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保険料「まとめ払い」のススメ 節約効果あり

2015/2/25 日本経済新聞 プラスワン

 消費税率の引き上げや円安による物価上昇など、家計への負担は重くなるばかり。家計の見直しで効果が高いのは、食費や光熱費などの変動費より、生命保険の保険料など毎月決まって出て行く固定費。それを簡単に節約できる方法が「まとめ払い」だ。火災保険や国民年金の保険料、NHK受信料などと併せ、まとめ払いの節約効果について見てみよう。

 「まとめ払い」は通常は毎月払うものを1年分一括して払ったり、毎年払うものを数年分一度に納めたりする方法。まとめ払いを選択すると割引を受けられることが多い()。

 生命保険から見ていこう。多くの保険会社では、年払いを選ぶと保険料は例えば月払いの11.5カ月分や11.7カ月分に相当する金額になる。月払い保険料が3万円なら、11.5カ月分は34万5000円。月払いを12回繰り返すのに比べて1万5000円の節約になる。ただし、「商品によっては年払いができないこともある」(明治安田生命保険営業教育部長の山本英生さん)ので各社に確認しよう。

 地震保険もまとめ払いで割引になる。契約期間や保険料払い込みは原則は1年ごとだが、2~5年も選べる。その場合の保険料は、1年契約の保険料に特定の係数を掛けて算出する。例えば5年契約であれば係数は4.45。1年当たりで見て保険料は11%の割引になる計算だ。地震保険は建物と家財で別々に契約するので、両方とも年払いにすれば節約効果は高まる。

 火災保険も一般に、複数年で契約し、まとめ払いをした方が保険料は割安だ。例えば10年契約の保険料は1年契約を毎年更新する場合に比べて18%ほど安いことが多い。契約期間によっては、月払いか年払いを選べる損保会社もあり、年払いの方が有利になる。損害保険ジャパン日本興亜の例だと、「2~5年契約では月払いか年払いかを選択でき、同じ契約年数であれば、年払いの方が5%程度安くなる」(個人商品業務部特命課長の国安則彦さん)。

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 国民年金の保険料にもまとめ払いによる割引制度があり、「前納」という。1年前納の保険料は18万3160円(2015年度、口座振り替えの場合)で、毎月払う場合より3920円安い。6カ月の前納も可能。2年前納も口座振り替えに限り可能になった。今年4月から口座振り替えによる前納に変更するなら、2月27日までに申し込む必要がある。

 NHKの受信料は、2カ月払い、6カ月前払い、1年前払いが選択できる。衛星契約で口座振り替えやクレジットカード払いの場合、1年前払いだと原則2万4770円。2カ月払いを続ける場合より年間で1990円おトクになる。

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 まとめ払いした後に、途中解約などしたらどうなるか。

生命保険の保険料は1年分のまとめ払いでお得になることも

 生命保険は従来、年払いした後に解約した場合、払い戻されない決まりだった。10年にルールが変わり、途中解約や死亡による契約消滅の場合、残りの月数分の保険料は払い戻す扱いに変わった。いつの契約から適用されるかは保険会社によって違う場合がある。例えば明治安田生命では10年3月2日以降に契約した保険が対象となる。

 地震保険や火災保険、NHKの受信料は原則、まとめ払い後に途中解約した場合、未経過分が払い戻される。国民年金は前納をした後、会社に就職して厚生年金の加入者になったり亡くなったりした場合は、保険料の払い戻しを受けられる。

 払った後に料金が改定され、引き上げられたり引き下げられたりしたらどうなるのか。生命保険や火災保険、地震保険の場合は差額の支払い要求や払い戻しは通常ない。NHKの受信料は昨年4月の消費税率アップに伴い差額が徴収された。

 まとめ払いでは、お金をどう手当てするかが重要だ。ボーナスの一部をプールしておくか、年払いに必要な金額を12で割って、毎月「払ったつもり」で積み立てておくとよい。いずれの場合も、お金を入れておく専用口座を作っておこう。その口座から保険料や受信料が自動で引き落とされるように設定しておけば、残高不足で払えなかったということも防げる。

 まとめ払いによる節約額は一つひとつで見るとさほどではなくとも、合わせると年間数万円にもなりうる。何よりも、1回手続きをしておけば節約効果がずっと続くのが大きい。食費や光熱費の節約に比べると、手間がかからず節約効果が高い。

(ファイナンシャルプランナー 馬養 雅子)

[日経プラスワン2015年2月21日付]

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