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免税店利用追い風 北海道、インバウンド消費が復調

2017/4/2 日本経済新聞 朝刊

 北海道内の百貨店の訪日客(インバウンド)の消費が復調している。札幌市内の主要3百貨店はいずれも化粧品を中心に販売が好調で2016年12月以降、3カ月連続でインバウンド部門が増収だった。昨年後半からの円安傾向などを背景に高額なブランド品の購入も活発になっている。16年に入って高額品を大量購入する「爆買い」は終息したものの、道内の免税店利用件数は高水準で、いかに実際の消費額拡大につなげるかが課題だ。

免税販売が復調する大丸札幌店は時計売り場を拡張する(札幌市)

 道内百貨店の17年2月の合計売上高は127億2900万円と、前年同月比で3.8%減った。ただし、16年9月末に閉店した西武旭川店の売上高を除いた実質ベースでは1.9%増と2カ月連続で増収だった。前年がうるう年だったため営業日数は1日減ったが、好調な訪日客消費でカバーした。

 大丸札幌店は前年同月比4.1%増。免税品の売り上げが15%増と好調だった。化粧品の好調が持続していることに加え、「バッグや宝飾品など高額なブランド品の動きも良かった」(担当者)。今年は春節(中華圏の旧正月)休暇が1月下旬に始まったが、2月に入っても目立った落ち込みはみられなかった。

 札幌丸井三越は0.5%増。大丸と同様、化粧品やブランド品などの免税品部門は6%増だった。「2月に札幌で開かれた冬季アジア大会も訪日客消費に追い風になった」と担当者は話す。

 東急百貨店札幌店は0.6%減と微減だったが、免税品部門に限ると37%増だった。

 訪日客が少なく、インバウンド消費の効果が及びにくい地方百貨店は一進一退が続く。丸井今井函館店は0.5%減と8カ月連続でマイナス。帯広市の藤丸は昨年3月に実施した催事を2月に前倒しした効果で7%増だった。

■爆買い減少後も菓子や食品などの購入下支え 訪日客の購買意欲旺盛

 道内の訪日客消費は一時の爆買いはあまり見られなくなったが、免税店の利用件数は着実に増えている。札幌国際大学観光学部の河本光弘教授が函館税関の資料を基に調査したところ、16年の北海道から出国した外国人の免税店利用数は176万件と15年比で2.2倍となった。

 免税店で買い物をした訪日客はパスポートに輸出免税物品購入記録票を添付され、出国時に税関に提出する必要がある。河本教授はこの点に着目し、14年から記録票の回収状況について調べている。調査によれば、訪日客1人当たりの平均免税店利用数も1.4件と、15年の0.9件を大きく上回った。

 16年を月別にみると、春節や雪まつりがあった2月が約20万件と一番多かったが、中国で高額品への課税が強化された4月以降も、12万~19万件で堅調に推移。河本教授は「北海道に来る訪日客は菓子や食品などの購入が多く、中国の関税制度変更の影響はほかの地方に比べ相対的に小さかった」と指摘する。

 高額品爆買いの減少は道内百貨店の16年の売り上げにも大きな影響を与えたが、河本教授の調査が示すように訪日客の購買意欲は高い。今後、各店舗ともに「高額品を中心に訪日客の販売を伸ばす」(大丸札幌店)狙いだ。

(横山雄太郎)

[日本経済新聞2017年3月16日付朝刊]

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