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会社員が突然、痴漢の濡れ衣を着せられたら…

立川談笑

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NIKKEI STYLE

 今回はシリアスなテーマです。駅構内で「痴漢は犯罪です!」というポスターを見かけます。しかし、そもそも私は「痴漢」というくだけた表現はケシカラン!と思うのです。下世話な口語を公の場で使うことは逆に「日常によくある、ありがちで小さなこと」っぽさがにじみ出ていませんか。真正面から断言してほしいのです。「強制わいせつは、犯罪だ」と。

「痴漢」の語の意味するところは、説明するまでもないでしょう。今回は、電車内などでの痴漢(←このワードで通します)の話に集中することにします。

通勤通学時のバスや電車内では周囲に人が密集しており、また密集しているからこそ、すぐ横に立っている人の様子がうかがい知れません。加害者と被害者だけに限定された場とは、いわば人ごみの中の密室です。その特徴を挙げてみると、

・周囲からは気づかれにくい

・被害事実を言いだしづらい

・犯罪行為の確証が残しにくい

密室での肉体的・精神的加害という意味で、痴漢行為はDV、パワハラ、いじめに似ています。「痴漢は犯罪です」なんてモラルに訴えたところで、卑劣な連中に聞く耳があるとも思えませんが。

そこへいくと女性専用車両の試みは、効果がありそうです。男子禁制。これは確実に痴漢を排除できますよ。実現に踏み切った鉄道会社は素晴らしい! 導入当初は違和感がありましたけど、今や都内の鉄道では当たり前の光景になりました(私も間違って乗り込んだことがあります。5秒で気づいて飛び出しました。カッコ悪かったなぁ~)。

そこでどうですか? ついでにあの車両の数を増やしちゃうっていうのは。それも先頭車両なんてホームの端っこじゃなくて、阪急電鉄などが実施しているように思い切って真ん中あたりの便利そうな車両も女性専用にしてみるとか。安倍政権が女性の社会進出をアピールしている今こそ、そんな思い切ったことをするチャンスですよ。

そりゃ男性はずいぶん不便になるでしょうけど、痴漢対策のしわ寄せだったら同じ男性としてデメリットを甘んじて受けようとは思いませんか、世の紳士諸君!

そして冤罪(えんざい)対策です。もしもあなたが突然電車内で痴漢の疑いをかけられたらどうしますか?

痴漢の場合、証拠が残りづらいから、やったやらないの水掛け論になります。先日、痴漢の疑いで起訴された会社員に「逆転無罪判決」が出ましたが、その理由は「被害者の証言に確証が認められない」という趣旨でした。証言にブレがあったということでしょうか。仮にブレがなかったら、被告人は被害者の証言を証拠として有罪となったわけです。

証拠が乏しい。この点を逆手にとる小悪党もいるそうです。被害者加害者の横から目撃男性が登場します。「はっきり見てたぞ、痴漢め!俺が証人だ」。痴漢行為の事実はともかく、被害証言に目撃証言が補強されるのですからこれはもう有罪の可能性が高まり、万事休す。

それで、ホームに降りたところで「駅員のところに行けば家庭も仕事もめちゃくちゃになるだろ。それもかわいそうだってこの子は言ってくれてるんだ。反省してるんだったら迷惑料でも払ってあげなよ」

とまあ、実は被害者の女性と目撃者の男性とはもともとグルで、電車内でやらかす美人局(つつもたせ)。ケチな手口ですが、これは怖いですよ。通勤中に目の前の女の子がいきなりシクシク泣き始めたと思ったら横の男に手をつかまれて「こいつ、痴漢です!」。このストーリーにはめられたら逃げるのは難しい。

しかもこれが小悪党の小銭稼ぎならまだマシです。想像してみてください。会社や職場などで激しい出世争いをしているライバルから仕掛けられた罠(わな)だとなると、そのまま駅員に突き出されて社会的に抹殺されて……。ああ、怖い。

はたして対応策はあるでしょうか。身元を突き止めて、被害者の女性と目撃者の男性が偶然居合わせたのではないという証拠をもって反論するとか、糸口は考えられますがすべて事後的対応になってしまいます。いったんは痴漢の汚名は着せられそうです。名誉回復のための息の長い戦いは、まさに映画『それでもボクはやってない』の世界です。

あと私はもうひとつ、痴漢の疑いをかけられた時のための「緊急証拠保全」のアイデアがあります。それはまた別の機会に。

(次回は10月8日の予定)

立川談笑(たてかわ・だんしょう) 1965年、東京都江東区で生まれる。海城高校から早稲田大学法学部へ。高校時代は柔道で体を鍛え、大学時代は六法全書で知識を蓄える。予備校講師など様々なアルバイトを経験し、93年に立川談志に入門。立川談生を名乗る。テレビの情報番組でリポーターを務めながら芸を磨く。96年に二つ目昇進、2003年に談笑に改名。05年に真打ち昇進。古典落語をもとにブラックジョークを交えた改作に定評がある。十八番は「居酒屋」を改作した「イラサリマケー」など。
<今後の予定>国立演芸場(東京)での独演会10月12日、11月12日、12月9日、吉笑(二つ目)、笑二(同)、笑笑(前座)の弟子3人とともに武蔵野公会堂(東京都武蔵野市)で開く一門会10月31日、11月30日の予定。
立川談笑HP http://www.danshou.jp/ 
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