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「おつり」で資産づくり スマホアプリ続々と 無理せず貯蓄・投資

2017/4/8付 日本経済新聞 朝刊

 買い物をした時のおつりで貯蓄したり、投資信託を購入したりするスマートフォン(スマホ)のアプリが日本でも次々登場すると聞きました。どのようなサービスなのでしょうか。

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 「おつり」が自動的に投資に回るサービスは金融とIT(情報技術)が融合したフィンテックの一分野で、米国で先行している。有名なのがエイコーンズ社。クレジットカードなどで買い物をするとおつりに相当する1ドル以下の端数が積み立てられ、一定額以上になると投信を購入する。スマホのアプリで利用できる。

 日本でも同様のサービスが相次いで登場する。クレジットカードやデビットカードなどで支払うと当然、おつりは出ない。そこで、100円単位、500円単位といった具合に金額を設定しておき、代金との差額を貯蓄や投資に充てるという仕組みだ。

 先陣を切ったのはネストエッグ(東京・千代田)。2016年12月、自動貯金アプリ「finbee(フィンビー)」をリリースした。まず「旅行」「趣味」など貯金の目的や目標金額・目標時期を決め、次に貯金ルールを設定する。「おつり貯金」を選ぶと、買い物の際におつりに相当する端数が、自動的に提携金融機関の預金口座に入る。

 設定額は1000円、500円、100円の3つから選ぶ。1000円なら、例えば760円の買い物をすると240円が貯金に回る。貯金の進捗度合はアプリでいつでも確認できる。

 貯金額に対して0.1%分のポイントが毎月付与されるのもメリットだ。500ポイント以上たまると1ポイント=1円分のアマゾンギフト券に交換できる。

 現在提携しているのは住信SBIネット銀行で、「おつり」を貯金するには同行のVISAブランドのデビットカードで買い物をする必要がある。ネストエッグは今後、提携する金融機関を広げていく考えだ。

 今春以降、同様のサービスを提供する会社が増える。トラノテック(同・港)は17年5月末までに、ロボットアドバイザー(ロボアド)を提供するウェルスナビ(同・千代田)は今春中に、おつり相当額を投信などで運用するサービスを始める予定だ。

 トラノテックはおつりで国内外の上場投資信託(ETF)で運用する投信を買い付ける。ウェルスナビはロボアドを使って利用者のリスク許容度に応じた資産配分を判断し、海外ETFで国際分散投資できるようにする。

 「おつり」で貯蓄や投資をする最大の利点は「意識せずに資産を積み立てられる」(ネストエッグの田村栄仁社長)こと。特に投資の場合、資金が小口なので、初心者でも気軽に始めやすいというのも特徴だ。

[日本経済新聞朝刊2017年4月8日付]

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