もうすぐ夏 30~40代に似合う水着は
明るめ、顔映り良い色を
丸井が調べたところ、30~40歳代の水着購入者は「体形をカバーしたい」「日焼けしたくない」人が多い一方で、「体形カバーを明確にうたう水着は嫌だとの声が根強い」(レディスアパレル課の浅野素子チーフバイヤー)。都内に住む38歳の女性は「ビキニは無謀かもしれないけど、旅先でフィットネス用のは嫌」と微妙な女心をのぞかせる。
ところが、海辺や屋外プール用の「遊泳水着」市場の約6割は、20歳代前半までの女性向けの商品。そんな中から30代以上の女性が似合う物を探すには、デザイン特性などを知って、吟味することが欠かせない。
着てみたいが、ためらいがちな上下にわかれたデザイン。胸元を覆うトップスは「布面積が大きめが良い」と「三愛水着楽園」を展開するAi(東京・渋谷)水着事業部の新保菜緒子さんは話す。年齢とともに胸の肉が柔らかくなるため、小さいと肉感的になりやすい。カップの下や脇の部分にワイヤが入った物で、しっかりと納めてきれいなラインを作るようにする。
胸元が開いて目立ちすぎるのを防ぐには「カップ前中心が斜めに重なったカシュクール型が特にお薦め」(新保さん)。肩こりや首の負担を減らすため、肩ひもは太めが実用的だ。
おなか周りが気になる人は、長めのトップスを選ぶと肌の露出が減る。今年の流行はビキニの下辺にフリルが付いた物だ。下にビーチ用短パンを重ねると、腰や太ももが目立ちにくい。
形の次は色や柄だ。30歳代以上にお薦めは「明るめで顔映りの良い色」(新保さん)。今年は白やレモンイエローなどが流行色。柄物で地色が濃いと老けて見えやすい。「黒やベージュのパンツも年齢が上の印象を与えやすい」(浅野さん)。日焼け前に買いに来て、体になじむ色を選びがちだが、水着は普段の衣類より色や柄がはっきり見えるのが似合った状態だ。
殻破り、堂々と楽しもう
試着は最低でも2着してみよう。「良さそうだと思う1着と、少し勇気がいるかも、と感じる物を選ぶ」(新保さん)。フィット感は全方向からチェックする。素材を開発する東レのニット衣料・資材課の宝田麗子課長は「布地がたるんだり突っ張ったり、違和感があるのは体に合っていない証拠」と指摘する。バストカップが3種類ほど用意がある物もあるので、サイズ違いを試してみると良い。
慣れないと気後れし、控えめな色や形を選びがちになる。ただ、海辺やプール、リゾートのホテルなどは非日常の空間。専門家らは「水着は体を見せる衣類。思い切って殻を打ち破って」と助言する。
パーソナルスタイリングのファッションレスキュー(同・渋谷)社長の政近準子さんは「まずパレオなど体を隠す物はつけず、水着のみを試着しよう」と話す。恥ずかしいからと隠さず、「どこを見せればキレイに映るか意識する」(政近さん)。楽しむのが大前提なのを忘れないことだ。
着るのは公営プールなのか、海や隠れ家リゾートなのか、など場面を考える。欧州の旅行客が多い海辺では年齢問わずビキニが多数。日本人は長袖シャツや黒いレギンスを紫外線防止や体形カバーの目的で着ることも多いが、「海辺では不自然。体形に自信のない50歳以上の人こそ、おなか周りが窮屈でないセパレート型を着てみて。上に薄手のパレオなどを羽織るとエレガント」(Ai水着事業部の永島和祥販売促進室長)
海辺では「自分も風景の一部、という自覚を持ってほしい」(政近さん)。姿勢の悪さは水着だと目立ちやすい。堂々とした立ち居振る舞いで水着姿を楽しもう。
(南優子)
[日経プラスワン2015年6月20日付]
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