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6、28、496…この数字の列はなに?

NIKKEIプラス1

2017/2/25付 NIKKEIプラス1

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スーちゃん 6、28、496…この数字の列はなに?
森羅万象博士 不思議な数字なんだ。自分以外の割り切れる数を足してごらん
スーちゃん 6を割れるのは1+2+3。あっ、足すと6だ。28は1+2+4…。これも28だ
森羅万象博士 「完全数」というよ。昔から謎解きを続けているんだ

博士より 大きな数を割り算する時に割り切れる数を「約数(やくすう)」というよ。たとえば6は1、2、3、6で割り切れるから、6の約数は4個ある。色々な数で約数を調べると、自分以外の約数を足し合わせた時に、その数と同じになる数が見つかる。28の場合、自分以外の約数は1、2、4、7、14の5つ。これを足し合わせると28になる。496の場合も同じだ。

 こうした条件を持つ数を美しいと感じた古代ギリシャの数学者らが、「完全数」と名付けた。2300年前の数学書「ユークリッド原論」にも登場するよ。「完全」と呼ぶだけあって、変わっているんだ。数字はたくさんあるから、完全数のどこが特別なのかと思うでしょ。見つけるのが大変なんだ。昔から、多くの数学者たちが完全数を探し続けてきたよ。

 どれだけ珍しいのか、完全数を並べると分かるよ。6、28、496と見つかったけど、4番目の8128の次は一気に8けたの数までいく。古代ギリシャの数学者たちが目にできたのが4番目までだった。5番目以降は、1000年以上たって筆算の技術などが進歩してきた中世にならないと見つからなかった。

 1950年以降は、コンピューターの計算で探すようになった。2016年には、世界中のパソコンをつないで計算した研究チームが、ようやく49個目を発見した。けた数は4000万けたを超えるみたいだよ。

 50個近くが見つかっても、完全数には謎(なぞ)が多い。いったい全部で何個あるのかが分からないんだ。これまでに見つかった完全数はどれも偶数ばかり。奇数がない理由も解明されていないよ。

 ただ、突きとめた完全数には一定のルールがあることも明らかになってきた。タテの長さがヨコの2倍となる長方形の面積で考えてみよう。長さは2を何回かかけた数とする。ヨコが2を2回掛け合わせた4のとき、タテは8になる。

 次に、長方形の端からタテが1の長方形を切り落とす。残った長方形のタテは8から1を引いた7。「自分」と「1」以外で割り切れない。この長方形の面積は、7×4で28。完全数が出てきたね。ヨコが2を3回かけた長さならどうかな。タテは15。3や5でも割り切れる。面積は完全数ではないね。

 自分と1以外の数で割りきれない数は「素数(そすう)」という。素数と完全数は深い関係にあるけど、完全数は謎が多いままだ。面白い数字なのに解明できないもどかしさが、今日まで多くの数学者たちを夢中にさせてきた理由かもしれないね。

■完全数に似た「友愛数」

博士からひとこと  完全数によく似た性質の数として「友愛数(ゆうあいすう)」がある。完全数が1個の数字を指すのに対し、こちらは2つの数字のペアを指す。自分以外の約数の和が、ちょうど相手の数と同じになるのが友愛数だ。
 たとえば220と284がこれにあたる。220の自分以外の約数は1、2、4、5、10、11、20、22、44、55、110で合計284。284の自分以外の約数は1、2、4、71、142で合計220だ。
 友愛数は桁(けた)違いに多いペアが見つかっている。でも、やはり規則性や特徴は現在のところよく分かっていない。

(取材協力=村瀬篤・京都産業大学教授)

[NIKKEIプラス1 2017年2月25日付]

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