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岡山・日生のご当地グルメ 冬に食べたい「カキオコ」

埋もれた名物 殻開けた

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NIKKEI STYLE

カキがたっぷり入ったお好み焼き「カキオコ」は、岡山県東部、備前市日生(ひなせ)地区のご当地グルメとして知られる。漁師町・日生でカキの養殖が始まって半世紀。カキむきで傷付き売り物にならなくなった身を、家でお好み焼きに入れたのが始まりといわれている。ただカキオコの名称が広まったのはここ10年余り。岡山県職員に「発見」されたのがきっかけだ。

「そこに座った県庁の人がカキ入りのお好み焼きを食べ、驚いたのが始まりだったんよ」。備前市日生町の「ほりお好み焼き」店長の堀律子さん(59)が鉄板越しに語る。日生では、お好み焼きの具材に地元産のカキを使うのは普通のことだった。「カキオコなんて呼び名も無かったし。その人は日生の恩人です」。

◇     ◇

その恩人とは現在、岡山県土木部都市局建築指導課長の江端恭臣さん(56)。「日生カキオコまちづくりの会」の会長でもある。備前市の隣の兵庫県赤穂市に住む江端さんが2001年12月、「仕事で日生に来て、たまたま昼食でほりお好み焼きに入った」のがカキオコ発見のきっかけだ。

「ソースとカキの組み合わせが何とも絶妙で、カキ入りお好み焼きを多くの人に教えたいと思った」。江端さんは街おこしにつながると感じ「日生カキお好み焼き研究会」を立ち上げ、02年2月には手作りの食べ歩きマップを完成させた。

マップが翌年、岡山のタウン情報誌に掲載され、「通勤仲間が言い出した『カキオコ』の呼び名」(江端さん)とともに話題を集める。カキオコブームの始まりだ。08年には地元の備前東商工会が、研究会の協力を得て「カキオコ」を商標登録するまでになった。

日生が大阪と広島の中間に位置するだけに、「カキオコもお好み焼きとしては中間風かな」。備前東商工会支援課長の法華正裕さん(59)は説明する。

創業55年の「ほりお好み焼き」では、キャベツを混ぜた生地を鉄板に広げ、その上にさらにキャベツを載せてカキをキャベツが隠れるくらい敷き詰める。生地に包まれ蒸し焼きにされるプリプリのカキ。「ほてりきうまい!」。店のスタッフが着用するTシャツにプリントされた、とてもおいしいという意味の古い日生弁に素直にうなずける。

カキオコをしょうゆで供する店もある。「お好み焼き もりした」の森下千津美さん(71)は、「初めての方にはソースとしょうゆのハーフをお薦めします」。しょうゆのハーフはさらに半分に分け、片方にサンショをかける。もう一方のソースも半分に分け、こちらの片方には一味。計4通りの味わいが楽しめる。

森下さんは様々なお好み焼きを食べ歩いて研究。地元の新鮮なガラエビを使った時は「しょうゆの方が繊細なエビの味を感じられる」事に気付いた。「同じように新鮮なカキなら、しょうゆもいいのでは」。今では、しょうゆだけをオーダーする客も多いという。

半分はソース、もう半分に岩塩を使うのは「タマちゃん」。JR赤穂線日生駅より一つ兵庫県寄りの寒河(そうご)駅近くの人気店だ。2代目の宮谷公輔さん(34)は「大将の親父がいろいろ工夫した」と話す。カレーを上からかけるカレーカキオコもそんな一品。

◇     ◇

日生のカキは一年物。「柔らかくて濃厚な味が特徴」と日生町漁業協同組合の天倉辰己専務理事(55)は自信満々だ。中国山脈から瀬戸内海に注ぐ川が運ぶ豊富な栄養分と、風波からカキ筏(いかだ)を守る島陰が多いという自然条件に恵まれた。海中につるしたその年の10月末ごろから販売が始まる。

「去年は身が痩せていたけど、今年のカキはいい」。JR日生駅近くの「うま×うま」を切り盛りする牧野真希さん(34)の声は弾む。日生では女性はいくつになっても「お姉さん」と呼ばれ、牧野さんは日生カキオコまちづくりの会加盟店で最も若いお姉さんだ。

実家は漁師で、自身もカキの殻むきをやっていた。「いつもは4月まであるけど、今年は3月中旬かな」と牧野さん。今年の日生では桜のつぼみが膨らむ頃まで、むきたてのカキ満載のカキオコが楽しめそうだ。

<マメ知識>冷凍物で夏にも提供
 カキは「R」の付く月以外は食べるなといわれる。確かにMay(5月)~August(8月)は日生でもカキの水揚げはない。かつてはその間、カキオコも姿を消した。「夏季はエビオコ」と、ガラエビを使ったお好み焼きが代替品の主流だった。
 ところが「B-1グランプリ」に出店した2011年ごろから、「冷凍カキを使っていこうという流れになった」(江端さん)。冷凍技術の発達で「風味・食感も良くなっている」(森下さん)のが大きい。近年では夏季でも供する店が増えてきている。

(岡山支局長 上野正芳)

[日本経済新聞夕刊2017年2月21日付]

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