシェフソムリエ)▽本多康志(ファロ資生堂シェフソムリエ)▽松浦尚子(サンク・センス白金ワインスクール・ショップ)▽柳忠之(ワインジャーナリスト)

[日経プラスワン2016年4月30日付]

MONO TRENDY新着記事