WOMAN SMART

グルメ・トラベル

新旧溶けあう魅力、京都のニューウエーブ 女性のための快適出張術

2016/5/10

 京都へは出張、プライベートを含めて数えきれないほど訪れている方も少なくないでしょう。訪日観光の活況により、市の中心部は新しい施設やインフラが次々整備、リノベーションされ、新たな人気スポットも誕生しています。今回は、街の日常も感じられるアートなリノベホテル、リニューアルされたかつての迎賓館のカフェなど、新旧が溶けあって新しい魅力を創出するニューウエーブな京都をご紹介します。

■学生寮をリノベーションしたアートなホテルに泊まる

ホテルアンテルーム京都

 いま京都には個性あふれる宿が次々オープンしています。関西圏も訪日客急増などで宿が取りにくくなっているので、思いきって周辺部などの個性的な宿に泊まってしまうのも一つの手(記事後半の「出張ミニ技」をご参照ください)。足回りが意外に良かったり、地元の日常を感じられたりと新たな発見があります。

 例えば、築23年の学生寮をリノベートして生まれた「HOTEL ANTEROOM KYOTO」。ここの特徴の一つは、その半分が暮らすためのアパートメントとなっていることです。JR京都駅の南側、八条東口より徒歩15分に位置し、東寺や東福寺へは近いものの、周囲は地元の人々が暮らす住宅街。昭和の風情漂うレトロな銭湯「明日湯」もすぐそばです。

写真左:ホテルアンテルームのロビー前のラウンジ。右:客室は「アーティストの友人の家」がコンセプトのシンプルなインテリア

 ホテルの名の“ANTEROOM”は英語で「次の間」や「待合室」の意。ここを訪れる人たちが、友人が集う場に遊びに来たような居心地の良さや新たな刺激を得て、出合いにつながる場となることをコンセプトとしています。

 エントランスに続く「ギャラリー9.5」では京都を拠点に活動するクリエーターの企画展を中心に、様々な展示やイベントが行われています。ラウンジ、バーなどの共有スペースには旅行者だけでなくアンテルームの住人や地元の人たちも集まり、ホテルというより京都の新たな文化と人々が交差するカルチャースペースのようです。

 客室は、友人のアーティストの家に泊まったような居心地の良さをイメージ。ディテールにこだわったオリジナルの家具やアートワークで飾られ、シンプルで飽きのこないデザインで統一されています。

 そして、なんといってもおすすめは、自然とアートを感じられる心地よいロビーラウンジやバー「ANTEROOM BAR」、朝から女子のテンションを上げてくれること間違いなしの「ANTEROOM MEALS」のおいしい朝食です。日替わりのピタパンサンドにスムージー、新鮮野菜のサラダやヨーグルト、スープなど、ヘルシーながらボリュームありの朝食は目にも鮮やかで、頭も体も目覚めます。

写真左:朝食は日替わりのピタパンサンドにスムージー、ヨーグルト、フレッシュサラダなどがつく。右:学生寮だった建物をリノベーションした外観
【DATA】ホテルアンテルーム京都: 京都市南区東九条明田町7番
http://hotel-anteroom.com/

■往年の「京都迎賓館」、豪華デザートカフェでくつろぐ

長楽館

 京都の有形文化財、かつて「京都の迎賓館」と呼ばれた明治の洋館「長楽館」本館が、2016年2月に全面リニューアルされました。端正なインテリアと調度品の数々に囲まれて、優雅なひとときをすごせます。

かつて応接室として使われていたロココ様式のお部屋「迎賓の間」は、アフタヌーンティーセット専用に(画像提供:長楽館)

 明治の煙草(たばこ)王、村井吉兵衛が建てた長楽館は総敷地面積2000平方メートル超。円山公園に面する3階建ての建物はロココやアールヌーボーなどの建築様式を施した洋室11室、折上格天井にバカラ製のシャンデリアを組み込んだ書院造の和室や茶室、豪華な家具調度を有し、かつては「鹿鳴館以上」とたたえられ、明治から大正、昭和の初めにかけて京都の迎賓館の役割を果たしました。

 戦後は進駐軍に接収され荒れ果てていましたが、その後修復への努力がなされ、1986年に建物は多くの家具調度品とともに京都市有形文化財に指定されました。その部屋や家具類をそのままカフェとして提供。2008年には隣地にオーベルジュを開業しました。

 リニューアルによって、200席あった客席は140席へ、よりぜいたくにゆったりくつろげる空間となりました。かつて応接室として使われていた「迎賓の間」はアフタヌーンティー専用に。お客の目の前でスイーツに最後の仕上げをする“ドレッサージュ”を取り入れるなど、より優雅でときめくデザートカフェに生まれ変わりました。

【DATA】デザートカフェ長楽館: 京都市東山区八坂鳥居前東入円山町604番地
http://www.chourakukan.co.jp/cr/cafe.php

■どっぷり疲れたら……京都最古の癒し所へ

癒しの館 日吉堂

1934年、日吉堂の前身となる「朝日堂」を満州にて開業。1953年京都に移転。作家吉川英治も利用した京都最古の癒し所で、1958年に現在の「日吉堂」を開業(画像提供:日吉堂)

 祇園といえば、八坂神社に続く四条通から巽橋や花見小路あたりを歩く人がほとんど。京都五花街の一つ、祇園東は、昼間は歩く人も少なく、ひっそりとしています。ここにある京都最古の癒し所といわれる「日吉堂」は、そのレトロな外観に多くの人がカメラを向けます。内部はまるで映画のセットのような情緒漂う空間で、明治大正にタイムスリップした気分になります。どっぷり疲れたら、こちらに足を運んでは。

【DATA】日吉堂: 京都市東山区祇園町北側347
http://www.hiyoshido.jp/
【出張ミニ技】ホテルが取れない……そんなときは「沿線」へ
 ここ数年、訪日客の急増によって出張先の宿の予約がとりにくく、苦労することがあります。中でも大阪府の客室稼働率は全国1位で、宿泊費も軒並み高騰しています。東京、京都、札幌、沖縄でも同様の傾向にあります。
 宿選びに困ったときは、選択肢を「市区町村」単位から、移動○分以内など「沿線」に視点を変えてみると、意外に使い勝手の良い、便利でリーズナブルな宿が見つかることがあります。
 例えば大阪なら、快速列車で神戸へは24分、京都へは29分。大阪出張で京都に泊まる、というのも十分ありです。京都では伏見や宇治など、中心部を外れるとコストを抑えることもできます。中でも山科は京都駅から1駅、地下鉄や京阪の山科駅にも直結していて便利。また滋賀県琵琶湖西岸の大津は、京都駅から快速列車で9分、比叡山坂本は14分、草津は20分でアクセスできます。
 京都の宿は京都駅への無料送迎バスを運行しているところも多く、大阪空港(伊丹)、関西国際空港から京都駅へのリムジンバスは送迎バス乗り場のすぐ目の前に止まります。
 大阪出張は関西周辺地域での新たな発見、リサーチのチャンスと捉え、積極的に郊外の宿を利用してみるのもよいでしょう。
水津陽子
 合同会社フォーティR&C代表。経営コンサルタント。地域資源を生かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、コンサルティング、調査研究などを行う。

WOMAN SMART新着記事