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五輪会場の周辺、区道も無電柱化 江東・世田谷など 17年度着手 都、民間と低コスト化模索

2017/4/4 日本経済新聞 朝刊

無電柱化で景観と防災対応力を高める(東京都渋谷区内の区道)

 2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、東京都内の各区が会場周辺で電線を地中に埋めて電柱をなくす「無電柱化」に乗り出す。観客の動線となる区道で五輪までに電柱をなくす計画だ。無電柱化は小池百合子知事が景観と防災の観点から重点施策に掲げている。一足先に進む都道の無電柱化に呼応し、区も五輪会場周辺の美観と安全性を高める。

 江東区は17年度、五輪会場が集まる辰巳地区と東雲地区で無電柱化の工事を始める。対象となるのはバレーボール会場の有明アリーナの周辺区道(525メートル)と、水泳会場のオリンピックアクアティクスセンターの周辺区道(522メートル)だ。

 まず電線や通信線などを地下に収容する「電線共同溝」の本体工事を実施する。五輪前の20年3月までに工事を完了する計画だ。総事業費は約15億9000万円。五輪会場周辺向けに、国と都が対象費用の全額を負担する補助金を活用する。

 世田谷区は17年度、馬術の会場となる馬事公苑周辺の区道を無電柱化する。用賀中町通りなど約640メートルが対象。中町通りは東急電鉄の桜新町駅や小田急電鉄の千歳船橋駅などから馬事公苑に向かう観客の動線となる見込み。同区も20年3月までに工事を完了させる。

 渋谷区は卓球会場となる東京体育館前の区道で電柱をなくす。17年度は電線などを地中に収める管路の詳細設計に入る。来年度の予算案に約600万円を計上した。五輪までに工事を終える。

 長谷部健区長は「コストが非常に高く、東京体育館周辺の数本の電柱を地中化するだけの予算だが、必要なところから順次進める」と強調する。

 無電柱化は小池知事の就任以来、都道での電柱新設を原則禁止する条例制定を打ち出すなど、都が対策を強化してきた。ただ、都内では道路の総延長の9割を区市町村道が占める。区市町村道の無電柱化率は2%と、国道や都道に比べて進捗が遅れている。

 無電柱化が進まない原因の一つが、1キロメートルあたり5億円を超えるとされる費用の高さだ。都は民間企業と組んで低コスト化を検討したり、五輪会場周辺以外でも区市町村の負担をゼロにする補助制度を設けたりして、区市町村道の無電柱化を後押しする方針だ。

[日本経済新聞2017年3月16日付朝刊]

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