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スマホの仕事活用術、基本編 写真はクラウドで共有 ベストな乗車位置知る メモはGメールと同期

2015/7/9 日本経済新聞 夕刊

 仕事でスマートフォン(スマホ)を利用している人は多いだろう。しかし、「十分に活用しきれていない」と感じてはいないだろうか。仕事を効率よく進めるためスマホをどう使えばいいのか、実際の活用事例をまとめた。まずは、知っておいて損はない基本編から。
スマホとパソコンを同期すれば仕事を効率よく進められる

 「写真撮影でデジカメは使わない」。こう話すのは、コンテンツ制作を手掛ける都恋堂(東京・新宿)の取締役、小林奈巳さん。同社はウェブサイト用の記事に載せる写真をiPhone(アイフォーン)で撮るケースが多いという。

 数人で取材したときなどは、各自がiPhoneで撮った写真をインターネットを介したクラウドのフォトストリームで共有する。使う写真はここから選ぶだけなので「この方法が一番楽で便利」と小林さんは話す。

■SNS利用する手も

 メッセージのやり取りでもスマホを活用できる。企業によっては会社のメールアドレスは会社のパソコンでしか使えなかったり、スマホからも社内システムにログインする形でしか使えなかったりする。そうした規制がない職場ではスマホならではの使い方が導入されている。

 小林さんは、「チャットワーク」というビジネスチャットアプリを使っている。短文でスピーディーにやりとりができ、ちょっとした連絡や確認に便利だという。チャットのように使える点は無料対話アプリのLINEと似ているが、仕事に適した機能が備わっている。

 例えばグループで使うとき、相手を指定してメッセージを送ればメンバー全員がメッセージを読めるが、通知は相手だけに届く。誰かがメッセージを送るたびに通知が届いて落ち着かない、という事態を防止できる。

 SNSを積極的に使う例もある。名刺管理アプリ「エイト」を提供するサンサン(東京・渋谷)でPRを担当する日比谷尚武さんは、社外の相手とのやりとりにフェイスブックの「メッセンジャー」を活用している。「余計な挨拶なしで本題に入れてレスポンスが早く、雑談での地ならしもしやすい」(日比谷さん)

 ただ、仕事のやりとりをSNSですることに抵抗がある人もいるだろう。小林さんも「正式な仕事の依頼はメールか電話がいい」と話す。勤務している会社のルールや状況、相手などに応じて使うのが良さそうだ。

 仕事の相手先などに出向く際に役立つのがスマホの乗り換え検索だ。電車だけでなくバスの乗り換えも検索できる。様々な無料アプリが出ているので好みで選ぶとよいが、細かい情報を求める人にお薦めなのは「ヤフー乗換案内」。何番線で乗り何番線に到着するか、さらに乗り換えにベストな乗車位置まで検索結果に表示される。

 初めて行く場所は地図アプリで行き方を調べよう。都内の出版社で書籍の編集を手掛ける榎本紗智さんは、地図アプリ「グーグルマップ」を使う際、スクリーンショットと呼ばれる機能を使って画面を保存する。アプリを開きっぱなしにしていると電池がどんどん減っていくからだ。「東日本大震災で電車が止まり、会社から徒歩で帰宅したときも、この方法で電池切れを免れた」という。

 待ち時間などでもスマホが活躍する。たとえばiPhone標準アプリのメモ帳。起動が素早く、入力した内容は自動的に保存されるので、ちょっとした時間にメモを取ったり参照したりするのにうってつけだ。榎本さんは「企画のネタになりそうなものは何でもメモする」という。「間違えやすい漢字や語句をメモして一覧を作り、電車の待ち時間などに見直すようにしている」(榎本さん)

 メモした内容はパソコンからも確認できる。iPhoneの設定から無料メールサービス「Gメール」のメモを「オン」にしてGメールと同期すれば、メモはGメールの「Notes」フォルダに保存される。職場でGメールの閲覧が許されているなら、iPhoneで取ったメモをパソコンで確認し、それを元に企画書を書く、といった活用法が可能だ。

■カレンダーは1つに

 スケジュール管理もスマホですれば何かと便利だ。日比谷さんが愛用するのは「サンライズカレンダー」というアプリ。複数日にまたがる予定が見やすいという。グーグルカレンダーやiクラウドカレンダーなどと自動同期され、複数のオンラインカレンダーをひとまとめに表示できるのも利点。日比谷さんは「仕事のスケジュールも家庭のスケジュールもこれ一つで管理している」と話す。

 紹介したアプリは、iPhoneに最初から入っている標準アプリを除き、iPhoneとアンドロイド両端末に対応している。次週はより高度なスマホの使い方を紹介する。

(ライター ヨダ エリ)

[日本経済新聞夕刊2015年7月6日付]

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