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演出家・蜷川幸雄の没後1年 「レガシー」継承の行方

高齢者劇団や古典劇で模索

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NIKKEI STYLE

演出家、蜷川幸雄が亡くなってまもなく1年。2劇場で芸術監督をつとめた存在感の大きさがしのばれる。その遺産を継承しようと追悼公演が行われ、不在を埋める模索も続く。

埼玉・与野本町にある彩の国さいたま芸術劇場。芸術監督の蜷川幸雄が昨年5月12日、80歳で逝ったあと、大稽古場に「NINAGAWA STUDIO」のプレートが貼られた。蜷川が断続的に組織してきた若い役者集団と作業場の名だ。

役者は「待つこと」をめぐって場面を作ってくる。それを蜷川が構成する。そんな実験的連作がゆかりの役者たちによって"再現"される。最古参メンバー、大石継太は「役を真摯に、演技には清潔感を、と教えられた。一周忌に芝居をしたかった」と語る。蜷川肝いりの高齢者劇団「さいたまゴールド・シアター」の遠山陽一も参加。「生きざまを見せろと言われた。蜷川さんと同年齢ですが、芝居を続けたい」

改めて存在感

演出助手を長年務めた井上尊晶によると「NINAGAWA STUDIO」の後継でもあった「さいたまネクスト・シアター」と高齢俳優との合同公演を蜷川は重視した。「コミュニケーションの場としての演劇を最後は考えていた」

井上がまとめ役となるこの「2017・待つ」(4月27日から、同劇場大稽古場)は、老若混成のユニークな舞台となりそうだ。ゴールド・ネクスト合同の「鴉(からす)よ、おれたちは弾丸(たま)をこめる」(4月14~16日、大ホール)も再登場する。

著作権を管理する「ニナガワカンパニー」の了解のもと蜷川演出の舞台は再演が続く。代表作「NINAGAWA・マクベス」が英国公演に先がけ、7月に同劇場大ホールで上演されるのが先例となる。5~6月には「身毒丸」「ヴェニスの商人」など4作の映像が全国で追悼上映される。

改めてその存在の大きさが浮かび上がる蜷川幸雄。海外でも賛辞を集める国際性、小劇場の実験から積み上げる芸術性、大劇場を1カ月満員にできる動員力、ゴールドシアターにみられる社会的プロジェクト。それらをひとりで実現した芸術監督に代役はない。

「蜷川レガシー劇場」(竹内文則・埼玉県芸術文化振興財団理事長)として「遺産」の継承に努めるのが当面の課題。60歳以上の出演者を公募した「1万人のゴールドシアター」公演の成功を受け、高齢者演劇の継承が検討される。全37作を完全上演する計画だったシェークスピア。残る5本については蜷川に育てられた役者、吉田鋼太郎が芸術監督を引き継ぐ。昨年10月の就任会見で「蜷川さんが強調していた言葉の大切さを伝えたい」と強い意気込みをみせた。

ただ劇場全体を統括する芸術監督の人選は容易でなく、ネクストの今後も未定だ。近年注目される「社会包摂」を打ち出す劇場像も検討され、街づくりや高齢者の社会参画などを推進する拠点を目指す。

難しい監督人選

芸術監督を務めていたもう一つの劇場、東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンはどうか。「人選は検討中だが、簡単ではない」と加藤真規エグゼクティブ・プロデューサー。蜷川は3本の柱でプログラムを組み立てていた。寺山修司や唐十郎らのアンダーグラウンド演劇、シェークスピア以外の西洋古典劇、新作書き下ろしだ。「ひとりで全部できる人はいない。分散して継承する」(同プロデューサー)という。

西洋古典劇については英国人演出家を起用し、人材難に対応する方針が固まった。英国における蜷川の声望は大きく「その後継プログラムなら」と交渉が進む面もあるという。

蜷川に頼りすぎていた演劇界、今が正念場だ。

(編集委員 内田洋一)

[日本経済新聞夕刊2017年3月28日付]

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