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横山慶一さん(43)はコベルコ建機の販売・サービス子会社、東日本コベルコ建機(千葉県市川市)の茨城営業所(水戸市)で所長を務める。建機はレンタル会社への販売が多いが、建設会社などへの直接販売を得意とし、1人で営業所の売り上げの4割を稼いだこともある。入社時に身につけた修理の技で地域の中小企業の信頼を得た。

2年前に茨城営業所にやって来た横山さんは経験の浅い営業マンに同行して客先に赴く。訪問先に並んだ建設機械をじっと観察する。「故障してから修理するより、今のうちに交換しておいたほうがいいですよ」。部品交換が必要な建機があればすかさず売り込む。

◇  ◇  ◇

横山さんは建機の修理をするサービスマンの出身。コベルコ建機グループの営業担当では異色の経歴だ。入社当初にサービス担当となり、3年ほどして長野営業所(長野市)に赴任した。

顧客ゼロで営業マンとして歩みだした。「ライバルメーカーの営業マンにはベテランが多く、なかなか食い込めなかった。新規顧客の攻略に必死だった」。当時は長野五輪の関連施設に向けた建機需要が一巡した最悪の時期。「『今、建機を買うのはバカだ』と言われる時もあった」

長野営業所は県内全域を担当する。大半が年商数億円程度の中小企業。点在する営業先を毎日10~15件回っても1~2社程度しか相手にしてくれない。少しでも耳を傾けてもらおうと、作業の手が休まる午前10時頃や午後3時頃に訪ねる。「説明上手ではないので聞き手に回ることが多かった。カタログ営業などはほとんどしなかった」

そこで武器にしたのがツナギ姿のスタイルだ。建機のメンテナンスに使うオイルやグリルなどの消耗品、部品などと工具を営業車に積み込み、客先の建設業者に現れる。建設機械の「簡易点検」の後、必要に応じて修理に取りかかる。内容にもよるが、1~2時間程度。修理の手は他社製の建設機械にも及ぶ。

お茶を出してくれる関係になればしめたもの。しだいに懇意になり、「『晩飯を食ってけ』と親世代の方にかわいがってもらった。地方ならではだ」

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