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「給付型」と「貸与型」 知っておきたい奨学金

2015/7/2 日本経済新聞 プラスワン

 人生の3大支出の一つといわれる教育費。特に比重が大きいのが大学の費用だ。この十数年、国立・私立大学ともに授業料が高止まる一方、親の収入は伸びないままだ。家計の負担が膨らむなかで頼りになる存在が、一般的なローンより低い利子や無利子で教育費を借りられる奨学金制度。その内容や種類、使い方のポイントを紹介しよう。

 奨学金の制度は大学や企業、地方自治体などが用意している。募集対象が広く、最も多くの人に利用されているのが、公的機関である日本学生支援機構(JASSO)だ。同機構の奨学金の利用者は年々増加傾向にあり、2014年度で約140万人にのぼる(グラフ)。

 全国の国公私立大生を対象にJASSOが実施した調査(有効回答約4万人)によると、奨学金を受給している大学生(昼間部)の割合は、12年度で52.5%にもなる。親の収入が伸び悩むなかで学費を奨学金に頼る家計が多いことを物語る。

 JASSOの奨学金の仕組みを見ていこう。

 受け取った奨学金は将来返済する義務がある。返済が不要の奨学金制度(給付型、後述)と区別するため、「貸与型」といわれる。通常は在学中に毎月、一定額を受け取っていく。在学中は返済する必要はなく、卒業した後7カ月目から月賦で返すのが原則だ。

 申し込みは、大学に進学する前であれば、高校が窓口となる(予約採用)。募集時期などは高校により異なる。このほか大学に進学した後でも申し込むことも可能(在学採用)。この場合、窓口は大学になる。

 JASSOの奨学金は利子の有無によって2種類に分かれる()。まず無利子タイプの「第1種」は、条件が有利な分、申し込み基準は比較的厳しい。家計の年収が例えば会社員の4人世帯で781万円以下というのが目安になる。本人の高校の成績が5段階評価で平均3.5以上という基準もある。

 貸与を受ける金額は、進学先が国公立大学か私立大学か、自宅通いか、そうでないかにより決められており、月額の最高は6万4000円。このほか、月額3万円のコースを選ぶのも可能だ。

 もうひとつの有利子タイプ「第2種」は、無利子タイプに比べて条件が緩い。家計収入は、前述と同じ条件でみて1124万円以下となる。金利の水準は、民間の教育ローンなどと比べて大幅に低いのが特徴で、利用者は約100万人と、無利子タイプの倍以上いる。

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