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作詞家・売野雅勇さん グサッと来るフレーズ求めて

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NIKKEI STYLE

「少女A」「涙のリクエスト」「め組のひと」「2億4千万の瞳」「六本木純情派」……。売れっ子作詞家として1980年代に数々のヒットを放った。昨年で作詞家生活35周年を迎え、代表曲を収録したCDのボックスセットが出るなど再び脚光を浴びている。

81年に作詞家デビューを果たす前はフリーランスのコピーライターをやっていた。

「70年代末を境に世の中ががらりと変わりました。都市文化へ、情報産業中心の社会へと。音楽界ではテクノグループのYMOの登場、ハード面ではウォークマンの発売も大きかった。80年元日に発売された沢田研二さんの『TOKIO』を従来の阿久悠さんではなく、コピーライターの糸井重里さんが作詞したのは象徴的な出来事で、僕のような作詞家が生まれるきっかけになりました」

「時代の要請は生活の臭いが希薄な軽さでした。こたつでセーターを編んでいるような情景は敬遠され、新しいポップな歌詞の書き手としてコピーライターに白羽の矢が立ったのです」

コピーライターの得意技は「奇想天外な言葉の組み合わせを作ること」だ。

「言葉を組み合わせるときは反対の概念をぶつけるとインパクトや詩情が生まれる。それは経験で分かっていました。例えば歓楽街の六本木に、正反対のイメージの言葉をぶつけた曲が『六本木純情派』でした」

タイトルから発想することが多かった。その後は「タイトルを起点に連想ゲームをやるんです」と創作の秘密を明かす。

「例えば『夏のクラクション』であれば、潮騒、沖のヨット、貨物船、落雷など、全く自由な発想でノートがいっぱいになるまで思い浮かぶ言葉を書き連ねる。名詞が一番強いんです。形容詞は意外と心に引っかからない。とにかく名詞を並べる。シンボルをたくさん出すということです」

「書き連ねた言葉と曲のコンセプトを見比べていると、おのずとストーリーができてくる。すると、その物語が要求している言葉は何か、ぐっと絞られてくるのです。『涙のリクエスト』であれば『最後のコイン』のような言葉ですね」

「最近のJポップには一瞬にして夢を見せるような印象に残る歌詞が少ない」という。

「ポップスはキーワードが大事なんですよ。大ヒットするには、グサッと来るフレーズがいい。例えば米国のマドンナが歌った『ライク・ア・ヴァージン(まるで生娘のように)』、サイモン&ガーファンクルの『サウンド・オブ・サイレンス(静寂の音)』もうまいですね」

「作詞に秘訣があるとすれば、自分の好きな言葉を1つでも増やすこと。その言葉をどれくらい深く好きかも重要です。僕の言葉は『少年』と『青空』。どんな詞を書いてもそれが出てきてしまうくらいです」

「個人的な思いを突き詰めて作詞すると、聴き手の胸の奥に眠っていた郷愁のような感情を呼び覚ますことがあります。その人は自分のこととして歌を聴き、心の中で自家発電してくれる。曲がヒットするしない以前に、歌の本質とはそんなところにあるのではないかと思っています」

◇     ◇

目指すは世界進出

昨年末、東京で開かれた売野雅勇の「作詞活動35周年記念コンサート」には稲垣潤一や中西圭三といったゆかりの歌手が出演したが、異彩を放っていたのがマックス・ラックスだった。この夜は1人欠けて日本人女性が代役を務めたが、ロシアから来た女性3人組のコーラスグループだ。

近年の売野の夢は「米国に行くこと。本格的な世界進出です」。そのための歌手は必ずしも日本人である必要はないと考えるようになったという。売野自らプロデュースし、その夢を託しているのがマックス・ラックスなのだ。彼女たちはこの夜も流ちょうな日本語で売野作品を歌った。

海外進出の際は「英語の歌詞になりそうです」と売野。「日本語で書いた歌詞を誰かに英訳してもらってもいいし、コンセプトを伝えて英語で作詞してもらってもいい。キーワードだけはこちらでしっかり決めようと思っています」。ヒットの法則を熟知した才人だけに、本当にホームランを打ってくれるかもしれない。

(編集委員 吉田俊宏)

[日本経済新聞夕刊2017年2月22日付]

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