ファンデ薄めで小顔に 写真写りのコツ
ファンデ薄めで小顔に
「忙しくて丁寧にメークをする時間がないせいか、写真を撮ると、すっぴんに見える。顔がのっぺりして、地味で疲れて見えるのが悩み」(40代の会社員、根岸範子さん)。女性の場合、老けて見えたり、太って見えたりする悩みは多い。
「人間の目は奥行きをとらえているが、写真は平面なので奥行きが出ない。のっぺり写るので、どうしても普段より太って見える」。記念写真や証明写真の撮影を手掛ける伊勢丹写真室新宿本店(東京都新宿区)のチーフカメラマン、村中聡さんはこう話す。
そこでプロのカメラマンは、角度と動きをつけて立体的に撮ることで、被写体を細く見せるという。まず、体と顔の角度はカメラに対して45度くらいに。真正面から撮った時に比べて体の幅が目立たなくなり、顔に凹凸が生まれて、すっきりした印象になる。顔を左右どちらに振るかは人それぞれ。鏡で見て、自分で「きれいに見える」と思うアングルを決めておこう。
さらに、首を少しだけ傾けて動きを出す。両足は揃えない。どちらかに体重をかけて立つと片足が少し曲がり、自然な動きが生まれる。このポーズは、一人で撮る時だけでなく、集合写真で人影に隠れている場合でも意識しておこう。
それでも「顔が大きく写る」と悩む人は、メークの助けを借りよう。大手化粧品会社ポーラのメークアップアーティスト、荻野和子さんによると、顔が大きく写る原因の一つはファンデーションの塗り過ぎにあるという。「ファンデーションは、シミやクマが多い目の下の逆三角形ゾーンにしっかり塗り、そこから顔の輪郭に向かって薄く伸ばしていく」と荻野さん。
輪郭部分をごく薄づきにすることで、顔が膨張して見えたり、首から浮かび上がって見えたりするのを防げる。仕上げに塗るフェースパウダーは、粉が光を反射しやすいので撮影時には控えめにしよう。
顔が大きく写るもう一つの理由は、年齢とともに顔の輪郭が緩くなること。加えて眉と目の間が広がったり、ほほに押されて口角が下がったりして、顔の「余白」も増える。これには眉、目、唇をはっきり描くメークで対抗しよう。
眉は地の眉の下側にラインを補うように描く。目元はアイラインとマスカラを使い「線」で強調すると効果的。口紅は下がってきた口角を引き上げるラインで塗るのがコツ。メリハリメークは「顔がぼんやり写る」という人にもお薦めだ。
レンズの少し上を見る
「疲れて見える」という人は、どうすればいいのか。荻野さんは、目の下のクマは部分用ファンデーションの「コンシーラー」を塗ってカバーすることを薦める。顔のくぼみになる部分には、高く見せる「ハイライト」を塗って明るくする手がある。顔色が悪い人は、ほほ骨の高い位置から耳にかけてチークを塗ると血色が良く、いきいきした印象になる。
メーク以外にも、顔の近くにパールのようにきらきらしたアクセサリーをつけるのもいい。洋服はコーラルピンクなど肌色をきれいに見せる色がお薦めだ。
仲間との撮影では撮る側に回ることもある。その時に知っておきたいのが光の当て方だ。「正面から光が当たると顔がのっぺりする。顔の斜め45度から当たるよう立ち位置を考慮して」(村中さん)
自然な表情で撮るには、一度どっと笑わせ、和んだところでシャッターを切るといい。この際、「レンズのこぶし一つ上を見てもらうと、まぶたが上がり、自然に目がぱっちりする」と村中さんは助言する。プロのテクニックをまねて、記念撮影を楽しもう。
(ライター 奈良 貴子)
[日経プラスワン2015年1月3日付]
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