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弁当、彩りの法則 赤・黄・緑・茶・白…5色そろえる

NIKKEIプラス1

2017/3/18付 NIKKEIプラス1

 春から始めたい弁当作り。詰め方や彩りの法則を押さえておけば意外に簡単だ。彩り豊かな弁当は、作るのも楽しくなる。手間と時間を最低限にして、毎日の弁当生活を満喫しよう。

 早起きしたけれど「弁当箱に何を入れようか」とメニューや詰め方に悩みはじめ、結局ぎりぎりになってバタバタと決める……。弁当作りを負担に感じる人は多いはず。

■ご飯から主菜 大きさの順に

 「弁当は、赤・黄・緑・茶(黒)・白の5色をそろえるのがコツ」。料理家で弁当コンサルタントの野上優佳子さんは話す。白はご飯、茶色は肉や魚の主菜、赤・黄・緑は野菜や卵料理の副菜にする。5色あれば彩り豊かになり、食欲をそそる。主菜を1品、卵と野菜を使った副菜が2、3品あれば弁当は成立する。法則を意識すればメニューを組み立てやすくなる。

 野上さんは「弁当で最も時間がかかるのはメニュー決め。あまり難しく考えず、とにかく迷わないことが肝心」と助言する。前夜のうちにメニューを考え材料をそろえておけば、朝悩む時間が減り、気も楽になる。

 詰める順番にも法則がある。「弁当作りは空いたスペースの面積をどんどん小さくしていく作業。面積が大きいものから詰めるといい」と野上さん。ご飯、主菜、大きい副菜、小さい副菜の順番で盛りつけていく。

 1段の弁当箱なら、ご飯とおかずの割合は1対1が基本だ。おかずに接する面が斜めになるようにご飯を盛れば、具材を載せやすい。ご飯の上にまずは大きな主菜を立てかける。次にご飯と相性のいい味付けの副菜を隣に詰める。

 味を混ぜたくないものは、先におかずカップを入れてスペースを確保しておく。接するおかず同士の相性を考えて詰めていけば、アルミホイルやカップは最小限で済む。その方が持ち帰って洗う際に臭わず、手間を省ける。隙間なく角まで詰めていき、ご飯の上にゴマやふりかけをかければより見栄えがする。

 弁当作りに慣れていない人には、長方形などの2段弁当がお薦めだ。弁当作りで悩ましい隙間が少なくなり、「おかずを横に並べていくだけで簡単に詰められる」(野上さん)からだ。

 全体像が固まったら、5色の素材と割合、味付けを考える。「甘い・辛い(しょっぱい)・酸っぱいの三要素が入るのが基本。甘酸っぱい味や甘辛い味が入ると飽きない」(野上さん)。黄色いカボチャやサツマイモなど甘い副菜は箸休めになり、赤や白のなますなど酸っぱいものは甘・辛をリセットしてくれる。味のバランスも考えたい。

■煮物などは 週末作りおく

 同じ食材を使う場合も、調味料を少し変えるだけで変化が出せる。例えば「卵かけごはんに混ぜておいしい食材なら卵焼きにも合う」(野上さん)ように、卵焼きはアレンジの幅が広い。週に1、2回はご飯を雑穀米や豆ご飯に変えると気分も変わる。献立がマンネリ化してきたらいろいろ試してみよう。

 朝の時間は限られている。料理家の小田真規子さんは、「朝作るものを厳選しよう」と話す。魚や卵料理は朝作っても時間がかからず、しかも作りたての方がおいしい。一方で根菜の煮物など手間がかかるもの、酢の利いたマリネなど保存できるものは週末に作りおきしておくといい。

 小田さんは「しっかり加熱した料理に小さじ1杯以上の酢を入れれば長持ちしやすくなる」と話す。油に漬けても保存性は高まる。味や香りのしないグレープシードオイルがお薦めという。保存容器から取り出す際にかき混ぜず、端から順に取ることも長持ちさせるポイントだ。

 弁当作りで欠かせないのは衛生面の配慮。一般的な弁当箱ならご飯とおかずは完全に冷めてから詰める。保温性能の高いジャーの弁当箱の場合は、ご飯もおかずも温かいうちに入れよう。

 おかずを詰める度にこまめに箸を拭くのも注意点。汁気はキッチンペーパーで取る。ゴマやかつお節をまぶすと水分を吸うので上手に活用したい。水分が出やすい生野菜も避ける。ミニトマトはへたをとってから入れよう。

 「弁当箱は持ち運べる食卓」と野上さんは言う。「午前中嫌なことがあっても、昼間に弁当箱を開ければ我が家を思い出せる」。家族の顔を思い浮かべながら、心浮き立つ弁当を作りたい。

(小柳優太)

[NIKKEIプラス1 2017年3月18日付]

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