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クルーズ船の活況再び 横浜港、国内競争へ設備増強

2017/3/18 日本経済新聞 朝刊

7月から横浜港に定期就航する「スーパースター・ヴァーゴ」

 横浜港へのクルーズ船の就航が再び広がりそうだ。客船運航のゲンティン香港が7月から横浜港を母港にする客船を定期就航させるほか、米国籍2船も初入港を予定する。2017年のクルーズ船の横浜港への寄港回数は16年を上回りそうだ。横浜市は新たなふ頭や入国管理施設の建設に取り組んでおり、20年の東京五輪・パラリンピックをにらみハード、ソフト両面の環境整備によって巻き返しを図る。

 ゲンティン香港は7月9日から、大さん橋や山下ふ頭など横浜港を母港にするクルーズ船の運航を始める。7万5000トンクラス、定員1870人の「スーパースター・ヴァーゴ」を使い、清水、鹿児島、上海、大阪の5港を7泊8日で巡る。横浜には毎週日曜日に寄港する。

 同社が横浜港を母港に定期的な客船を運航させるのは2000年以来で17年ぶり。「当時に比べて日本のクルーズ船のマーケットは成熟してきている」との判断から寄港を決めた。運航は現時点では11月26日までの予定で、年間の寄港回数は約20回の見込みだ。

 乗船料は15万8000円からと割安に設定し、家族連れのほか、女性グループなどこれまで弱かった層の取り込みを狙う。「需要を見て期間の延長や内容の改良などを判断する」(同社)考えだ。

 7月には米プリンセス・クルーズが運航する「マジェスティック・プリンセス」も横浜港に初入港する。総トン数14万2000トン、定員3560人の世界最大級の豪華客船だ。5月には客室の全てがスイートルームという米シーボーン・クルーズが運航する3万2000トンクラスの「シーボーン・ソジャーン」も初入港する。

 横浜港は入り口にかかるベイブリッジの橋げたの高さが55メートルで、それを上回る大型客船は内港地区に入れない。現在は貨物用の大黒ふ頭に入港し、入国手続きは市内の既存の施設にバスで移動してから実施するなど、手間がかかっている。

 このため市はベイブリッジの手前の大黒ふ頭に暫定的な税関・出入国管理・検疫(CIQ)施設を整備する。新施設は19年春から受け入れを予定する。

 客船向けに新設する新港ふ頭も19年春の稼働に向けて岸壁の整備を進めている。現在、受け入れの中心になっている大さん橋では日本郵船と共同でターミナルを改修する予定だ。

 16年の横浜港へのクルーズ船の入港は127回で、15年から横ばいだった。14年まで国内トップだったが、15年に博多港(福岡県)、長崎港に逆転された。16年は博多港(328回)、長崎港(197回)、那覇港(193回)に水をあけられた。市港湾局によると、17年は過去10年で最多だった13年の152回と同程度の寄港が見込まれるという。

[日本経済新聞2017年2月25日付朝刊]

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