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手技と創意が折り重なる 三宅一生氏、大規模回顧展

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NIKKEI STYLE

「プリーツ」「A-POC」など創意あふれる衣服で世界を驚かせてきたデザイナー、三宅一生(77)。テクノロジーと人の手技を結びつける仕事には「一枚の布」にかける情熱が宿っている。

準備に丸3年。何万点もの膨大なコレクションから選び抜かれた色とりどりの衣服が、広い会場いっぱいに並ぶ。東京・国立新美術館で開催中の「MIYAKE ISSEY展」(6月13日まで)。まるで会場のあちこちでファッションショーが開かれているようなにぎやかさだ。

時代開く作品群

「すごいな、こんなところでやってみたいなというつぶやきが現実になった」と三宅が振り返る。国立新美術館での回顧展開催は館オープン時からの念願だった。世界のファッション界で長年活躍した三宅だけに、これまでの展覧会はパリのカルティエ現代美術財団が企画した世界巡回展など海外発信のものが主だったが、今回は日本発信となる初の大規模展。「年齢に関係なく楽しめ、何かを作りたいという感覚を持って帰ってもらえる展示になった」と満足げだ。

展覧会は大きく3つのセクションに分かれる。刺し子や丹前など日本の庶民の作業着やその素材に着目し、新しい技術と融合させた1970年代の初期作品群を展示するセクションA。繊維強化プラスチックや合成樹脂など従来使われなかった硬い素材を利用した80年代の「ボディ」シリーズを展示するB。そして、80年代後半に発表した「プリーツ」以降、現在進行中の作品までを巨大空間に一堂にそろえたC。

展示には、人類が受け継ぎ、工夫を重ねてきた素材と手技への感謝と、そこに新たな命を吹き込むテクノロジーへの信頼が満ちている。たとえば三宅の代名詞となった「プリーツ」のひだは、古代から衣服にある工夫の一つだが、これを熱処理可能な布地を使い、生地を裁断縫製した後にひだ加工できるようにしたのが画期的。これが体のサイズに合わせて布を裁断する既製服の概念を変え、たたんでも洗っても崩れないフォルム、身体を自由に開放させる着やすさを獲得した。

ほかに1種類の繊維からなる布地をはさみや針を一切使わずにドレスにした「コロンブ」、デザインをあらかじめプログラムした編み機で筒状に服や靴下などを編み出す「A-POC」など多くの"発明"が、実物やマシンを使った製作実演で展示されている。

「一枚の布」探究

アイデアの背後には、あらゆるファッションの創造の源となる「一枚の布」への探究心がある。かつて三宅の下で働き、今回展示構成を監修したグラフィックデザイナーの佐藤卓は「過去の作品に、一枚の布から生まれる無限の可能性、想像と創造の素晴らしさをまざまざと感じた」と語る。同じくAとBを監修したデザイナーの吉岡徳仁は、自らデザインしたマネキンを展示に使用。1枚の板紙、透明樹脂から365のパーツを切り出して組み立てたもので、かつての"師匠"への共感をにじませる。

「資源や難民など世界が抱える問題はいろいろ。今までの豪華な服や着るのに時間がかかる服は消え、これからは男女や家族で共有できる服が増えるのではないか」と三宅は語る。展覧会では、ペットボトルなどから再生した繊維を素材に、複雑な幾何学形態を持つ現在進行中の「132 5.」シリーズも展示、未来のファッションを見通す。

開会式にはフランスの元文化相ジャック・ラングが急きょフランス大統領の代理として駆けつけ、三宅にコマンドール勲章を授与。世界文化への貢献の大きさを伝えた。建築家の安藤忠雄は「芸術家は一つ評価されるとその上に乗って前進するが、一生さんはゼロの原点に戻してまた前進し始める。世界中の芸術家がそれに共感する」と祝辞を述べた。安藤いわく「これは回顧展ではない。ここからもう一歩も二歩も前進しようという覚悟の展覧会だ」。

=敬称略

(文化部 富田律之)

[日本経済新聞夕刊2016年4月5日付]

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