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絵になる駅舎12選 歴史を刻み旅情かきたてる

NIKKEIプラス1

2017/5/20付 NIKKEIプラス1

旅の起点となる鉄道駅。長年にわたって人々が行き交い、親しまれてきた。
歴史を重ねた建物は、見るだけでも楽しめる。駅舎はまさに街の顔だ。
旅情をかきたて、思わず訪ねたくなる駅舎をランキングした。

■風格と個性の共演

 日本には9000以上の駅がある。優れた建築として文化財に登録されているものも多い。今回は見て美しく、歴史やロマンを感じさせる駅舎を対象にした。

 1位の東京駅と門司港駅はともに1914年の完成。いずれも堂々とした風格で、日本近代史に残る名建築として高い支持を得た。

 ローカル線の個性的な駅を巡るのも楽しい。浮き彫り細工やステンドグラスなど、細部まで意匠が施されたところもあり、見どころの一つ。近年は観光資源として保存・修繕される駅舎がある一方、取り壊されるものも少なくない。素通りするのはもったいない。しばし足を止めて歴史を感じたい。

東1位 東京駅 690ポイント
夕暮れも夜景もとびきり(東京都千代田区)

 開業は1914年。近代日本を代表する建築家、辰野金吾が設計した赤レンガの建物は重要文化財に指定されている。太平洋戦争中に損壊し、戦後改修したが、2012年に竣工当時の姿に復元した。「レンガ造りの重厚な駅舎は日本の代表駅にふさわしい風格」(瀬端浩之さん)、「欧米の巨大ターミナルと肩を並べられる唯一の駅」(櫻井寛さん)と首都の玄関口として存在感を示した。

 「夕日に染まる駅舎の陰影が魅力的。夜のとばりが降りる頃のライトアップされた姿も息をのむ美しさ」(佐々木直樹さん)。駅舎の八角形ドームの天井レリーフなどの意匠も見どころ。「八重洲側は柱と布製の屋根と板の間だけという大胆な駅デザイン」(田中比呂之さん)。「併設の東京ステーションギャラリーからはレンガ造りの内部も分かるのでぜひ入館を」(高田毅さん)

東2位 日光駅 670ポイント
伝統と格式の洋館(栃木県日光市)

 JR日光線の終着駅で、1912年に完成した白亜の木造駅舎。1890年の開業当時は質素だったが、皇室関係者が訪れるようになり優雅な洋風駅舎に改築した。「エレガントな駅舎、最高ランクの洋館」(杉崎行恭さん)。1階には大正天皇が休憩した貴賓室が保存されている(非公開)。2階にはかつて1等旅客用の待合室として使われた「ホワイトルーム」があり、自由に見学できる。「華やかながら伝統と格式を感じさせる」(杉山淳一さん)。今年3月、改修工事が完了した。

東3位 原宿駅 470ポイント
街とのギャップの妙(東京都渋谷区)

 東京最古の木造駅舎は1924年築。関東の駅百選にも選出された。「大正時代の面影を残した洋風の駅舎と、若者の街の玄関口のギャップがたまらない」(久野さん)。「神宮の森にセンスのいい英国風駅舎、ファッションの町を作った名建築」(杉崎さん)。2020年の東京五輪開催までに建て替えられることが決まっており、駅舎の保存は未定。「ぜひ保存してほしい」(板谷さん)との意見が多数挙がった。

東4位 北浜駅 360ポイント
流氷が間近に(北海道網走市)

 オホーツク海にもっとも近いJR北海道釧網本線の駅で、流氷を間近に見られる。ホームから海までは50メートルほど。「最果ての旅を感じるならこの駅」(中嶋さん)。高倉健主演の映画「網走番外地」など多くの映画やドラマの撮影に使われた。「大正時代からの木造駅舎はノスタルジックな美しさはもちろん、背景に広がるオホーツク海と相まって実に絵になる」(矢野直美さん)。構内のレストランで海を眺めながら食事ができる。

東5位 小樽駅 330ポイント
昭和モダンの面影(北海道小樽市)

 1903年に小樽中央駅として開業した、JR北海道函館本線の駅。現在の駅舎は34年竣工。鉄筋コンクリートの重厚な造りで貫禄がある。箱を並べたような凸型の直線的な駅舎は「東京の上野駅や両国駅にも通じる昭和モダンな都会駅の面影」(板谷さん)を残す。石原裕次郎が幼少期に小樽に住んでいたことから、4番線は「裕次郎プラットホーム」と名付けられ、等身大パネルが展示されている。

東6位 湯野上(ゆのかみ)温泉駅 280ポイント
かやぶき屋根の風情(福島県下郷町)

 旧国鉄会津線を引き継いだ第三セクター、会津鉄道の駅で、近くにある宿場町、大内宿の町並みにちなんで屋根はかやぶきになっている。「駅舎内には囲炉裏が切ってあるなど、風情たっぷり」(瀬端さん)。日中は囲炉裏の火がたかれ、無料でお茶を飲める。温泉地の駅だけあって、隣に無料の足湯もある。「物語の舞台のような趣がある。緑もえる夏をはじめ、四季を通じて絵になる」(矢野さん)。土産物の販売も充実。

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